新車値引き情報
更新日:2021.02.10 / 掲載日:2018.06.26

【新車値引き購入事例】父と娘が一緒に交渉しデミオを20万円以上値引き?

“16年前の小学生”がX氏に挑戦!“父のDNA”は脈々と生きていた!“値引き+高取り”で実質30万円!

【プロローグ】 父は自他ともに認めるクルマ好きで、もちろん月刊自家用車の愛読者。私が小さい時から毎号、欠かさずに読んでいます。
 その父が16年ほど前、X氏として参戦。発売して1年も経っていないホンダ・モビリオから22万円引きを獲得し、松本さんから「値引き交渉のうまさでは歴代X氏のベスト10に入る!」とのお褒めの言葉をいただきました。
 父は、今でも掲載誌を“折り目ひとつない状態”で保管していますが、そこには小学生の私と弟がVサインを揚げてちゃっかり出演しています。
 今回、私がクルマを買い替えようと思って父に相談したら、即座に「だったら、X氏に応募しなくちゃ!」。私も二つ返事で「やってみたい!」。やっぱりDNAは引き継がれていますね(笑)。
 現在の愛車は小さくてカワイイアップ! 約5年間で5万9000kmほど走りました。両親がアップ!を運転すると「こんなに小さいのに走りが安定している。基本性能は素晴らしい!」と絶賛するので、まだ乗っていたい気持ちもありますが、車検切れ(保証も終了)を機に買い替えを決意しました。
 ちなみに、やはり一人での交渉は心細いので、X氏の先輩でもある父(これまで乗り継いだクルマは十数台!)にサポートを受けながら進めます。
 なお、候補車は別記の通りですが、こうやって書き並べると選定基準に一貫性がないように見えますね……(苦笑)。共通点は走り/内装/ボディカラー/楽しさなど、どこかにキラリと光る強い個性があるクルマという点でしょうか。

【交渉1日目(土曜日)】 出掛ける前に下取りのアップ!をピッカピカに洗車。少しでも高値を付けてもらうためには大切なことですよね。まあ、毎週のように洗車しているので普段と変わりません。洗車するのは私じゃなくて、いつも父ですけど……なにか、問題でも?
 アップ!を購入したVW店へ。父のアドバイスに従って電話でアポをとっておいたので、担当セールスさんがすぐに応対してくれました。
X「新型ポロを狙っています。発売記念の特別値引きに期待してきました」
セ「Xさんのお宅とはこれまでのお付き合いがあるので、即座に『わかりました! 特別値引きを出します!』と申し上げたいところですが、新型はどんなに引いても10万円です」
●ポロ
 値引き10万円 下取り20万円 支払い総額293万6000 円(付属品4万1418円を含 む)
X「え~10万円で限界ですか……」
セ「アップ!なら大丈夫です。ご希望のハイアップ!でしたら、20万円引きますよ」
●アップ!
 値引き20万円 下取り20万円 支払い総額186万7000 円(付属品3万2400円を含 む)
 正直、期待外れです。アップ!からアップ!への買い替えなので、いきなり30万円引きかと思ってたんですけど……。父によれば「値引きはもの足りないけれど、下取り額の20万円はなかなかいい値段だ」とのことです。


あれ、頼みのVWが期待外れです。え~、本命デミオが最大5万円!

