新車値引き情報
更新日:2021.02.10 / 掲載日:2018.07.26

【新車値引き購入事例】泣き落とし作戦でロードスターを20万円以上値引き?

難攻不落、マツダの壁に大苦戦! 困った……ベテランがまさかの弱音……泣き落とし作戦で起死回生を!!

【プロローグ】 1年ほど前にX氏として参戦しましたが、そのときターゲットとなったのは“家族の足”(ドライバーは6人!)として共用するコンパクトカー。各社をまわって競合にもち込んだ結果“ビッグマイナー”直後のフィットを購入。付属品いっさいなしの“スッピン”(車両本体のみ)から値引き15万円(値引き率8・6%)を獲得して、松本氏から「文句なしの特上クラス。下取りを高値で売却したことも含めて採点は5」との評価をいただきました。 さて、今回はがらりとターゲットを変えます。「まだまだ若い」と思っていた私も気がつけばあと数年で還暦。最近、思うことは「体力と経済的な余力があるうちに、今まで我慢してきたクルマをなんとしても買いたい!」との思いが強くなってきました。 数年後には、孫(現在4人)も増えているかもしれないし、成長とともにお金もかかる……。 うん!? チャンスは今しかないんじゃないか……というわけで、思い切って計画を実行することにしました。 狙いは小型スポーツ。ひそかにサーキット走行を楽しみたい!(六十の手習い=笑)と思っているので、マニュアルミッションが必要条件です。できたらモータースポーツ仕様のモデルを選びたいと考えています。 候補1はマツダ・ロードスター。近々、一部改良する新型を狙います。候補2はトヨタ86。3月の一部改良によって後期型となり、熟成度が増しているため、魅力を感じています。

【1日目(土曜日)】 松本氏と1年ぶりに再会。近所のファミレスにて作戦会議を開きました。 候補にあがったクルマは販売台数が少なく、対象となるのはマニアックなレーシング仕様が中心です。松本氏によれば、「ディーラー側はこの手のクルマに対して『趣味性の強いクルマなので黙って買ってもらえる』とか『リセール価値が下がるので大幅な値引きはしたくない』といった意識を持っています。強気な売り方をしてくるので、きっと厳しい戦いになりますよ」 とのこと。でも、それはそれ、ここ10年で7台も新車を買った実績を活かして頑張ります。 現在所有しているロードスターは20年落ちのオールドタイマー。14年前に中古で購入したクルマですがクルマいじりが趣味の私がしっかり手をかけているので、メカニズムの調子もいいし、ボディの塗装状態も年式の割には良好。「だったら、それでサーキットを走れば……」と、おっしゃる読者もいるかもしれませんが、痛恨のATなのです(笑)。 実は、多数の社外部品が装着されているため「新車ディーラーに下取りに出すよりは買い取り専門店に売却したほうがいい」と思っています。松本氏も「社外品を付けていてもディーラーの査定ではあまり評価してもらえません。逆にマイナスとなることもあります。その点、買い取り専門店はしっかりプラスしてくれます。複数の買い取り店を集めてガレージオークションをやれば、かなりの高値が付くでしょう」とのこと。社外部品は自分で取り外してバラ売りすることも考えているので、今回は下取り車なしで商談を進めることにしました。 予算は最大300万円ですが、値引き交渉によってできるだけ減らしたいと思っています。もちろん、今回も「付属品はいっさい買わない。フロアマットもいらない」という徹底したスッピン状態で購入します。なお、東京といっても埼玉県との県境近くに住んでいるので、両地区にまたがっての越境作戦を採ります。 会議終了後、早速、トヨタA店へ。孫2人も同行。わが孫たちは「クルマ屋さんに行けば、お菓子がもらえる」と知っているので、喜んでついてきます(笑)。 この店からは昨年、大幅な値引きでランクル200を購入しており、担当セールス氏(20代後半のスポーツマン系)は私の買い方をよくわかっています。X「本命はロードスターです。でも、ハチロク・レーシングにも魅力を感じているので、正直、迷っています。家族は『ロードスターより荷物が積めそうなのでハチロクがいい』って言ってますよ」セ「すみません。ハチロクはランクルのような値引きはできないんです。それに、Xさんは付属品を何も買わないし、下取りもなしなので厳しいんですよね」 と言いながらも……いきなり出た! スッピンのハチロクから27万円引き! セ「正直、基本値引きは10万円なんです。でも、Xさんは半端な数字では満足しませんよね。上司には申告していませんが、私の判断で大幅にアップしました。ぜひ、また買ってください!」 しかし、税金など諸費用込みの支払い総額は315万円。予算を15万円も超えています。セ「レーシングは特殊なグレードなので、今すぐに注文しても納車まで4か月くらいかかります。もしも決めていただけたら、この店では初めてオーダーとなります」X「急いでいるわけではないので、じっくり検討させてください」 滑り出しは好調。本命のロードスターを攻めるための強力な武器を獲得できました。

