新車値引き情報
更新日:2021.02.10 / 掲載日:2018.09.26

【新車値引き購入事例】何気にぶっこんだらCX-3を30万円値引き?

何気にぶっこんだら(笑)ホンダとマツダが大激突!逆転! 逆転!! また逆転!!!

【プロローグ】 10年間、子供の成長を一緒に見守ってくれた、思い出満載の愛車”MPV”を手放してから、1年半が経ちました。
 クルマなしの生活(チャリンコでどこでも行きます)にもようやく慣れてきた矢先、勤務先で予期せぬ役職変更……これにより「クルマがないと不便やなあ」という状況になってしまいました。
 すると、これまでずっと「クルマはいらんやろ?」って言い続けてきた妻の心境にも変化が……。
 チャンス到来! とばかりにX氏に応募したらまさかの採用! これが決定打となって妻が新車の購入にOKを出してくれました。
 ただし、条件があります。
その1 妻が運転できるコンパクトなクルマであること(前のMPVは「大きすぎる!」と言ってまったく運転しなかった)。
その2 燃費を最優先するためハイブリッド車もしくはディーゼル車を選ぶこと。
その3 家族5人全員が乗って楽に移動できるミニバンタイプを本命とすること。
その4 夫婦ともにマツダ党だが、マツダにはミニバンがないため、コンパクトSUVのCX-3を候補にすること(そのライバルとしてヴェゼルとC-HRも追加)。
その5 ボディカラーは長女が大好きな嵐の櫻井君のイメージカラー赤色にすること(なんのこっちゃ、おじさんにはわからんけど)。
 以上の条件で、別記の5車を候補に選びました。
 本命はフリード、対抗はシエンタですが、大穴・CX-3も虎視眈々と浮上を狙っています。
 これまでにMPV2台を購入していますが、まともに商談をした記憶がありません(笑)。セールスさんの提示してきた条件をふたつ返事で了承して契約してしまいました。正直、月刊自家用車のX氏を読んで「こんな買い方があったんだ!」と、目からウロコ……というわけで、今回、初めて値引き交渉に挑みます。

【交渉1日目】 本格的な交渉は明日からと考えているが、その前に商談の雰囲気だけでもつかんでおくことにした。
 妻と自転車に乗って近所のトヨタA店へ。アポなしだったが、すぐさま応対してくれた。物腰の柔らかいセールスさんだ。ショールームは広くてとてもキレイ。ジャージで来たらあかんとこやな(笑)。
 シエンタとC-HRの見積もりをお願いしたが、やたらとエスクァイアを推してくる。
X「いや、ええクルマなんはわかるんやけど、ちょっと大きすぎるかなぁ」
セ「大きいといっても、5ナンバーやから、大丈夫ですよ」
妻「エスクァイアって、どんなクルマなん?」
セ「ミニバンです。けっこう売れてますよ」
X「いやぁ、好きな感じのクルマちゃうと思うで」
妻「とにかく見てみるわ」
 実物を見せてもらう。
妻「やっぱちゃうなぁ」
X「だから、言うたのに……」
 テーブルに戻ると、シエンタの見積もりができていた。値引き額は記載されていなかったが、今日は雰囲気に慣れるだけと思っていたので、あえて突っ込んだ話はしない。ちなみに、セールスさんの印象は悪くなく、「この人、アリかも」と思わせてくれた。

草食系の営業 ありえへん! 愛嬌系の営業 めちゃいいやん!

