新車値引き情報
更新日:2019.04.26 / 掲載日:2019.04.26

【新車購入】X氏の値引きにチャレンジ大作戦

車歴13台、百戦錬磨の猛者見参! 神様を唸らせる大技・小技を連発!! 掟破りの戦法で40万円を奪取!!!

【プロローグ】 クルマの世界はまさに日進月歩です。
 5年前、エクストレイルを購入した頃はプリウスに象徴されるようにハイブリッド車はトヨタが主流で、他社はまだまだといった感じでした。ところが、今ではすっかり様相が変わってしまいました。各社からより身近でリーズナブルな価格のハイブリッド車が数多く出ています。さらにe-POWERやPHV、EVなど新しいメカニズムも続々と登場。クルマのテクノロジーは自分が思っている以上に速いスピードで進化し続けている! と驚いています。
 この5年間で我が家も日進月歩。長男と長女は就職や結婚で巣立って、現在は嫁さんと二人暮らし……あっ、忘れてました、愛犬も家族の大事な一員です。
 さて、クルマ選びですが「変化」に追いつけず、すっかり迷走してしまいました。ようやく別記の5台が候補車としてあがってきましたが、統一性のないのは迷走の結果と、ご容赦ください。
 主に私の通勤の足として使いますが、近所に住む娘夫婦と時々、一緒に出かけるため「4人乗っても狭くない」が基本です。でも、嫁さんの運転技術の事情から車体が大き過ぎるのはNG(今乗っているエクストレイルは怖がって運転してくれません)。さらに、愛犬もこれから老齢化していくので、車高が高いと飛び乗れなくなってしまいます。
 要するに、大人4人が楽に乗れて、なおかつ嫁さんと愛犬にやさしいクルマというコンセプトで選んだわけです。

