新型車比較・ライバル車対決
更新日:2020.05.29 / 掲載日:2020.05.29
TOYOTA新型ハリアー VS RAV4比較
-
TOYOTA RAV4 価格帯:265万6500-388万8500円
-
TOYOTA 新型ハリアー
RAV4の高い実力ぶりから、次のハリアーも凄そうだ、という声を聞くようになって久しいが、その答えがまもなく明らかになる。現時点ではあくまで予想だが、両車の違いを先取りで考えてみたい。
エクステリア
新型ハリアー
同じGA-Kプラットフォームを用いているが、クーペフォルムを強調した造形もあって違いは明らか。特にリヤ周りのデザインも対照的だ。
RAV4
RAV4は北米専売のピックアップトラック(タンドラ/タコマ)と共通性を持たせたオフロードイメージを強めたスタイルを採用する。
新型ハリアー
切り上がったヘッドライトとアッパーグリルをやや狭めにとるデザインが印象的。一目でハリアーであることがわかる顔つきは健在だ。
RAV4
幾何学形状の八角形を組みあわせたオクタゴンデザインはRAV4のアデンティティの一つ。
RAV4
上のハイブリッド車は開口部に、下のガソリン車のアドベンチャーはアッパーグリルに刻まれる。
インテリア
新型ハリアー
カジュアルなRAV4のイメージと比べると、ブラック基調で構成されるハリアーのキャビン空間はフォーマルな雰囲気を強く感じる。
パネルやトリム類に用いられる素材や意匠はアウトドアユースを意識した選択。ナビモニター、シフトやスイッチ類の配置も異なる。
パネルやトリム類に用いられる素材や意匠はアウトドアユースを意識した選択。ナビモニター、シフトやスイッチ類の配置も異なる。
機能&装備
新型ハリアー
昼夜歩行者検知の衝突軽減ブレーキや操舵支援のLTAなど、トヨタセーフティセンスの最新機能が惜しみなく注がれている。
後方カメラの映像をデジタル表示するデジタルインナーミラーは今後普及が進む装備。ハリアーには録画機能付きの最新仕様が用意される。
車載ITは8インチDAもしくは12.3インチT-Connectナビが標準装備。DCMを介した通信連携機能が全グレードに提供される。
RAV4
デジタルインナーミラーはRAV4にも設定があるが、こちらには道路状況を記録できる録画機能は備わっていない。
RAV4はオーディオレス仕様が基準。DCMは標準装備だが、T-CONNECT対応ナビはディーラーOP。装着設定にも相応の差がある。
RAV4にもチルト&スライド機構付きのパノラマムーンルーフが用意されるが、ハリアーの調光パノラマルーフほど先進的な装備ではない。
RAV4と基本メカは共通 実力も大いに期待できる
ボディサイズはハリアーが全長4740×全幅1855×全高1660mmに対して、RAV4は全長4600×全幅1855×全高1685mmと、全長以外はほぼ同じと言っていい。ホイールベースはどちらも2690mmと共通。しかし、デザインは全く異なる。
RAV4はオクタゴン(八角形)をモチーフにした意匠を随所に採用する個性的なスタイルだが、ハリアーはその逆で泥臭さを一切感じさせない流麗なデザインに仕上げられている。
インテリアは操作系レイアウト、エアコンの吹き出し口などに共通性が見えるものの、デザインは別物だ。特にセンターコンソール周りは12.3インチの大型ディスプレイにタッチパネル式エアコンパネルを採用するハリアーに対し、RAV4のナビゲーションはディーラーOPでの対応。RAV4もシンプルながら質の高いインテリアに仕上がっているが、ハリアーは加えてレザー調/ウッド調/パイピングなど加飾を上手に盛り込み、プレミアムセグメントに足を踏み入れた空間に仕上がっている。
パワートレーンとプラットフォームは共通だが、走りのチューニングは別物だ。RAV4はオンとオフのバランスを考慮した、ボディサイズを感じさせない軽快さとキビキビさを両立させた乗り味が特徴。ハリアーも根底は同じと推測できるが、キャラを踏まえて重厚かつしなやかな乗り味を強めてくるはずだ。また、RAV4はややロードノイズが気になるが、ハリアーは吸遮音材や制振材の配置の工夫などで、静粛性を高めてくることが予想できる。
このようにRAV4とハリアーは似ている所と似ていない所があり、ワイルドなRAV4、フォーマルなハリアーと、キャラがシッカリ分けられている。優劣ではなく用途やライフスタイルに合わせて選べる2台でもあるのだ。
新型ハリアーの登場で トヨタSUVラインナップが完成!
新型ハリアーの開発の中心を担っていた佐伯禎一氏は、実はRAV4のチーフエンジニアも務めた人物。以前、筆者はRAV4登場時に「なぜ3列シートモデルの設定をしないのか?」と言う質問をした事がある。その時、佐伯氏は「トヨタのクロスオーバーSUVはシリーズで戦いますので」と語った。
その言葉の通り、その後3列シートのハイランダー(北米専売)が登場。さらに佐伯氏は意味深なキーワードを残していた。「まだシリーズは完成していませんよ」と。シリーズ完成のための最後のピースこそが、泥臭さのない都会的でスタイリッシュなSUV……つまりハリアーだったのである。
実は新型ハリアーは国内専用ではなく、北米市場にも導入される計画があると言う。北米市場は「ワイルド」なRAV4、「ファミリアル」なハイランダー、そして「フォーマル」なハリアーの3トップで戦うが、日本市場ではハイランダーの導入計画はないのでRAV4とハリアーの2トップとなるが役割は同じと考えていい。
トヨタ自動車 佐伯禎一氏
昨年4月のニューヨークショーでお披露目されたハイランダーは、新型ハリアーと関連が深いモデル。ミッドサイズゆえに日本導入が期待薄なのが残念だ。