新型車比較・ライバル車対決
更新日:2022.04.06 / 掲載日:2022.03.31

SUVライバル徹底比較【7】キックス vs ノート AUTECH クロスオーバー

人気&注目モデルがガチンコ勝負! 勝つのはどっちだ!?

多くのユーザーが気になる2台のSUVを、
注目ポイントごとに徹底比較。
今、購入するならばどちらを選べばいいのか?
すべてをお教えしましょう。

●解説:川島茂夫

キックスVSノートAUTECHクロスオーバー

従来タイプか? 最新仕様か? e-POWER搭載SUV、ガチンコ比較

NISSAN キックス

ノート譲りの多くの美点を継承
 先代ノートをベースに開発されたSUV。ノート譲りの巧みなキャビン設計を持つが、e-POWERとプロパイロットを標準装着していることも魅力の一つ。搭載されるe-POWERは、現行ノートのe-POWERと比べると半世代古いタイプになるが、走行時のパワーフィールは現行ノートの味付けにかなり近い。最低地上高は170㎜を確保しているが、駆動タイプはFF車のみと、オフロード適性はほどほどだ。

国内導入されるキックスは上級グレードのみ。キャビンは巧みな加飾を用いることで上質感も追求されている。
e-POWERは現行ノートよりも古い世代になるが、95kW/260Nmを発揮するなど見劣りしない。電動駆動らしい力強い走りが楽しめる。

NISSAN ノートAUTECHクロスオーバー

e-POWER搭載の4WD車も用意
 現行ノートをベースに、オーテックがSUV風に仕立てたモデル。カテゴリー的にはカスタマイズカーになるが、登場以来なかなかの人気を集めている。オーテック専用の内装仕立てとSUVらしい外観加飾だけでなく、専用サスにより最低地上高もベース車から25㎜アップ。さらにキックスには設定のない、e-POWERの4WD車も選ぶこともできる。オン&ラフロードで電動駆動を最大限に活かした走りが楽しめることが強みだ。

現行ノート譲りの良質なキャビン空間は、オーテックのカスタマイズで上質感がさらに高まっていることも見逃せない。
最新世代のe-POWERを搭載。駆動モーターは85kW/280Nmと1世代前よりも高出力型に仕上げられている。

ここに注目! 比較ポイント【01】走行性能

最新e-POWERの搭載は大きな強み
4WD車の走りはクラストップレベル

 世代違いとはいえ同じパワートレーンを用いているだけあって、ドライブフィールの特性に大きな違いはないが、力強さや走りの質感はキックスがやや劣る。加速の滑らかさや細かな動きの収束、ハンドリングの落ち着きなど、ノートクロスオーバーの方がクラス上と思わせてしまうほどの走りを披露してくれる。またノートクロスオーバーの4WD車は、後輪の駆動力を積極的に用いる高機能システムを採用。雨天路面や雪路面だけではなくオンロードでも、コンパクトSUVとしては傑出した走りが楽しめる。

【キックス】最新ノートには少し及ばないが、電動駆動がもたらす力強い走りはクラス離れしている印象。元気よくキビキビ走れる、稀有な1台だ。
【ノートAUTECHクロスオーバー】オーテックのサスチューンが加わったことで、現行ノート以上に手応えのあるハンドリングを手に入れた。走りの良さはトップレベルだ。

ここに注目! 比較ポイント【02】キャビン性能&装備

上質感の演出は互角だが
装備は標準設定が多いキックスが上

 キックスはノートの最上級グレード以上の上級仕様として設定され、プロパイロットも標準装着。内装もカジュアルに仕立てられており所有欲も満たしてくれる。
 一方、ノートクロスオーバーの内装は、オーテック仕立てだけに、高級感の演出は同等以上だ。ただし、機能装備は標準車のXに準じており、プロパイロットもノートクロスオーバーは最新仕様だがセットOPとなってしまう。
 キャビン実用性はスペースの余裕が多いキックスが一歩リード。荷質も高さに余裕があるキックスが有利だ。

【キックス】シート格納機能は前倒式のため床面に段差が生じてしまうが、キャビンや荷室の広さも十分。使い勝手に優れることも美点だ。
【ノートAUTECHクロスオーバー】キャビンはノートと共通のため質感に関しては申し分がないが、広さやシートアレンジなどの使い勝手は、SUVとしては平凡だ。

【最終結論】どちらがベストバイ!

キックスも悪くない選択だが
ノートAUTECHクロスオーバーが上

 キャビンの実用性を重視するならキックス、走りや4WD性能にこだわるならノートクロスオーバーが選び分けの基準になる。価格は車両本体で比較するとノートクロスオーバーが安くみえるが、プロパイロットの装着が前提なら約20万円高くなる。
 そのことを踏まえても、特別な内外装の仕立てや走りの実力差からすれば、ノートクロスオーバーのほうが買い得に感じる。予算に余裕があるならば、FF車から約26万円高になるが、4WD車を選ぶのがいい。走りにこだわるユーザーにはイチオシできる。

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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