新型車比較・ライバル車対決
更新日:2019.06.21 / 掲載日:2019.06.21

新型RAV4対5大ライバル車1on1対決!

TOYOTA 新型RAV4 価格帯:260万8200~381万7800円

これまでの国産ミドルSUVは、ユーザーを仲良く分けあっていたぬるま湯的な状況が続いてきたが、全方位に秀でる新型RAV4の登場により、そんな雰囲気は一変。生き残りをかけ熾烈な競争が始まりそうだ。パート2では、サイズと価格帯が近いライバルSUVと、1対1で比較してみよう。

全方位に大進化したRAV4はSUV選びの基準になるモデル

SUVの多様化の流れはもはや止めようがない。SUVの最大の特徴であった悪路走破性に絞ってみても、まったく苦にしないモデルもあれば、適性はワゴンやミニバン以下というモデルも存在している。最近はSUVに宿るスペシャリティやプレミアムを求めて、SUVを選ぶユーザーも珍しくないほどだ。

パート1でも述べたように、新型RAV4は、レジャーユースで扱いやすく、使い勝手に優れる。同じトヨタのハリアーと比べると、スペシャリティやプレミアムに優れるハリアーとは、まったく正反対に位置するSUVであり、最新メカニズムや機能が注がれていることを考慮しても、華やかな突き刺さるような魅力には乏しい。だが、それはSUVに求められる要素を取りこぼしなく実現した結果。ウェルバランスに優れているだけではなく、あらゆる部分が相当高いレベルに仕上げられている。RAV4をこのクラスのSUV選びの基準車として考えるのは合理的だ。

どのような嗜好で、どの用途に向けて選ぶかは、ユーザーの問題であり、走行性能や実用性の基本要件を比較して優れたモデルを選んだとしても、最適な解答に結びつくとは限らない。むしろ求める要素の取捨選択のほうが重要だ。しかし、得手不得手の面からSUVのキャラや適応用途を図るのも重要であり、そのためのモノサシとしてもRAV4は欠かせない。

アウトドアレジャー志向のユーザーには最有力候補の一車になるのはもちろんだが、同価格帯で選べるミドルSUVを狙うユーザーにとっても、数々の最新が注がれたRAV4は、必ず比較するべきモデルになるだろう。

対戦ライバル車

  • TOYOTA ハリアー 価格帯:294万9480~495万3960円

    長らくトヨタのミドルSUVを支えてきたハリアー。勢を凝らしたキャビン空間や伸びやかな走りを楽しめるターボモデルが選べるなど、ハリアーならではの魅力は未だに健在だが、新型RAV4の登場で影が薄くなったのも事実だろう。次期モデルの噂も聞くだけに、アリか?ナシか?

  • MAZDA CX-5 価格帯:257万400~355万8600円

    オンロード性能に秀でたクロスオーバーSUVは、国内でも高い人気を集めているが、CX-5はその第一人者。一昔前のSUVでは想像できないほど良質な走りを楽しませてくれる。特にディーゼルターボ車は、新型RAV4の良質の走りに真っ向から勝負することができる、希少な存在だ。

  • NISSAN エクストレイル 価格帯:223万1280~313万2000円

    2018年、ミドルSUVの中で最も売れていたエクストレイルは、レジャーSUVの第一人者として君臨してきたモデルだ。最新メカニズム&機能が採用されるライバル勢はどうしても気になるが、SUVとして基本性能は優秀。お値ごろ価格もあって、まだまだあなどれない。

  • SUBARU フォレスター 価格帯:280万8000~309万9600円

    伝統の水平対向エンジンとシンメトリカルAWDを武器にこれまで多くのファンを獲得してきたフォレスター。2018年夏に登場した現行型は、新世代プラットフォームや強力な運転支援機能まで備えるアイサイトを搭載するなど、走り以外の部分も大きな進化を遂げている。

  • HONDA CR-V 価格帯:323万280~436万1040円

    初代から続くRAV4とのライバル関係はあまりにも有名。当然、5代目となる現行型も最新パワートレーンと安全運転支援機能が投入されている。特に走りは日本導入時に徹底的に磨かれたこともあり評価も高い。新型RAV4ともガチンコ勝負ができる実力モデルだ。

【バトル1】RAV4 vs CR-V

ともに5代目で久々の日本復活となったRAV4とCR-V。RAV4の方がややオフロードに強いイメージがあるが、サイズもパワートレーン設定もほぼ同内容。海外と同様に国内でも熾烈な争いを繰り広げる、宿命のライバルとして注目されるだろう。

ハイブリッド車対決

  • 【RAV4 ハイブリッド】

    2.5LのTHS-2はカムリやレクサスESにも採用される上級ハイブリッド。RAV4ハイブリッドの4WD車は、リヤ側にもモーターを備えるE-Fourも搭載している。