【1日目(土曜日)】 エクストレイルの6か月点検の予約をしていたので日産へ出向く。
 事前に担当の営業さんには「そろそろ買い替えようか? という気持ちもあります。その場合、ノートe-POWERも有力候補になりますよ」ということをちょっと大げさな表現で伝えておいた。折しも、年度末の決算期。おそらく、担当さんのハートを鷲掴みできたのではないか(笑)。
 ちなみに、商談では次の3か条をしっかり守ることにした。
一、交渉の主導権を渡さない。
二、買う気を見せつつもちょっとやそっとでは納得しない。
三、本音は最後まで伏せる。
 あらかじめオプションや付属品を伝えておいたので、営業さんが見積もりを用意していた。
X「エクストレイルの車検は7月まで残っているけど、5万kmを超えているし、10月には消費税が上がりそうなので、早めに買い替えてもいいかなと思っています。ちょうど決算期だしね」
セ「ありがとうございます! 確かに車検切れぎりぎりになるよりも、この決算期に購入されるほうが値引きなども含めて、お買い得だと思います」
X「ノートのe-POWER、凄く売れてるらしいじゃないですか? いいクルマですよね。何とか、いい値段で欲しいなあ」
セ「Xさんにはエクストレイルに引き続き、乗っていただきたいので、頑張らせていただきます!」
 おっ、最初から鼻息荒いねぇ。こりゃ、期待できる!と思いきや、見積もりに目を通すと……値引きは車両本体からの15万円しか記入されていない。
X「あれ? 付属品を合計40万円も付けているのに、そこからの値引きが書いてないやん? 何? ほんまに売る気、あるん?」
セ「いや、これはあくまでも最初の条件でして……これから詳細な部分を詰めつつ、値引きもさせていただこうと思っています」
X「あんまり何回も商談したくないから、ぶっちゃけ、駆け引きなしでやりましょうよ。ノートを第一候補にしてますが、インプレッサやCX-3、カローラスポーツとかも値段が合えば買おうかと思ってるんですから、頑張ってもらわんと脱落しますよ」
セ「わかりました! 決めていただけるように精一杯頑張ります」
 後日、あらためて見積もりを出してもらうことにして引き上げた。
 なお、ノートに試乗させてもらったが、思っていたより窮屈感はなかった。ただし内装はもうちょっとオシャレ感が欲しい。ほかにも減点材料があった。やはりクルマはカタログだけではなく、実物を見てみないとわからない。
 次は、第2候補のインプレッサスポーツ。ネットを通じてアポをとっておいたスバルのA営業所へ。
 まずは実物を見せてもらう。
 外観……いいねぇ! 内装……オシャレだね! 座席……ゆとりがあるね! あれ? なにひとつ不満がない……欲しい! あかん、あかん! とりあえず冷静になって、見積もりを見せてもらった。
 車両本体から16万7915円引き、付属品(68万5681円)から10万9423円引きで、トータル値引きは27万7338円。
 ん? 初回から、これだけ出してくるということは、かなり余裕があるとみた。こりゃあ、まだまだいけそうだ。
X「付属品の値引きは15%くらいですね。トヨタや日産は20~25%くらいやってくれそうですよ」
セ「他店のことはわかりませんが、うちは規則でこれだけしか値引きできないんですよ」
X「付属品の値引きはこれ以上できないってこと?」
セ「はい。無理です」
 スバル、手強し、一筋縄ではいかない。先ほどの甘い考えが打ち砕かれてしまった。
X「じゃあ本体から、もう少し頑張ってもらえますか?」
セ「いえ、本体値引きもいっぱいいっぱいです」
X「じゃあ、どうやったら、値引き、頑張ってもらえるの?」
セ「本体価格の高いクルマでしたら、もう少し頑張れますが……」
 グレードを上げろってこと? 予算的に厳しいのに、そりゃできない。しかし、このときはまだ、営業さんのこの言葉が今後の展開の鍵を握ることになろうとは思ってもみなかった……。
 よくみると見積もりにはこちらが頼んでもいないJAFや付属品が記入されており、不信感が募る。そっけない応対をされたこともあって、少し心も折れかかっていたので、引き上げることにした。
 これにて第一日目は終了。
 自宅に戻って再検討する。
 今日の商談で引っかかったのはスバルの営業さんが言った「本体価格の高いクルマなら頑張れる」という言葉だ。そこで、カタログと価格表をチャックすると……。
 あれ!? 対象としていた1.6Lの特別仕様車と、2Lのi-Sアイサイトは車両本体価格こそ30万円も差があるが、2Lは標準装備が充実しているので、オプション込みの総額は思ったより差が小さくなる。だったら、いっそのこと2.0i-Sアイサイトに変更して、値引きの上乗せを狙ったらどうか? ただし、あの手強い、営業さんが相手では満足できる回答が得られそうにない。
 さてどうしようか? と考えていたら、会社の同僚が昨年、レヴォーグを買ったことを思い出す。同じスバルだが、別のB営業所だ。月刊自家用車には「同じディーラーの営業所を変える場合は要注意」と書いてあったけれど、ダメもとで行ってみるか。
 早速、B営業所へアポを取り、明日の約束を取り付けた。

日産さん、ほんまに売る気あるん? 強気で攻めたらeパワーが大廉売!

【2日目(日曜日)】 午後からスバルのB営業所を訪問。なんと、いきなり店長さんが登場。ちょっとラッキーかも?
店長「担当者が別のお客様の応対をしておりますので、私が応対させていただきます」
 非常に丁寧で好感が持てる。
 こちらの希望を伝え、見積もりを作成してもらった。
 2.0i-Sアイサイト(272万1600円)の車体値引きは21万6000円、付属品の値引きは11万7199円で、合計は33万3199円引き! 昨日の1.6Lモデルより値引き額が一気に6万円近くも増えた。ヨシ! このグレードで話を進めよう。
X「今のエクストレイルは大き過ぎて嫁さんが運転できないんですよ。私は日産と付き合いがあるんで、手ごろなサイズで、しかも燃費がいいノートe-POWERにしようかと思っていたんですが、嫁さんが『インプレッサに乗ってみたい!』と言い出したので、やって来たんです。財布の紐を握られているんで、嫁さんには逆らえませんよね(笑)」
店長「奥様に喜んでいただけるように精一杯頑張らせていただきます!」
X「それにしても、インプレッサはけっこういい値段になりますねぇ。付属品の割引率は……え~と、20%弱ですね。もう少し値引きできませんか?」
店長「実は、付属品の割引に関しては規定があって、ここまでしか引けないんです」
X「でも、このままじゃ予算的に無理っぽいですよ。嫁さん、がっかりさせないように次回はもう少し頑張ってくださいね」
 これにて引き上げる。

