新型車比較・ライバル車対決
更新日:2020.07.27 / 掲載日:2020.07.27

NISSAN 新型キックス vs ライバルSUV 先取り対決

国産屈指の強力ライバル勢にガチ勝負を挑むことになるキックス。ここではピックアップした注目モデルたちと1on1でガチンコ対決。その実力を見極めていきたい。

icon バトル1 キックス VS ヴェゼル(ハイブリッド)

  • シート格納機能はダイブダウン式が採用されるなど、荷室まわりの積載性はクラストップレベル。後席座面を跳ね上げるチップアップ機構など、ユーティリティの多彩さも見所だ。

  • 荷室のスペースは十分だが アレンジ面に古さを感じる

    サイズの割には荷室スペースは確保されているが、シート格納などのアレンジは平均レベル。ユーティリティの塊のようなヴェゼルと比べると、どうしても平凡に映ってしまう。

積載&使い勝手は ヴェゼルに一日の長あり

 ノートより車両重量が増えているとはいえ、低中速域でトルクフルなe-POWERは有利だろう。ヴェゼルは巡航で同排気量ガソリン車より多少優れるもののゆとりはあまりない。動力性能についてはキックスに分がありそうだ。また、ウインドウ開口が大きいこともキックスの特徴であり、後席からの見晴らしや開放感も良好だろう。 ヴェゼルのアドバンテージは4WDの設定と多彩な積載性である。ヴェゼルも目立って悪路を得意とするほうではないが、アウトドアレジャーを積極的に楽しむなら電子制御カップリング式4WDは大きな魅力。センタータンクレイアウトによる低床設計とダイブダウン式の後席格納はかさ張る荷物の収納力に威力を発揮する。

icon バトル2 キックス VS C-HR(ハイブリッド)

  • ハイブリッドでも 十分スポーティ 走りに自信あり

    開発時にはニュルブルクリンクで徹底的に走り込まれるなど、SUV屈指のサスチューンを持つ。GRモデルも用意されるなど、ハイブリッドでも走りは楽しめることを教えてくれた先駆者だ。

  • e-POWERがもたらす 先進の走りは見逃せない

    余力感などはおよばないが、EVライクな電動走行が楽しめることは、キックスを選ぶ大きな理由。走り自慢のC-HRでも侮れない存在になる可能性を秘めている。

実用面はキックスがリード キャラの濃さはC-HRが上

 C-HRを一言でまとめればSUVモチーフのスペシャリティカーである。室内有効長こそカローラスポーツ並みだが、後席は閉鎖感が強く乗降姿勢も窮屈。荷室の積み降ろしもよくない。また、最低地上高も一般乗用車の水準だ。売り物のハイブリッド車に4WDがないのも痛いところ。そういった点では、4WDが設定されないとは言え、レジャー用途向けにはキックスがまとまりがいい。 ただし、スペシャリティな部分を除いたとしても車格感はC-HRが勝る。キックスは試乗前なので断定できないが、走りの余力感や快適性、内外装の質感などにおいてキックスが上回るとは予想し難い。実用性を重視するか? それともキャラを重視するか? それが選び分けの要点になるだろう。

icon バトル3 キックス VS ロッキー/ライズ

  • ロッキー/ライズ

    運転支援機能には少々不満を感じてしまう

  • エマージェンシーブレーキなどの安全系の基本機能は全グレードに標準装着されるが、ACCなどの運転支援機能は上位グレードにOP設定となるのは残念な部分だ。

  • プロパイロットの標準化はキックスを選ぶ大きな理由

  • 全車速で強力な運転支援機能を体感できるプロパイロットは、キックスを選ぶ大きな理由。キックスは日産車の中で最も安価にプロパイロットを体感できるモデルでもある。

総合力ではキックスが上だが 価格差を考えると悩ましい

 1Lターボとはいえロッキー系の車格設定はリッターカークラス。対するキックスはひとつ上のクラスである。車体寸法もロッキーが一回りコンパクト。キャビンスペースも同様である。一般的なタウンユースならば、キックスよりコンパクトでも取り回し面のアドバンテージは少ない。なお、WLTC総合モードの燃費は15%以上キックスが勝る。 最低地上高と4WDのラインナップで悪路対応力はロッキーが勝るが、運転支援機能はキックスが勝り、レジャー&ツーリング用途でも軸足次第で評価が変わる。もっとも、価格差は実質60万円近く、ロッキーで4WD車を選んでも40万円安。コスパで比較すればロッキーが圧倒する。

icon バトル4 キックス VS CX-3

  • CX-3

    ディーゼルターボの余力感はこのクラスではトップレベル

  • キックスの価格帯で比べると、ディーゼルターボ車がライバル。分厚いトルクが生み出す余力感溢れる走りは、このクラスとしてはトップレベル。高速走行重視ならCX-3が明らかに上だろう。

  • 高速走行などは少々苦手の可能性も

  • 独特の電動走行感はキックスの大きな魅力だが、高速道路など負荷が強い走行状況では、余力感や燃費性能の落ち込みが予想できる。高速走行が多いユーザーは注意が必要。

実生活での使い勝手は キックスの方が有利

 共にスペシャリティ志向で開発されたモデルではないが、デザイン優先の設計思想のためかCX-3は同サイズのSUVでは後席が狭い。電子制御カップリング式4WDを採用しているものの、最低地上高は160mmであり、一般的な乗用車よりも僅かに高い程度。悪路対応力で多少のリードはあってもラフロード止まりで十分というならば、キャビン実用性を考えれば、キックスのほうがバランスが良いだろう。 CX-3のアドバンテージは高速巡航に於ける操安性とディーゼル車の動力性能。クラス上と比較しても同等以上。ただし、ディーゼル車は価格が高く、さらに運転支援機能はキックスのプロパイロットが一枚上手である。

icon バトル5 キックス VS ヤリスクロス

  • ノートに通ずるシンプルなキャビン空間

  • DA(ディスプレイオーディオ)が採用されるなど、キャビン周りにも最新設計の恩恵は随所に散りばめられる。後席ユーティリティは不明だが、ヤリス以上に煮詰めてくることは確実だろう。

  • 寸法はキックスがややリードするが、実用面での違いは感じないだろう。ポイントはキャビンの仕立て。キックスはノート+αの上乗せがあるだろうが、モニター/スイッチ類の配置に設計年次を感じてしまう。

ベースモデルと同様に 正式発売時にはガチライバルに

 走行ハード面は、キックスがノートe-POWER、ヤリスクロスがヤリスをベースにしている。両車ともに未試乗なので詳しい実力は判断できないが、動力性能や燃費についてはノートとヤリスの差を当てはめてもいいだろう。e-POWERは低中速域における瞬発力が特徴。ヤリスのハイブリッド車は追従性と滑らかさを重視した加速特性。ヤリスのガソリン車も回転を抑えて素直なトルクに乗せた余力感が特徴だ。e-POWERのほうがファントゥドライブな印象を受けるが、洗練された味わいではヤリスに分がある。 キャビンユーティリティはスペック上の比較では多少キックスがリードするが、ヤリスクロスはハイブリッド/ガソリン車ともに4WDが設定されるため、レジャー用途適性は勝る可能性が高い。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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