役員の承諾なんてあとで大丈夫!? トヨタ恐るべし、大幅値引き連発!

【2日目(土曜日)】 1週間後、こんどは過去にヴェルファイアを2台購入したトヨタB店へ。担当セールス氏はいまや店長さんに昇格しています。ここでもロードスターとの競合を伝えると、 またまた出ました! スッピン値引き31万円。支払い総額は310万円です。ハチロク、思ったよりやってくれます。セ「役員に承諾をもらっていないのですが、Xさんにはお世話になっているので、最初から頑張りました。上にはタイミングを計って決裁をもらいます」(笑) 所長さんの雰囲気では、まだ上乗せがききそうな予感がします。305万円くらいはOKになるかもしれません。

【3日目(火曜日)】 スズキにてスイフトシリーズのスイフトスポーツを試乗。短い時間でしたが、走りの良さは十分に実感できました。提示してきたスッピン値引きは18万円。支払い総額は197万円で、完璧に予算内です(笑)。 ただし、ボディデザインはやっぱりコンパクトカー。気持ちが熱くなりません。

【4日目(水曜日)】 アバルト・スパイダーに試乗。ベースはロードスターだが、エンジンはアバルト製ターボを搭載しているので、排気音が違う! とてもいい感じです。ちなみに、イタリアからエンジンを持ってきてマツダの工場で組み立てているため、陸運局での扱いは輸入車ではなく、国産車となるそうです。なるほどねぇ。セ「ご希望のタイプなら、たまたま在庫があります。これなら15万円引きにできます。在庫ではなく、新たにオーダーとなると基本的に値引きはゼロです」 しかし、支払い総額は403万円! ぜんぜん無理ですわ~。この時点で終わりました(笑)。

【5日目(水曜日)】 1週間後、スバルへ。セールス氏はクールなタイプで、ちょっと攻めにくそうです。 ロードスターとハチロクとの競合を伝えるが、セ「BRZの値引きは基本的に5万円です。納期もいつになるか、お約束はできません」 う~ん……早々に脱落か……。