【交渉2日目(日曜日)】 本日のトップバッターは本命・デミオを取り扱うマツダA店。以前、訪問した際、対応して下さった女性のセールスさんが笑顔で迎えてくれました。とても感じのいい人です。
 この日も事前にアポをとっておいたので、すぐに試乗できました。
セ「いかがでしょう? マツダ車は今お乗りのドイツ車と同様、走りにこだわっています」
X「はい、いい感じです」
セ「赤いシートが女性に大人気なんですよ」
X「実は、私もカタログを見て、あの赤がとても気に入ったんです。でも問題は予算なんです。私が購入できるような見積もりをお願いします。そうそう、なるべく安く買いたいので付属品はフロアマットだけでお願いします。それから納車の時は取りに来るので、納車費用はカットしてください」
セ「わかりました。値引きなんですが、デミオの場合、セールスが出せるのは最大5万円なんです」
●デミオ
 値引き5万円 下取り10万円 支払い総額193万円(メーカ ーオプション10万8000円 /付属品2万2788円を含 む)
X「5万円で限界なんですか……」
セ「値引きとは別にナビ用のSDカード(4万8600円)をサービスでお付けします」
X「……」
セ「これ以上は上司の決裁が必要なんですが、ご購入いただけるのであれば頑張ります!」
X「アップ!の下取り額も上乗せできますか? VWでは20万円を付けてくれました」
セ「すみません、輸入車をうちで査定すると、厳しい値段になってしまいます。上乗せは難しいかもしれません」
X「じゃ、買い取り専門店にも見せてみます。下取りにするか、ほかに売るのかを決める時期は納車の直前で大丈夫ですか?」
セ「はい、大丈夫です」
 作戦会議の際、松本さんから「アップ!は下取りに出すより買い取り専門店に売ったほうが高値が付く可能性があります。数社を一堂に集めて競わせるガレージオークションを試してみては?」とのアドバイスをもらっています。
 次は父がイチ推しのスイフトシリーズのスイフトスポーツ。実は「クルマ好きのあいだでは“スイスポ”の愛称で呼ばれている」というのを、今回初めて学習しました。(笑)
 スイスポの走りはかなりスポーティ! 助手席の父は嬉しそう。でも、デミオに比べると内装の質感がマイナスポイントです。
 続けてクロスビーにも試乗。こちらは適度なパワーで運転しやすい。見晴らしがいいのも魅力です。 
 お店に戻って商談開始。セールスさんは私と年齢が近そうです。
セ「アップ!はとてもキレイに乗っていますね」
X「ありがとうございます。じゃ、査定を期待してもいいですよね」
セ「いやぁ……日本車のディーラーでは輸入車の査定がどうしても厳しくなってしまうんです。でも、その分、カーナビを定価の半額で提供します」
●スイフトスポーツ
 値引き14万円 下取り15万円 支払い総額213万7000 円(ナビ14万円=半額/フロア マット2万142円を含む)
 クロスビー
 値引き14万円 下取り15万円 支払い総額218万8000 円(ナビ14万円=半額/フロア マット2万9484円を含む)
セ「いかがですか? 値引きとナビの半額分を合わせると、28万円引きですよ」
X「う~ん……下取り査定をもっと頑張って欲しいですね」
セ「わかりました。今月中に引き渡してもらえるのであれば、あちこちあたってみます」
X「スイスポって、納期はどれくらいかかるんですか?」
セ「オーダーから納車まで2か月ほどいただきます」
X「今月中にアップ!を引き渡すとなると納車まで代車が必要になりますね」
セ「なんとかしますが、アップ!の車検切れが近いこともあるので、早々に注文していただいたほうがいいですよ」
X「まずは買える条件にしてくださいね。スイスポもクロスビーも気に入っているので、上乗せした条件のご連絡をお待ちしています」
 続いて、さっきのマツダA店とは経営の違うマツダB店へ。“ぐっさん”こと、タレントの山口智充さんに似たベテランセールスさんが対応してくださいました。
 提示してきた見積もりにはA店では入っていなかった点検パック(7万8790円)と、A店では無料サービスになっていたナビ用SDカード(4万8600円)などが計上されていて総額は約223万円となっています。
セ「ここから下取り13万円を引きます。値引きは目標20万円というところでしょうか……」
X「目標ですか?」
セ「はい、目標です。『そこまでいったらスゴイですね』ってことだと思ってください」
 さすが、ベテラン、なんだか面白い言い方で煙に巻いてきます。これ以上、突っ込んだ話をすると、相手のペースになってしまいそうなので、早々に引き上げました。
 帰りのクルマの中で、
父「マツダB店のデミオの条件は値引き20万円、下取り13万円で、支払い総額190万円だね」
X「え!? でも“目標”とか言ってたけど?」
父「セールスマンがはっきりした数字を口にしたら、それはOKってことだと思っていいよ」
X「え~、そうなんだ!」
父「点検パックは後で追加して値引きの上乗せを迫るつもりだったけど計上されちゃったな。ま、それはともかく、マツダA店を攻めるにはいい武器が手に入ったね」
 値引き交渉って一筋縄ではいきませんね(笑)。
 今回の交渉ではどこも納車費用をすんなりカットしてくれました。こちらが言い忘れた場合でも「お店に取りに来ていただければゼロにします」と説明してくれました。父曰く「昔は『取りに来るから納車費用はカット』って言うと、あれこれわけのわからない理由を持ち出してきて、なかなか応じてくれなかったんだけどなあ~」。


