新型車比較・ライバル車対決
掲載日:2021.07.26 / 更新日:2021.07.29
SUZUKI ソリオの魅力再発見 ~トール軍団に挑む~
スライドドア装備のコンパクトハイトワゴンは、手頃な価格と多用途性で大人気。一方、実用的な性格ゆえ、メディアでの露出は多くない。そこで今回はこのジャンルのパイオニア、スズキ・ソリオを再検証。強力ライバルを念頭に置きつつ、その実力や魅力に迫る。
タウンユースにとどまらずレジャーシーンでも実力発揮

ソリオ ハイブリッド MZ(FF) ●車両本体価格:202万2900円 ●ボディカラー:フレイムオレンジパールメタリック
SUZUKI ソリオ
●標準系
●ソリオ バンディット
●車両本体価格:158万1800~214万8300円●発表年月(最新改良):’20年11月(未実施)
全長&荷室拡大で使い易く。先進安全装備の機能が向上

手頃な価格で圧倒的な多用途性を得られる人気カテゴリーのパイオニアは、先般のモデルチェンジでボディを拡大し、ダイナミックな外観と広い室内空間を手に入れた。先進安全装備や快適装備がアップデートされている。

ソリオ(写真)の内装はネイビーとホワイトを基調に心地よさを演出、バンディットはボルドーとブラックを基調に上質感を強調。
ライバルは超ベストセラー
OEM車を含めて販売トップの常連
軽自動車を除いて日本で一番売れているのがトールとそのOEM車たち。4WD車とスバル・ジャスティにはターボ車の設定がない。
まずは走りを再確認
マイルドハイブリッドがタイムリーにアシスト
スペーシアの設計思想やノウハウをリッタークラスに導入して開発されたモデルがソリオである。全高は1.7mを超え、室内高は2L級の1BOX型ミニバンに迫る1365mm。高い視点と広いウインドウの見晴らしのよさとスライドドアと低い床面高の乗降性のよさ。大人4名でゆったりと過ごすも、室内高を活かして沢山の荷物を積んだレジャーにも対応できる。タウン&レジャーを高水準で両立したファミリーワゴンである。 試乗車のパワートレーンはマイルドハイブリッド採用のNA1.2L。前面投影面積の大きな車体でもあり高速での加速では高回転の使用時間も長い。しかし、非力感を覚えるのは急加速時くらい。巡航から緩加速ではスペックから想像する以上の余力感を示す。 穏やかに踏み込んでいくような状況では電動パワーアシストが適時介入し、巡航ギヤ比維持あるいはダウンシフト量を抑制。エンジン回転数の変化が少ないため、トルクに余裕を感じるわけだ。踏み込み量が大きい、あるいは素早く踏み込むと早々にダウンシフトするが、速さよりもスムーズさを優先した制御で心理的な圧迫が少ないのも長所だ。 穏やかパワーフィールには穏やかフットワークが似合い。高い重心高を硬いサスチューンで抑えるでもなく、ロールは大きめで、入りもゆらりという感じ。ただし、サスストローク速度は適度に抑制され、ストロークが深まるほどに腰が出るので、揺れ返しも少なく、柔らかい割に据わりがいい。長距離ツーリングに最適とは言い難いが、見た目に似合わず高速走行も不安感なくこなせる。 停車保持機能はないものの、全車速型ACCを採用。車線維持支援は逸脱警報になるが、最上級グレードにはHUDも用意するなど、遠出に適した先進装備も設定。上級クラスの最新モデルには機能面で及ばずともリッタークラスとしては安全&運転支援機能も充実している。タウンユースのスペシャリストと誤解されやすいが、ファミリー&レジャー用途で使ってこそ活きるモデルである。
DAIHATSU トール

パワートレーン(NA/ターボ) ●エンジン形式:996cc 直列3気筒●最高出力(PS):69/98●最大トルク(kg・m):9.4/14.3●WLTCモード総合燃費(km/L):16.8~18.4/16.8
[比較1]エクステリア/車体寸法
好みの問題だが、存在感があるのはトール軍団
外寸及びパッケージングはほぼ同じ。ただ、2車を並べて見るとソリオのほうが印象がちょっと地味。バンディットも含めて乗用車感にこだわった感じだが、トールはミニバン系の押し出しをそのまま移植したような派手さ。好みの問題だが、存在感の強さではトール系。
【判定】トールが優勢勝ち
ソリオ
トール
[比較2]インテリア/室内寸法
ソリオはカラーヘッドアップディスプレイ有り
メーターパネルはトール系が一般的なステア奧配置、ソリオはセンターメーターを採用。両車ともにドラポジはアップライトであり、メーターの視認性はソリオが勝る。しかもソリオには同クラスではまだ贅沢装備のHUDまで用意されている。
【判定】ソリオが優勢勝ち
ソリオ
トール

※単位:mm。社内測定値を含む。
[比較3]荷室/積載
実質的な違いは主に後席スライド量だ
カタログ室内長はソリオが圧倒するが、これはメーターレイアウトの違いによるもので、実際の室内長に大きな差はない。積載性も大差ないのだが、後席スライド量が75mmほどトールが大きいこともあり、後席使用時の最大荷室長は僅差ながらトールに軍配を上げる。
【判定】トールが優勢勝ち
ソリオ

トール


※単位:mm。社内測定値を含
[比較4]安全運転支援機能
渋滞時には停車保持機能付のトールが楽
車線維持支援は逸脱警報レベルでほぼ同じだが、ACCの機能はトール系が勝る。ソリオは停車保持機能がないが、トールは停車保持&RES発進機能を備える。逆にソリオのアドバンテージは運転視線で視認性のいいHUD。渋滞走行の機会が多ければトール系が有利だ。
【判定】トールが優勢勝ち
ソリオ

トール

【結論】
共通点が多いがコスパはソリオ
優劣判定を下すのが企画趣旨なので多少強引でも差を付けて裁定したが、柔道の判定で言えば多くは一昔前の「効果」レベル。つまり着目点や優先順位が変わればひっくり返ってもおかしくない優劣判定でもある。それほどにソリオとトール系は近い存在である。 また、走りではマイルドハイブリッド対リッターターボとなるが、ターボ車はトール系でも最上級グレード限定。マイルドハイブリッドを主力として展開するソリオの方が、コスパと走りの汎用性では有利。適応用途に応じたパワートレーン選択と予算建てが両車の比較では重要である。
ソリオはコレが売り!

なごみフィールのMハイブリッド
マイルドハイブリッドの扱いやすさと余力感、安心感の高いフットワークでドライバーも含めて和みのドライブに適している。
トール軍団はコレが売り!

後席ロングスライドのアレンジ性
実用面では後席ロングスライド機構が見所。EPBの導入でACCは渋滞対応の全車速型だ。瞬発力が利いたターボも魅力のひとつ。

ライタープロフィール
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。
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