【交渉2日目】 さぁ、今日から本格的に交渉や!! 作戦会議で松本さんから教わったアポイント作戦を実行。出掛ける前にマツダとホンダA店に電話を入れてアポをとった。
 外は土砂降りの雨。ちょっと気合いを入れたらこれや……自分の雨男ぶりに感心する(笑)。ディーラーまわりの足としてレンタカーを予約しといてよかった。妻と次男(11歳)を連れて出かけた。
 まずはマツダ。候補にあげたCX-3は夫婦揃ってとても気に入っているが、2列シートやし、設定価格が高く、値引きも渋いというので厳しいかなぁ……と半ばあきらめている。
「Xさん、お待ちしていました!」と元気よく迎えてくれたのはポッチャリしたとても愛嬌のあるセールスさん。好感度はかなり高い。しかも商談の合間合間で、退屈しそうになっている次男に話しかけてくれる。これには妻が高評価を与えた。
 この人なら値引きも頑張ってくれそうだ。CX-3、もしかしたらあるかも?
セ「CX-3は現在、一部改良後の新型を販売しています。旧型の在庫は残っていません」(編集部註・5月17日に一部改良)
 うんと安くなるなら旧型でもいいと思っていたが、在庫がないんじゃ、しゃあないわなぁ~。
 せっかくめちゃくちゃいいセールスさんやと思ったのに、新型だとかなり高くなりそうだ。やっぱりCX-3はあきらめなあかんかなぁと思いつつ、見積もりを出してもらう。値引きの記載はなし。私が残念そうな表情を浮かべると、セールスさんがボソっと一言。
セ「僕の経験上、新型でも20はいけると思います」
X「???」
セ「あっ、20は最低ラインです。決めていただけるとなったら、もっと頑張ります!」
 ん? この人、何言うてんねんやろ? 聞き間違いやんな?
 作戦会議で松本さんから、
「かつてマツダは大幅な値引きをすることで知られていました。業界では値引きのマツダなんて異名をとっていたくらいですからね。ところが、スカイアクティブの投入と前後して売り方を大きく変えてきました。商談の際『安売りはしません』と強気に出てくるケースが目立ちます。とくにCX-3はガードが固く、攻めにくいと思ってください」
 と言われていたので、「20は最低ライン」の言葉にはビックリ! マツダ党としては希望がみえた!って感じだ。
 ただし、これ以上、突っ込んだ話をすると、一気に契約まで進んでしまいそうなので「とりあえず検討してみます」と告げて引き上げた。ちなみに、CX-3は20万円引きで計算しても、支払い総額は290万円近くになってしまう。う~ん……やっぱり高い。
 次はホンダA店。雨は相変わらずびっくりするぐらいの土砂降り。
 ほんま、ちょっとはましになってくれへんかな?
 担当に付いたセールスさんは20代前半のいかにも草食系って感じの男の子。商談を始めてすぐにこの子、大丈夫かな?と不安になる。なんせ声が小さくて何を言っているのか、よく聞き取れない。説明もなんかわかりにくいし、こんな営業もおるんやなぁと思いながら、とりあえずフリードとヴェゼルの見積もりをお願いする。しかし、持ってきたのはフリードだけ。ともあれ、商談を開始しようと思ったら、
セ「ちょっとすみません」
 と言って席を離れる。待っていると、先輩らしきセールスさんがやって来て、
セ「すみません、実は他のお客さんと約束がかぶってしまったみたいで、続きは私が担当します」
 思わず妻と顔を見合わせる。言葉にはしてへんけど、思っていることは一緒。すぐわかる(えー何やそれ! ありえへん!)。
 この時点で引き上げようと思ったが、意外に先輩がしつこい。しゃあないので続ける。
X「見積もりに値引きがないけど、なんぼぐらいになります?」
セ「フリードは13万円が限界です。それ以上は無理です」
 口ぶりからすると、なんかほんまにムリそうやなぁと思う。それ以上に、あの草食系君からは買う気にはならない(笑)。
 帰宅途中の会話。
X「クルマって、セールスさんによって印象が変わるんやな」
妻「ホンダの草食系君、ないわ~」
X「同感や! それに比べてマツダ、ええ感じやな」
妻「同感や!」
 夜、そのマツダのセールスさんからTEL。
セ「Xさん、この週末にもう一度、ご来店をお願いできませんか?めっちゃいい条件が出せそうなんです」
 大穴だったCX-3が急浮上!

あかん、やってもうた!? 腹くくらんとしゃあない!