【3日目(木曜日)】 仕事帰りに近所のトヨタへ。
セ「カローラスポーツはあまり値引きはできないんスよ」
 値引きは車両本体と付属品から11万円。これでは完全に予算オーバー。営業さんは歯切れが悪く、上乗せはききそうにない。
X「う~ん……この条件じゃ、ちょっと辛いなぁ……考えるわ」
 あえなくカロスポは消えた。
 マツダとも商談するが、CX-3の値引きはたったの10万円。「最近のマツダは強気な売り方をしてくる」と聞いていたが、これほど厳しいとは……これまた消える。
 夜、日産からメールでノートe-POWERの見積もりが届いた。
 車両本体値引き27万7576円、付属品(約40万円)値引き8万1000円で、トータル35万8576円引き。そこで「頑張ってくれたようですが、まだ納得できる額ではありません。次回行くときは試乗もする予定ですので、最終金額の提示をお願いします」と返信した。
 先日、近所のホンダにヴェゼルの見積もりを依頼しておいたが、いっこうに届かない。電話もなし。やっぱり今回もホンダとは相性が悪いようだ。
 なお、これまで乗ってきたエクストレイルは買い取り専門店3社に査定してもらい、一番高値(156万円)を付けた店に売却することにした。エクストレイルはすぐに引き渡さなければならないが、買い取り専門店が納車まで代車を貸してくれるし、アルミホイール付きスタッドレスタイヤも1万円で売却することができた。ちなみに、新車ディーラーが提示してきた下取り査定の最高額は日産の145万円で、最低額はスバルの111万5000円。買い取り専門店の圧勝だった。

【4日目(金曜日)】 ここにきて当初の第1候補と第2候補が逆転してしまった。狙いはズバリ、インプレッサスポーツ!
 さて、どう攻めようか? と思案していたら、日産の営業さんから電話が入る。
セ「ぜひともノートe-POWERに決めていただきたいので上司と相談して思い切った値引きを出しました。メールで見積もりを送ってあるので、ご覧ください」
 メールを開くと、前回は約36万円だったトータル値引きが、今回は41万円にアップ。支払い総額はついに300万円を切った。
セ「もうこれ以上は無理という額を出しました。ただし、この条件の期限は今週末までです」
X「えらい急な話やね。ともかく、検討させてください」
セ「良いご返答をお待ちしております!」
 ふぅ……思いもよらぬ日産の攻勢に冷や汗をかいてしまった(笑)。
 ここで、自分で決めた交渉3か条の一つ「主導権を渡さない」を思い出す。期限を切られて追い込まれるのは願い下げだ。あくまでも決定権はこちらにおいて、しっかり攻めたところで「この金額になるなら決めますよ」と迫りたい。しかし、ノートの値引きには心を動かされる。
 ここにきて事態は風雲急! もう悠長に構えている暇はない。
 ヨシ! 明日、最終決戦のつもりでスバルのB営業所に臨もう。