【6日目(土曜日)】 いよいよ本命のロードスター。我が家から一番近いマツダA店のO営業所へ。電話でアポとっておいたので、すぐに応対してくれました。セ「Xさんとは以前、お話しさせていただいたことがありますね」 この人とはたしかに5年ほど前に商談したことがあります。覚えていてくれて、ちょっと嬉しい。人柄も良さそうです。 ロードスターは6月(編集部註・7日)に一部改良を実施するとのこと。発表前なのでカタログはないが、セールスマン用のマル秘(?)資料を見せてくれました。それによると、先進の安全技術「アイ・アクティブセンス」が全車に標準装備され、国が高齢運転者に推奨している「サポカーSワイド」にしっかり対応しているとのことです。もちろん、この新型を対象に商談を進めます。X「実は、ハチロクがいきなり車両本体から30万円引きを出してきたんですよね。でも、同じ条件ならマツダに決めてもいいと思っているんけだど……」セ「え~、それは到底できない金額ですよぉ~。本部からは『新型ロードスターの基本値引きは5万円』と言われているんです」 ここで店長さんが登場。店長「Xさん、ロードスターはほんとに厳しいんです。基本の5万円に店長分の5万円を加えて10万円引きが限界です」X「じゃ、経営の違うマツダB店でも商談してみようかな。うちからは少し離れているけど点検整備とか基本的には自分でするのであまり不便は感じないしねぇ~」セ「私は以前、マツダB店の近くの支店にいたんですが、あそこならいい条件を出してくるかもしれませんね」 あれ? 競合に乗ってきません。 自宅に戻ってマツダB店へ電話を入れてみました。 応対してくれたセールス氏にハチロクとの競合とマツダA店との経緯を伝えると、セ「わかりました。見積もりを出してFAXで送ります」 しばらくしてFAXが届きました。期待していたのですが、数字を見て、愕然……値引きは5万円。 何も言ってこないので、こちらから電話すると、セ「いま店長が不在でして、最終的な値引き条件が出せないんです。でも、30万円とかはまったく無理です。新型ロードスターはほとんど値引きできないんです」 なんだか売る気が感じられない。う~ん……ロードスターは予想以上にガードが固いようです。

原点に戻れ、近所のマツダで勝負! 殺し文句は「あなたから買いたい!

【7日目(水曜日)】 家族で旅行に出かけたため、2週間ほど間が空いてしまったが、そろそろ後半戦に入ります。 スバルの担当セールス氏が電話で「ご希望のグレードの在庫が出ました。これなら安くできますよ」と言ってきたので、お店に出向きました。セ「たとえ在庫でもBRZの値引きは厳しいのですが、上(店長)から許しが出ました。ご希望の30万円引きにします」 在庫車には抵抗はないけれど、BRZはハチロクが3月に実施した改良をまだしていない。となると、近々一部改良される可能性があるので、あまりオイシイ話ではないなぁ~。 トヨタA店から電話。前回のハチロクの値引きは27万円で、支払い総額は315万円でした。セ「Xさん、支払い総額を300万円にします! 今月、どうしても1台売りたいので、大サービスです!」 逆算すると、値引き額は約41万円になります。セ「Xさん、決めてください!」X「かなりいい条件ということはわかったけど、もう少し待ってよ。今月中には決めるからさぁ~」 ハチロクは一部改良を実施しているとはいっても、新型ロードスターに比べると安全機能が今ひとつ。ここが重要問題です。 昨今のニュースでもよく取り上げられている高齢者の事故防止には自動ブレーキなどの先進の安全機能が欠かせません。スポーツカーだって安全第一ですからね。正直、気持ちはロードスターに傾いていますが、こちらはハチロクに比べて「値引きが渋い」というのが問題です。 困った……そこで、松本氏にお助けコールを入れました。X「やはり本命のロードスターが手ごわくて苦戦しています」松「だめもとで、マツダA店の別の営業所でも商談してみてはどうですか? 同じ販売店の“掛け持ち交渉”はやらないほうが無難ですが、起死回生の一手となるかもしれません」X「知り合いがマツダA店のS営業所で購入しているので、セールスマンを紹介してもらうというのはアリですか?」松「いいですね。やってみてください。それでもうまくいかないようなら、最初に戻ってマツダA店O営業所にもういちど勝負をかけてみましょう。新車のセールスマンは近所のお客さんを大事にする傾向があります。それに担当セールス氏はマツダB店との競合に反応を示しているようなので、本気でぶつかれば思ったよりやる気をみせてくる可能性があります。新型ロードスターのスッピンから30万円引きはかなりハードルが高いので、目標を25万円引きくらいに下げましょう」 よし、本気で迫ろう!