父も娘も「180万円!」攻撃! オークションでお小遣いGET!

【交渉3日目(土曜日)】 昨晩、マツダB店さんから着歴あり。父によれば「こういうときはいい話があるはずなので、すぐに出向いて商談したほうがいい」とのこと。早速、B店を訪問しました。
X「電話、ありがとうございました。きっといい条件が聞けると思い、朝一番でやって来ました」(笑)
セ「ありがとうございます。では、先日申し上げた“値引き目標20万円”から“目標”を取って“値引き20万円”にします。ただし、この条件は来週末限りです」
X「実は他の候補車と迷っています。とくに父のお勧めのスイスポが気になっています。だから『デミオを選んで間違いなかった!』と思えるような、お得な条件をお願いします」
セ(見積書を指差して)「では、この金額(車庫証明費用)をカットしちゃいましょう。もちろん手続きは私がやります。ただし、これ以上のサービスを期待されても、あとはスマイルだけしかありませんよ」(笑)
●デミオ
 値引き20万円 下取り13万円 支払い総額188万円(メーカ ーオプション10万8000円 /付属品7万1388円/点 検パック7万8790円を含 む)
 続いてVW店に出向いて、新型ポロに試乗してみました。
 カタログを穴が開くほど見て期待感が高くなり過ぎたためなのか、試乗しても気持ちが盛り上がってこない。なんだか相性がイマイチみたいです。ああっ、シートヒーターが付いてない! 旧型ポロの特別仕様車マイスターには付いていたのに……寒がりの私にはこれ、けっこう大きなマイナスポイントです。しかも、
セ「先日、ご提示した金額が限界値です。新型はすごく良くなっていますので、ぜひご検討ください」
 現愛車のアップ!は当時では珍しかった衝突軽減ブレーキやESCが付いていて、しかも3ドアは軽自動車並みの価格で買えました。しかし、以前とは異なり、走りの面でも安全装備の面でも国産車が頑張っていることを考えると、残念ながらポロは脱落です。