【5日目(土曜日)】 スバルB営業所へ。今日は先日の店長さんではなく、担当の営業さんが応対。聞けば、レヴォーグを購入した同僚の担当者とのこと。
 まずはインプレッサスポーツの2.0i-Sに試乗。思っていたより静かで、室内空間は広く、走りもキビキビしている。心の中で「いいね~!」と叫んだ。
 いよいよ交渉へ。
X「今、乗ってるのがエクストレイルなので日産と付き合いがあります。正直、私としてはノートe-POWERでいいと思ってるんですよね。でも、嫁さんは『インプレッサに乗りたい!』って言っているんです」
セ「ぜひ乗っていただきたいです!」
X「問題は金額です。日産は支払い総額が300万円を切っていますが、スバルは前回、店長さんが出してくれた条件でも342万円くらいですよね。正直、嫁さんはこの金額をみて『これじゃ到底無理ね』と意気消沈してました」
セ「奥様は、いくらぐらいを希望されているんですか?」
X「当初の予算は300~310万円ぐらいだったんです。でも、嫁さんがインプレッサに傾いた時点で『もう少しかかっても仕方ないな』ってなっています。ぶっちゃけ、嫁さんは『出せても330万円まで』って言っています」
セ「……330ですか……12万円近い上乗せですよね……厳しい数字ですが、何とか買っていただきたいので店長に相談してみます。現在、店長が不在なので帰社したら、すぐに相談して連絡させていただきます」
 あれ? マジか!? きっと「そこまでは無理です」と言ってくると思っていたのだ。
X「嫁さんを喜ばせてあげたいので店長によろしくお伝えください」
 本当に330万円になるのか……半信半疑……ぬか喜びにならないよう気を引き締めて帰宅した。
 夜、営業さんから電話が入る。
セ「Xさん、すいません。店長と相談させていただきましたが、338万円が限度です。これでお願いできないでしょうか?」
X「ありがとうございます。頑張ってくださったんですね。嫁さんが仕事から帰ってきたら相談して明日にでも連絡します」
セ「ご希望の金額にならなくて申しわけありません。奥様にくれぐれもよろしくお伝えください」
 電話の向こうで恐縮している様子がよく感じが取れる。
 残念、やはり

本音を伏せて秘策を仕掛けろ! 土壇場で「ほら、印鑑です」(笑)

【6日目(日曜日)】
セ「奥様は、何とおっしゃっていましたか?」
X「嫁さん『8万円も高いんじゃ買えない』って言っています』
セ「そうですか……やはり予算がありますもんね」
X「そうなんですよ。主婦にとって8万円は大金ですからね。こうなると、嫁さんはもう聞く耳持ちません。でもね、私も試乗してみてノートよりインプレッサって気持ちになっています。で、335万円になるのなら買ってもいいと思ってます。5万円の出費は私がなんとか工面します。ほら、今日は印鑑を持参しました!」
セ「……」
 営業さんの表情は少々ひきつった感じになり、顔を紅潮させた。
セ「Xさん! わかりました。あと3万円は私が何とかします! ご希望の335万円にします! 奥様が凄く気に入ってくださっていると聞いて、私としてはどうしても乗っていただきたいんです!」
 正直、営業さんが発した言葉にはびっくり! 338万円は店長さんと相談して出した最終最後の金額だっただけに、上乗せは無理だと思っていた。でも、言ってみるもんですね
X「大丈夫なん? そんなこと、言って? そりゃあ、335になるなら、決めるけど」
セ「……何とかします……」
 何か、勢いで言ってしまった的な?(笑)でも、営業さんの心意気はしっかり感じられた。
 注文書に記載された最終的な条件は車両本体から28万3837円引き、付属品(67万9849円)から11万7199円引きで、トータル値引きは40万1036円となっていた。なお、成約特典としてカタログからいろいろ選べたが、迷わずダイソンの掃除機を指定。これで、嫁さんのご機嫌取りをしよう……(苦笑)。


購入データ
From滋賀県
SUBARU インプレッサスポーツ
2.0i-Sアイサイト(4WD)
トータル値引き 40.1万円

値引き採点 5
車両本体から28万3837円引き、付属品(67万9849円)から11万7199円引きで値引き合計40万1036円/値引き率11.8%。インプレッサからここまで取れれば文句なしのウルトラC!


提供元:月刊自家用車

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