新型車比較・ライバル車対決
更新日:2019.12.02 / 掲載日:2019.11.19

HONDA 新型フィットvs注目ライバル車先取り比較

icon 新型フィット

  • エクステリアは初代から受け継がれたワンモーションフォルムを採用するが、前後のデザインは大きく変更。

  • 特にフロントマスクは現行のシャープでキリッとした顔つきから一転、癒し系へと刷新されている。

  • インパネは中央に表示モニターを配置するオーソドックスなレイアウトだが、ダッシュ上面がフラットになり、前方視界の見晴らしの良さはかなり期待できそう。

  • スモールコンパクトの泣き所でもある後席スペースも十分確保されている。

icon 従来型フィット

  • 基本的なシルエットは新型と同様のワンモーションフォルム。ピラー傾斜や前後ドア形状などは多少違う程度で、前後意匠が大きく違うことが最大の差別化ポイント。

  • 現行型は精悍なスポーティ路線だ。

  • 現行型はすっきりした新型と比べるとやや雑然とした印象。質感に関しては現行型もソフトパッドなどを使用しているためこのクラスとしては良好。

  • キャビン設計も見劣りしない。ただ新型と見比べると、やや古臭さが否めない。

性能&機能は新型が有利だが 新旧の価格差が気になる

 まだ新型の走りについては何とも言えないが、見た目の印象はスポーティなイメージが強い現行型に対して、新型は大きく路線変更した。従来のグレード体系とは異なる5つのキャラクターを用意することで、軽自動車からのステップアップだけでなく、上級モデルからのダウンサイザーも狙っているのだろう。

 機能面で最大の違いは、ハイブリッド車のパワートレーンだ。1モーターのi-DCDから、2モーターのe:HEVに変更された恩恵は、燃費や効率、滑らかなフィーリングなどトータル性能の向上に繋がるのは確実だ。ただし、ハイブリッド車の価格は現行型よりも上がる可能性が高いので、そのあたりをどうみるか? ちなみにガソリン車は価格を維持したい狙いもあって、搭載されるのは現行エンジンの改良型程度という可能性が強いだろう。

 居住性や使い勝手の面も新型がリードするが、現行型もこのクラスとしては未だにトップクラス。決定的に差があるとはいえない。

 いずれにせよ、新型が秀出ているのは間違いないが、現行型も実用車としての資質は高い。新型の価格次第では、現行型の方が良かったという声が聞こえるかも?

その2 いずれも実力モデルが揃う 激戦スモールコンパクト ベストバイはどれだ!

新型フィットが投入されるスモールコンパクトは、毎年のように年度末商戦で激戦が繰り広げられるカテゴリー。しかも今回はヤリスという強敵も登場するだけに、例年以上の超激戦は間違いなさそう。ここではフィットのライバルとなる有力4モデルを比べてみたい。

新型フィットのライバルになる注目モデルはこれだ!

icon HONDA 新型フィット

  • ややキャラ変を図りつつもその本質は生真面目な実用車

  •  5つのモデルタイプの設定や新ハイブリッドの投入など、新技術&機能でも話題を集める新型フィット。だが、その本質は便利に使える使い勝手の良さにあり、新型もその美点はしっかりと踏襲されているだろう。キャラとしてはスモールコンパクトの正統派モデルだ。

icon TOYOTA 新型ヤリス

  • 約10年ぶりのフルモデルチェンジでスポーツコンパクトに大変身

  •  ヴィッツからヤリスへのモデル名変更でも話題を集めるが、最大の注目ポイントは、大きくイメージチェンジしたエクステリアデザインからも分かるように、現行型の生真面目な実用車キャラから、良質の走りを武器とするのスポーツキャラに変えてきたことだ。

icon MAZDA マツダ2

  • ●価格帯:157万3000~266万7500円

    スモールコンパクトに良質の走りを持ち込んだ先駆者

  • 2019年夏の一部改良時にモデル名をデミオからマツダ2に変更したばかり。ただし、走り最優先というキャラはまったく変わっておらず、改良時にも足まわりをさらに煮詰めてより洗練された乗り味を手に入れるなど、スモールコンパクトの異端児ぶりも健在だ。

icon NISSAN ノートe-POWER

  • 価格帯:193万7100~268万9500円

    e-POWERで人気を拡大したダウンサイザー御用達モデル

  •  ノートは広いキャビン空間と上質感を武器にした上位グレードの設定で、多くのダウンサイザーを獲得したスモールコンパクト。近年はe-POWERの大ヒットもあって、ハイブリッド車としてもかなりの人気を集めている。フィットにかなり近いキャラ設定だ。

似ているようで似ていない キャラの違いはかなり大きめ

 スモールコンパクトクラスは、ここで取り上げる4モデルを筆頭に様々なモデルがラインアップされている。中でもフィットとヤリスは最新の技術&装備が注がれているため、大きな注目を集めるのは間違いない。

 比較4車を比べると、最新シャシーとパワートレーンが採用されたヤリスは、明らかに走りを重視したスモールコンパクトだ。このキャラに近いのは先日モデル名を変更したマツダ2で、後席パッケージがやや手狭なことも共通している。一方、フィットは内外装を差別化した5つのタイプバリエーションの設定が話題を集めているが、その本質は高いユーティリティと居住性の良さにある。まだ詳細は明らかにはなっていないが、公開された写真を見る限り、キャビンの余裕や多様性は現行型と同様に高いレベルを持っていそうだ。ノートはe-POWERの躍進もあって、エコプレミアムの面でも人気を集めているが、元々は広々とした室内寸法を武器にユーティリティを売りにしているモデル。つまり、フィットに近いキャラを持つのはノートになる。