【交渉3日目】 朝から、めっちゃいい天気。やれそうな気がする! 頑張るぞ!! 今日も妻と次男が一緒だ。
 まずはホンダB店へ。これまで若いセールスさんばかりだったが、ここで初めてベテランが登場。穏やかでいい人~って感じだ。
 先日行ったホンダA店では土砂降りの雨に阻まれてじっくり見ることできなかったフリードとヴェゼルだが、今回はしっかりチェックできた。ん~なかなかいい感じ。本命はフリードやけど、ヴェゼルも魅力的だ。どっちにするか迷ってしまうなぁ。
 妻は相変わらず「小さいミニバンがいい!」と主張して、フリードを試乗。久しぶりの運転のため、かなり緊張してハンドルを握っていたが、運転はしやすいようで、途中から上機嫌になる(笑)。
妻「フリード、ほんまええわぁ」
 結局、セールスさんには「本命はフリード」と、バレてしまったようで、ヴェゼルは蚊帳の外。フリードの見積もりだけを出してくる。提示してきた値引きはいきなり15万円。
 このセールスさん、ふわっとしていて、やる気があるんかないんか、わからん人やけど、意外とやり手なんかなぁ。そこで、
X「もしも ” 今日決める”と言ったら、なんぼになります?」
 と何気にぶっこんでみた。すると、ふわっとした雰囲気が一瞬で本気になった。
セ「わかりました! しばらくお待ちください」
 奥に引っ込んでしまった。
X「あれ、やってもうた? 本気にさせてもうたかなぁ」
妻「まさか、今日決めなあかんくなるんちゃうやろなぁ」
X「正直、決める気ないで」
 しばらくして戻ってきた。
セ「今日決めていただけるなら、これでいきます」
 提示してきたフリードの条件は車両本体と付属品19万2996円から約28万円引き! うそやん! まじで! 夫婦で顔を見合わせる。どうしたらええんや? 本命やし、一瞬、決めてしまおうかと思ったが、心の中で落ち着け、落ち着けと言い聞かせる。
X「実はこのあと、トヨタさんとマツダさんと約束しているので、申し訳ないけれど、今この場で決めることはできません。でも、今日中に必ず戻ってくるので、返事を待ってもらえませんか?」
セ「なるほど、わかりました。いい返事をお待ちします」
 ふぅ~なんとか逃げた。
 車中で、緊急家族会議を開催。
妻「本命のフリードが28万円引きや! ほぼ決まりやね!」
X「そうやね、でも、マツダも頑張ってくれそうやったし、トヨタの条件もまだ聞いてないし……ともかくライバルの最終的な条件を持って、ホンダに戻って、もうひと押しして決めようか?」
妻「でも、それやったら今日決めることになるね」
セ「この流れやったら腹くくらんとしゃあない。今日、印鑑をつく覚悟を決めるわ」
 トヨタA店へ乗り込む。先日のセールスさんが出迎えてくれた。相変わらず物腰がやわらかい。
X「ぶっちゃけ言いますね。フリードが28万円引きで、支払い総額265万円となっています。シエンタはどんだけできますか? 同じ数字なら妻が気に入っているフリードになります」
セ「わかりました。少々お待ちください」
 しばらくして戻ってきた。提示してきたシエンタの条件は車両本体とメーカーオプション18万9000円/付属品24万1488円から26万7733円引きで、支払い総額は265万円。
セ「これが限界です」
 あれ!?「同じだったらフリードに決める」って言ったはずだけど……とりあえず態度を保留する。
 マツダA店へ。ほとんどフリードに決まりという感じだが、私としてはひそかにマツダの逆襲も期待している。
 例の感じのいいセールスさんにこれまでの経緯を伝えて、
X「さすがにCX-3をフリードやシエンタと同じ265万円にしてくれとは言えません。でも、これにできるだけ近づくように頑張ってください!」
セ「わかりました! 頑張ってみます」
 待つこと10分。提示してきた条件は……支払い総額280万円!
X「なるほど、頑張ってくれましたね」
 平静を装っているが、心の声は(えーほんまかいな! 逆算すると値引きは30万円を超えてるやん! 自分、めちゃくちゃするなぁ)である。
 ここで ” 99%決まり!”だったフリードが大きく揺らぐ。
マツダ党の妻も心の底では「CX-3が欲しい!」と思っているようだ。表情にはうぁ~どうしよ!?という気持ちがありありと表れている(笑)。
 ほんま、どうしよ?
X「とりあえず一回落ち着いて考えます。今日中に返事をしますので一回家に帰ります」
 しどろもどろになりながら、引き上げた(笑)。
 自宅に戻って、家族会議。
妻「5人家族やし、やっぱり3列シート、いるよなー」
X「でも、5人揃って動くん、年に何回ある?」
妻「あんまりないなあ……でも、1列シートに弟二人と押し込むと、長女が嫌がるしなー」
X「でも、やっぱりCX-3、かっこいいよなぁ」
妻「そやな、セールスさんも一番いいしなぁ」
セ「とりあえず一回ホンダに電話してみよう! ドライブレコーダーを無料サービスにしてくれるんやったらフリードにして、ダメやったらCX-3にしよう」
 ホンダB店にTEL。ドラレコの無料サービスをお願いしたが、
セ「Xさん、もう限界なんです。ぜったいにムリです」
 あえなく断られてしまった。
X「やっぱ、無理やって」
妻「そっか、じゃあCX-3にしよっか」
その時、携帯が鳴った。
X「ホンダさんからや!」
 電話に出ると、
セ「Xさん、ドラレコ、付けるので、何とか決めてください!」
X「わかりました! 相談して折り返します」
 わずか数分で ” ぜったいムリ”が吹き飛んだ。え~決まりかけたのに、また迷うやん……さ~どうしよう。
 妻とあーでもないこーでもないと、さんざん迷う。そこに「3列シートじゃなきゃ嫌だ」とこだわっていた長女がバイトから帰宅。で、訊いてみる。
X(カタログを見せながら)「こっちがフリードで3列シート、こっちがCX-3で2列シート、どっちがいい?」
長女「カッコいいから、こっち!」
 指したのはCX-3!
 これで決定! トヨタさんとホンダさんに丁重にお断りの電話を入れてから、いざ、マツダへ!
X「フリードが優勢でしたが、土壇場でCX-3が大逆転です! 私たち夫婦だけでなく、長女もマツダ党に入党しました」(笑)
セ「ありがとうございます!」
X「で、燃料満タンで納車してもらえませんか?」
セ「わかりました!」
 最終的な条件は車両本体から20万7956円引き、付属品16万7995円から10万円引きとなっていた。

From大阪府
MAZDA CX-3
XDプロアクティブ
30.8万円引き

値引き採点 5
値引き交渉は「じっくり構えてこちらのペースに引き込む」のが基本ですが ” 商談のプロ”を相手にするため、そううまくはいきません。状況によっては ” 流れに乗って一気に攻める”という臨機応変な対応をしたほうが成功することもあります。今回のX氏はまさにそのケースにあてはまります。「本格的な交渉は初めて」とのことで戸惑う場面も多々ありましたが ” ここが勝負”と判断した勘どころは見事でした。ホンダの「決めてください」との突っ込みを上手にかわし、マツダに「同じ数字にしてくれとは言いませんが、できるだけ近づけるように頑張ってください」と迫るやり方はこれから商談をする読者に大いに参考となるでしょう。



提供元:月刊自家用車


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ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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