【交渉4日目(日曜日)】 私はデミオに傾いていますが、父は「やはりスイスポが気になる。ちょっと出かけてくる」と言って、一人でスズキに出向いてしまいました。以下、父からの報告です。
父「正直、デミオが優勢なのですが、私としてはスイスポを推したいと思っています。最終的な条件を聞きに来ました」
セ「下取りは前回15万円でしたが20万円にします。ただし、これは1週間以内の引き渡しが条件です。値引きは前回の14万円から20万円にします」
父「ありがとうございます。娘によーく伝えます」
●スイフトスポーツ
 値引き20万円 下取り20万円 支払い総額202万7000 円(ナビ14万円=半額/フロア マット2万142円を含む)
 前回より10万円も下がったけれど、支払い総額はまだ200万円を超えています。それに2か月も代車に乗るのは抵抗があるし、アップ!とはもう少し別れを惜しみたいという気持ちもあります。
 今回の候補車のなかで、私と感覚が合うのはデミオです。
 そこで、マツダA店の女性セールスSさんに狙いを絞って最終交渉を仕掛けることにしました。ちなみに、前回のA店の条件は値引き5万円/下取り10万円で、支払い総額は193万円+ナビ用SDカード(4万8600円)の無料サービスでした。
X「他車も好条件が出ていますが、私と相性がいいのはデミオだと思います。そしてマツダ車を購入するのであればSさんから購入したいです。ぜひ、私が購入できるような条件を出してください。お願いします!」
セ「ありがとうございます。もちろん精一杯頑張ります!」
X「実は、マツダB店とも商談していて、点検パックを含めて支払い総額188万円が出ています」
セ「え~、かなりいい条件ですね……うちが同一条件にできれば、決めていただけますか?」
X「すみません。同じくらいであれば、先に提示してくださったマツダB店で購入します」
セ「そうですよね、失礼しました。ちなみに、いくらであれば決めていただけますか?」
 ここでいよいよ元X氏が登場!
父「180万円!」
セ(電卓をたたきながら)「いやぁ~、すみません、そこまではとても出せません……Xさん、ほかに必要な付属品はありませんか?」
X「いろいろありますね」
セ「では、店長にダメもとで交渉しますので、Xさんが欲しい付属品をすべてピックアップしてください。その金額を見て、店長との交渉額を考えましょう」
 X氏っぽくなってきました。なんか楽しい(笑)。
 実は前夜、オプションカタログをじっくりチェックして必要な付属品をセレクトしておきました。まずは前回の見積もりに入っていたフロアマット(おしゃれなオーダー品を買うことにしました)を削ります。かわりにナビやデイライトなど約14万円分の付属品をお願いしました。
セ「ご希望はおいくらですか?」
X「180万円で!」(笑)
セ「絶対に無理です」(笑)
X「ですよね、失礼しました。では、193万円で買います! この通り、今日は実印も持ってきています」(テーブルに置きます)
セ「う~ん……厳しいですが、この金額で店長と交渉してみます」
X「よろしくお願いします」
 しばらくして戻ってきました。
セ「申しわけございませんが、2万円だけご負担していただき、195万円でお願いできませんか……」
 ええっ、ほぼ通ったの!? ダメもとだったので嬉しい♪
X「実は、父の勧めで汎用品のダブルホーンを装着するつもりです。ほかの店で購入したダブルホーンを持ってくるのでサービスで取り付けていただけませんか? OKなら195万円で契約します」
セ「あっ、あ……はい。では、もう一度、店長に確認してきます」
 今回はすぐに戻ってきました。
セ「Xさん、ご希望、通りました! ダブルホーンの取り付け工賃は1万800円です。注文書にはこれを計上しますが、支払い総額は195万円にします!」
X「ありがとうございました!」
 最終的に車両本体と付属品19万2647円(ナビ用SDカードを含む)から値引き26万1671円、下取り14万3550円(リサイクル費用戻し分1万3550円を含む)となっていました。なお、下取り車を買い取り専門店に売却した場合は下取り分(14万3550円)をプラスして支払えばいいことも確認しておきました。
≪追記≫ 契約から1か月が過ぎたところで、納車日(契約から42日後)が決まったので、松本さん直伝のガレージオークションを実行してみることにしました。
 まずはWebにて一括査定を申し込みます。送信してから10分も経たないうちに電話が鳴りました。対応していると、次から次へと電話が掛かってきて、不在着信履歴がすぐにいっぱいに……。
 数日後、我が家のガレージにてオークションを開催。入札最低価格は下取り額+約3万円の17万円。参加は4社。名刺の裏側に買い取り金額を記載して提出していただく入札方式を採りました。
 その結果、18万1000円で落札! 差し引き3万7450円の成果となりました。



値引き採点 5
 あの時の“あどけない小学生”が素敵な女性となって戻ってきてくれました。「本格的な商談は初めて」とのことですが、そこはそれ、父上のDNAが脈々と生きていて、有効なキーワードを駆使して上手に上乗せを迫っています。事前にアポを取ったり、付属品や納車費用をカットしたり、下取り車の処分を確認したり、といったX氏ならではのやり方は“先輩”がしっかりとアドバイスしてくれたようです。さらに、土壇場での落とし方も見事でした。
 ガードの固いデミオから約26万円引き/値引き率12.6%なら文句なしの特上クラスです。ガレージオークションでの稼ぎを含めると、実質的に30万円引きに成功したと考えていいでしょう。



提供元:月刊自家用車



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ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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