【8日目(土曜日)】 知り合いにマツダA店S営業所のセールス氏を紹介してもらいました。セ「紹介者の〇〇さんにはほんとうにお世話になっています。先日もお買いあげいただきました。頑張らせていただきます!」X「単刀直入にいきます。新型ロードスターから値引き30万円ならこの場でオーダーを出します」セ「え~、それはまったく無理ですよ。上からは『新型は値引きするな』と言われているんです。基本5万円、紹介で5万円のトータル10万円引きがMAXです」X「それでは話になりません」セ「わかりました。なんとか上に掛け合ってみましょう。実は最近、前の店長が役員になったんです。今の店長は直属の部下だったんで、無理が通るかもしれません」 席を外して奥に引っ込む。しばらくして戻ってきました。セ「15万円引きでどうでしょうか? 来週末、感謝セールをやるんですが、その前倒しということでなんとか通します」X「目標は最低でも25万円引きなんですが……」セ「それは絶対に無理です」 結局、値引きは15万円でストップ。見積もりを出してもらうと、頼みもしない付属品が約23万円も計上されていて支払い総額は303万円となっていました。付属品を外してもらえば、支払い総額は280万円くらいになるわけですが、さらに突っ込んだ交渉をすると、この場で契約をしなければならないような雰囲気になる恐れがあるため、ここはいったん引き下がることにしました。 松本氏のアドバイスにしたがって原点に戻ってみることにしました。マツダA店のO営業所に電話を入れます。X「いろいろまわったのですが、ロードスターにするなら、近所のお店の、あなたから買いたいと思っています。もう一度、仕切り直しをお願いできませんか?」セ「いゃ~、ご連絡がないので、もうダメかと思っていました。Xさん、ぜひ仕切り直しさせてください! よかったら、今すぐにご来店いただけませんか?」 チャンス到来! すぐに出向きました。お店では賑々しくフェアを開催していました。セ「今日・明日は年に2回の感謝祭なのですよ」X「おっ、ならば、いい条件が出ますね」(笑)セ「それはもう頑張ります! ダメだと思っていたお客さんに来ていただけただけでも嬉しいんですから、やりますよ!」X「前回もお願いしましたが、付属品はいっさい付けません。車両本体のみの購入で見積もりを出してください。希望の値引き額は25万円です。これでお願いします。逆算すると、支払い総額は270万円を切るはずです」セ「いや~、そこまでの数字となると、私にはどうにもこうにもなりません。店長と直接話をしてください」 奥からハンサムな店長さんを引っ張ってきました。店長「Xさん、お話は聞きました。20万円引きならなんとかなりそうですが……ダメですよね」X「25万円なら、この場で決めますよ。受付にエラそうな人がいますが、役員さんが陣頭指揮に来ているんじゃないですか?」店「えっ、わかりますか~。まぁ~そうなんですが……少しお待ちください」 店長さんはいったん奥に引っ込む。しばらくして戻ってきて、店「Xさん、どうしても額面で25万円引きを出すのは難しいんです。ただし、諸費用を調整して支払い総額を269万円弱にします。値引き額は23万円となりますが、これでなんとかお願いします!」X「わかりました。こちらの想定していた270万円を切っているので納得しましょう!」 これにて契約。注文書には支払い総額268万8400円となっていました。これで予算300万円を大幅に下回ることができたわけです。なお、感謝祭での成約特典として5000円分のクオカードをもらいました。

From東京都
MAZDA ロードスター
NR-A
23.0万円引き

値引き採点 5
「ここ10年で7台」という、経験豊かなX氏も“スポーツカーの壁”に阻まれて苦戦を強いられました。実際、途中報告では“まさかの弱音”まで飛び出して「どうなることか?」と思いましたが、終わり良ければ、すべて良し! 発売直後の新型ロードスターをベテランならではの話術(泣き落とし?)によって見事に攻略してくれました。270万円のクルマから23万円引きというと「さほどでもない」という印象を持つ読者もいるかもしれませんが「付属品はいっさい付けていない」ため“値引き額の密度”はすこぶる濃くなっています。さらに対象となったグレードが“安売りしない”モータースポーツ仕様ということも考慮して採点は5としました。




提供元:月刊自家用車


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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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