新型車比較・ライバル車対決
更新日:2020.06.30 / 掲載日:2020.06.30

新旧ハリアー見比べチェック

歴代モデルを乗り継いでいる熱烈なファンがいることで知られるハリアー。今回も従来型から新型へ、乗り換えを検討しているオーナーは多いはずだ。ここでは新型と従来型を比較することで、どれだけ新型が進化したのか? を確認してみたい。

  • 新型ハリアー

    ■主要諸元(2.0 Z レザーパッケージ FF)  全長×全幅×全高(mm):4740×1855×1660 ホイールベース(mm):2690 車両重量(kg):1620 パワーユニット:1986cc直4DOHC(171PS/21.1kg・m) ミッション:ダイレクトシフトCVT 最小回転半径:5.7m、サスペンション:マクファーソン・ストラット式(F)/ダブルウィッシュボーン式(R) ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) タイヤ:225/55R19

  • 従来型ハリアー

    ■主要諸元(2.0 プログレス メタル&レザーパッケージ FF) 全長×全幅×全高(mm):4725×1835×1690 ホイールベース(mm):2660 車両重量(kg):1620  パワーユニット:1986cc直4DOHC(151PS/19.7kg・m) ミッション:スーパーCVT-i 最小回転半径:5.6m、サスペンション:ストラット式(F)/ダブルウィッシュボーン式(R) ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) タイヤ:235/55R18

内部メカ&装備は別物。設計年次の違いは想像以上

 サイドウインドウグラフィックなど、新旧で似ている部分もあるが、ルーフラインからリヤピラーの造形に連続感を持たせるなど、新型のほうがよりクーペ的である。ただし、キャビン後部をすぼめるように処理されているので、後席頭上もルーフラインはそれほど低くなく、後席の居住性を配慮したのは従来型と同様である。
 サスペンションは形式上は従来型と同じだが、プラットフォームはカムリから採用された上級FF車用のGA-Kを採用。SUVではRAV4が初採用となり、そのままハリアーに移植されている。従来型とRAV4の比較でも、走りの質感や操安性でGA-Kプラットフォームの優位性は明確だが、従来型のNA車のような快適性重視なのか、ターボ車のような高速ツアラー路線で行くかは気になる点だ。ちなみに従来型のターボ車ではローダウンサスを採用していたが、新型に相当する仕様が設定されているかは現状では不明だ。
 もう一つの見所はパワートレーン。新型はガソリン車もハイブリッド車も熱効率を向上させた新世代エンジンを採用している。このエンジンは、実用燃費と巡航時の余力感が特徴。従来型の2L・NA車に対してパワースペックでも20PS/1.4kg・mほど上回っており、同排気量設定ながらも、動力性能は1クラス向上したと考えていい。
 また、ハイブリッド車はTHS IIシステムを一新。E-Fourの後輪駆動用モーターも含めて高効率型としているため、出力は従来型よりも下がっている。なお、前輪駆動用モーター出力はカムリと共通であり、プレミアムSUVに相応しい動力性能と、クラス最高レベルの燃費性能を両立したパワートレーンだ。
 世代ギャップは走行ハードだけではない。装備機能も同様だ。中でもトヨタセーフティセンスの中核機能である、車線維持支援機能の進化は大きな見所の一つで、LTAが全グレード標準装着になるなど、従来型ではやや見劣りしていた部分を最新仕様に仕上げている。通信連携を含む車載ITシステムのパワーアップなど、大きな違いが生じている。
 従来型が登場したのは2013年。最新TNGA技術が注がれた新型と差があるのは当然だが、そのことを考慮しても、新型の全方位の進化ぶりは著しい。従来型同様に、歴代屈指の人気を集めるのは間違いなさそうだ。

エクステリア比較

新型はプレミアムSUVの最新トレンドを強く意識

 新型は従来型より全高を30mm低くするだけでなく、ルーフラインの曲率を強くすることでキャビンボリュームを小さく見せている。従来型のキャビン周りが後部の絞り込みを少なくしてワゴン的なのとは対照的。実用的SUVのプロポーションに、スラントノーズを組み合わせた従来型のほうが個性的かつ国内専用モデルらしさを感じるが、新型のほうがオンロード志向のプレミアムSUVのトレンドに沿ってキレイにまとまっている。

icon 新型

フェイスイメージやウインドウグラフィックなど、多くの要点を従来型から受け継いでいるが、ルーフ後端の絞り込みやパネル抑揚の違いなどで、クーペライクなフォルムを強めている。

icon 従来型

ボディサイズは若干従来型の方が短いが、ロングノーズのプロポーションや切り上がったヘッドライトなど、ハリアーらしい流麗なプロポーションは従来型でも十分楽しめる。

インテリア比較

新型のキャビン空間は より洗練さが増した印象

 パッド型モニターを用いたDAを採用していることもあるが、操作系をコンパクトにまとめ、光沢加飾も少なく、落ち着いた雰囲気が新型の特徴。大きなセンターコンソールにアイキャッチとなるメタル調の加飾を利かせて、派手やかな印象のある従来型とは対照的だ。ホイールベースからして室内有効長に大きな違いはないと予想できるが、ルーフ形状からすると後席の開放感や最大荷室高は、従来型から多少低下している可能性もある。

icon 従来型

モニターの配置場所に古さは感じるが、丁寧なパネル処理や質感高いレザーシートの採用など、プレミアム感溢れるキャビン空間は今でも十分すぎるほど魅力的だ。

icon 新型

中央にモニターを配するレイアウトはRAV4と同じだが、パネルやパッド類の上質感を増すことで巧みに差別化。レザーシートの詳細は非公開だが質感に富んだ上級タイプが装着されるだろう。

メカニズム比較

新型

TNGA技術が全面採用されたことが、新型ハリアーの大きな強み。ガソリン車もハイブリッド車もトヨタの最新仕様にアップデートされており、走りの質感向上も大いに期待できそうだ。

快適性重視で仕上げた新型は 相当なレベルアップが確実

 形式で分類すると大きな違いがないように見えるが、ハードウェアの内容は完全に別物。軽量と高剛性を主眼に効率化されたGA-Kプラットフォームやダイナミックフォースエンジン、ハイブリッドシステム、CVTまで、効率と実用性能を高めた最新仕様である。従来型とRAV4を乗り比べると余力感やドライバビリティの洗練度は段違いだけに、ハリアーの新旧も相当な差が生まれるのは確実。特に快適性の向上は開発要点の一つであるので、車格感の差はRAV4以上に感じることになりそうだ。

装備機能比較

最新機能を惜しみなく注入 世代の差を強く 実感してしまう

 トヨタセーフティセンスのセンシング方式はレーダー&カメラの併用式と共通しているが、新型はアル&ヴェル以降に採用された新世代型。認識精度を向上するとともにLKAの走行ライン制御への前走車追従機能の追加など先進的な制御を採用。従来型は全車速型ACCは採用するもののLKAの操舵支援ははみ出し抑制止まりだ。また、車載IT関連は従来型はプログレス以外はレス仕様を基本としていたが、新型は全車にDAもしくはSDナビが標準装着。機能面の強化に加えて、装着設定でも一歩進んでいる。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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