新型車比較・ライバル車対決
更新日:2019.12.02 / 掲載日:2019.11.27

カローラ3兄弟vs次世代ライバル車 ベストバイ決定戦 ステーションワゴン編

icon HONDA シャトル

●価格:180万8400 ~277万2000円

icon TOYOTA カローラ フィールダー

●価格:169万8400 ~228万1400円

icon TOYOTA カローラ ツーリング

●価格:201万3000 ~299万7500円

バトルポイント1 パッケージ&ユーティリティ

 カローラ系2車を比較すると、ツーリングのラゲッジは新型になって容量が一回り小さくなった。テールゲートの前傾も深まり、嵩のある荷物の積載性も低下している。ワゴンの最新トレンドを汲みつつ頑張っているものの、比較すれば実用性より格好良さや車格感を優先した印象が強い。シャトルはフィールダーよりさらに一回り大きなラゲッジ。床面地上高が低く、深さはワゴンでは最大級だ。フィット譲りの後席機能で積載の多様性も圧倒的である。

  • カローラ ツーリングはキャビン優先の設計が強い。シート格納時のラゲッジフロアはフラットになるが、フィールダーよりも容量は手狭だ。

  • アレンジ面は平凡だが、広く取られた開口部やフラットフロアなど、積載優先の生真面目な設計は実用重視のフィールダーらしい選択。

  • シャトルのラゲッジ容量は比較3車の中で最大。フィット譲りのシートアレンジも踏襲されるなど、実用ワゴンとして高い能力を持つ。

バトルポイント2 安全&運転支援機能

 フィールダーの安全装備は以前のセーフティセンスCと同等。衝突回避緊急ブレーキ機能を中心に警報式の車線逸脱防止や誤発進抑制などで、安全のベーシック仕様を目指したものだ。シャトルはホンダセンシングが装備されるがACCとLKAは高速対応型となる。ツーリングは全車速型ACCと高機能型LKAを採用。シャトルと似たような機能設定だが、運転支援機能の制御精度や対応範囲が異なり、使用感覚でも一世代進化した印象が強い。

  • LTAを筆頭に強力な車線維持支援機能を持つことは、最新モデルであるツーリングの強み。比較3車の中で頭一つ以上抜けた存在だ。

  • フィールダーに搭載される安全運転支援機能は1世代前のシステム。ACCや操舵支援機能の設定もないなど、やや見劣りしてしまう。

  • シャトルには、ACCやLKAは高速型になるがホンダセンシングが全グレードに標準装備される。安全&運転支援機能も充実している。

バトルポイント3 走り&ドライバ ビリティ

 走りの質感は車格設定の違いを最も感じる部分。シャトルは高速安定側に寄せた操安性を持つものの、走行感覚はフィットベースを抜けきれない印象が強い。不快な突き上げなどはないが弾むような細かな揺れが目立ち、浮つくような乗り心地だ。フィールダーも同様なタイプで、小型車特有の落ち着きのなさを感じてしまう。この2車に比べるとツーリングは挙動もハンドリングも据わりがよい。この差は速度が高まるほど顕著に感じてしまう。

  • ツーリングは市街路でもしっかりとした乗り味は体感できるが、本領発揮は高速道路。1.8Lハイブリッドも不足ない動力性能を発揮。

  • 1.5Lハイブリッドはバランスが良いが、シャシー設計が新しいTNGAモデルのツーリングと比べると、走りの面で秀でる部分は少ない。

  • 高速安定志向を意識したサス仕様にチューンされているが、トヨタ2車に比較すると、安定性や挙動の据わりなどに物足りなさがある。

手頃でベーシックなワゴンはいまや本流とは言い難い

 シャトルはフィットから発展したワゴン。拡大した全長の多くはリヤオーバーハングに向けられ、そのままラゲッジ容量の拡大に繋がっている。従来型に相当するカローラ フィールダーは、セダン同様にスペース効率を求める時代の設計らしく、コンパクトなボディサイズに目一杯のキャビンという設計で、ワゴンらしい実用性を求めて開発されたモデルだ。

 カローラ ツーリングも積載性を求めるユーザー向けだが、比較2車と比べると実用性の優先順位は下がったと見るべき。もっとも、ワゴン需要そのものが変質し、今ではフォーマルなセダンに対してカジュアル&スポーティな雰囲気というのがワゴンのポジション。実際、ツーリングはサスチューニングでも、セダンと異なる設定が与えられている。

 シャトルとフィールダーは、1世代前の設計に加え上級志向も追求されていない。必然的にクルマとしての総合力はツーリングが秀でる結果となるが、その分、価格には割高感を感じてしまう。従来のワゴンニーズや手頃な価格のワゴンを求めるユーザーにとっては、性能や機能面の先駆性こそ乏しいが、比較2車はまだまだ見限れない存在だろう。

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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