 また、小排気量が前提ゆえにパワートレーンの優劣も含んだ走りの評価も重要だろう。マツダ2を除いた3車はハイブリッド車の設定もあるが、最新システムに刷新されたフィットとヤリスに比べると、ノートに採用されているe-POWERは燃費性能でやや見劣りしてしまう。マツダ2にはハイブリッド車の代わりにクラス唯一となるディーゼルターボ車の設定があるが、こちらは燃費の追求というよりも、分厚いトルクが生み出す力強い走りが目的だろう。

 またスモールコンパクトは、コスパに敏感なユーザーが多い。フィットとヤリスは正式デビュー前ということもあって価格は不明だが、比較4車はほぼ同じ価格帯で、しのぎを削るのは確実。フィットとヤリスは最新メカニズムと充実機能をふんだんに盛り込んだとはいえ、ベストセラーを期待されるスモールコンパクトゆえに、現行型の価格帯に対して、大きく上乗せすることは難しいだろう。

 このように同じスモールコンパクトのハッチバックではあるが、各々のモデルの個性はかなりハッキリしている。比較的近いのは価格くらいで、他ジャンルのライバル対決のように、ガチンコ勝負にはなりにくい。とはいえ、クルマの基本性能の進化を軸に考えれば、シャシーやパワートレーン、安全運転支援にいたるまで、最新設計が惜しみなく注がれたフィットとヤリスの総合性能の高さは歴然。主役を務められる2台だ。

ここは外せない!注目ポイント1 キャビンスペースの違い

icon 新型フィット

  • 居心地のよいキャビン設計は新型になっても変わらない

  •  上級セダンまで見据えて設計された新開発シートや十分なスペースを確保した後席スペース、多彩な格納バリエーションなど、スモールコンパクトの中では最大級の居心地を持つこともフィットの強みだ。

icon 新型ヤリス

  • 質感向上は明らかだがキャビンは前席最優先の設計

  •  断面を薄くとった横基調のインパネデザインは最新トレンドに沿ったもの。インパネまわり上質感も明らかに高まっている。ただ前席優先の設計もあって、後席はクラス相応レベル。足元のゆとりは明らかに手狭だ。

icon マツダ2

  • 後席スペースは明らかに手狭だがキャビンの質感は申し分なし

  •  スカイアクティブ技術が注がれたマツダ車は、キャビン&荷室のユーティリティを軽視しがち。最小クラスとなるマツダ2も質感は申し分ないが、キャビンは明らかに手狭。キャビン設計においてもドライバー優先を貫いている。

icon ノート e-POWER

  • クラス以上のキャビンの広さ居心地の良さは間違いなくナンバー1

  •  いち早くダウンサイザー獲得を狙ったスモールコンパクトだけに、登場から7年経過した今でも、キャビンのゆとりはクラストップレベル。特に後席の広々感はクラスを超えた余裕があるほど。質感もメダリスト系なら申し分なし。

ここは外せない!注目ポイント2 パワートレーン&走り

icon 新型フィット

注目の新ハイブリッドは上位システム譲りだけに走りも期待できそう
 パワートレーンの詳細は不明だが、新たに追加されるe:HEVと名付けられた2モーター式のハイブリッドは、インサイトなどに搭載されたi-MMDの小型版と予想できる。モーターとエンジンの協調制御に優れるi-MMDの走りは高い評価を得ているだけに、新型フィットに合わせて小型化されたとはいえ、e:HEVが生み出す走りも期待できそうだ。

icon 新型ヤリス

減衰力特性に優れた新サスペンションを採用 普段使いの走りにも期待
 まだ走りの全貌は明らかにされていないが、近年のTNGAモデルはいずれも走りの評価が高いだけに、ヤリスの走りもかなり期待できるだろう。性能差が明確に出るフットワーク面も、ヤリスはカローラから採用が進んでいる新開発サスペンションが装着される。スポーツ走行のみならず、普段遣いでも走りの良さを実感できそうだ。

icon マツダ2

夏のマイナーチェンジで乗り心地性能を改善より良質な走りを楽しめる
 頻繁に改良が加えることで走りの質を高める。これもマツダ車の特徴の一つだが、マツダ2もご多分に漏れず、夏のマイナーチェンジでサスセッティングを一新。微細な振動が抑制することで幅広い走行状況で良質な走りを楽しめるようになった。これにより、プレミアムコンパクトとしての資質はさらに高まってきた印象だ。

icon ノート e-POWER

モーター駆動が生み出す強烈な加速性能は別格 走りもあなどれない
 エンジンで発電し、そこで生まれた電力でモーターを駆動させる。e-POWERの走りは限りなくEVに近く、発進時の強力な加速力や扱いやすさを求めて購入されるケースも多い。ノートe-POWERもそのサイズからは想像できない強烈な加速性能を持っており、そのパワフルさを見込んでNISMOモデルが用意されるほど。走りもあなどれないのだ。

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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