  • 【CR-V ハイブリッド】

    CR-Vハイブリッドに搭載される2モーター式のSPORT HYBRID i-MMD は、国内導入時に制御系を煮詰める改良を実施。走りの洗練感が大きく高まった最新仕様だ。

  • 主要諸元(HYBRID G 4WD)●全長×全幅×全高(mm):4600×1855×1685 ●ホイールベース(mm):2690 ●車両重量(kg):1690 ●パワーユニット:2487cc直4DOHC(178PS/22.5 kg・m)+モーター(フロント:88kW/202N・m、リヤ:40kW/121N・m) ●WLTCモード総合燃費:20.6 km/L ●燃料タンク容量(L):55[レギュラー] ●最小回転半径(m):5.5 ●最低地上高(mm):190

  • 主要諸元(HYBRID EX 4WD)●全長×全幅×全高(mm):4605×1855×1680 ●ホイールベース(mm):2660 ●車両重量(kg):1660 ●パワーユニット:1993cc直4DOHC(145PS/17.8 kg・m)+モーター(135kW/315N・m) ●WLTCモード総合燃費:20.2km/L ●燃料タンク容量(L):57[レギュラー] ●最小回転半径(m):5.5 ●最低地上高(mm):190

CR-Vの電動主体の走りは加速も力感も申し分なし

ハイブリッドシステムはRAV4がスプリット式、CR-Vは高速巡航用直動機構を備えたシリーズ式を採用。RAV4の4WD車はE-Fourを採用するため、総モーター出力が強化されるが、それでもCR-Vと大差ない。

排気量はRAV4の2.5Lに対して、CR-Vは2Lになるが、体感できるパワフルさはCR-Vが勝っている。RAV4がゆとりと省燃費に振った制御特性を採用しているせいもあるが、電動走行のメリットを活かしたCR-Vの加速や力感は大きな魅力だ。燃費性能ではRAV4が有利だが、走りの楽しさに関してはCR-Vが一歩リードしている。このドライブフィールの違いは選び分けの大きな決め手になるはずだ。

【勝つのはどっち?】上質な走りを重視するならばCR-Vがややリード

エコ先進感を走りから楽しむならCR-Vだ。電動の力を品よく味わわせてくれる。腰の据わった沈み込むような乗り心地はいい意味での重みが感じられ、走りのプレミアム感はRAV4に勝る。悪路踏破性ではRAV4が一枚上手であり、軸足をどこに置くかで結論も変わる。装備揃えの価格も近く、選び分けの悩ましい2車である。

ガソリン車対決

  • 【RAV4 ガソリン】

    2Lダイナミックフォースエンジンとギヤ付のダイレクトCVTが生み出す走りは、従来のトヨタの2Lクラスのモデルとは完全に別物。浅いアクセル開度でも十分な余力感を感じさせてくれる。

  • 【CR-V ガソリン】

    搭載される1.5L直噴ターボは190PS仕様の高出力型VTECターボ。ややCVTの変速頻度が多くなる傾向があるが、高回転域でのトルクや加速の伸びは、走りに楽しさをプラスしてくれる。

  • 主要諸元(アドベンチャー)●全長×全幅×全高(mm):4610×1865×1685 ●ホイールベース(mm):2690 ●車両重量(kg):1630 ●パワーユニット:1986cc直4DOHC(171PS/21.1 kg・m) ●WLTCモード総合燃費:15.2km/L ●燃料タンク容量(L):55[レギュラー] ●最小回転半径(m):5.7 ●最低地上高(mm):200

  • 主要諸元(EX4WD5人乗り仕様)●全長×全幅×全高(mm):4605×1855×1690 ●ホイールベース(mm):2660 ●車両重量(kg):1640 ●エンジン:1496CC直4DOHCターボ(190PS/ 24.5kg・m) ●JC08モード燃費:15.0km/L ●燃料タンク容量(L):57[レギュラー] ●最小回転半径(m):5.5 ●最低地上高(mm):210

走りも装備も使い勝手もその差はごく僅か

家族や友だちとアウトドアを楽しむためにSUVを選ぶユーザーにとって、本命と言えるのはガソリン車だろう。どちらもSUVの基本用途に対してバランスが良く、そのレベルも高い。

機能系のハイライトを見比べると、RAV4は運転支援機能や燃費&悪路踏破性、CR-Vは高負荷域での加速性能とキャビン容量、そして重質な乗り味で勝っている。だが、いずれもその差は僅かなもので、両モデルともクラストップレベルといっていい。

最も気になるのはパワートレーンの差。CR-Vは1.5Lながらもターボを採用し、最大トルクもRAV4を2kg・mほど上回る。高速域での加速性能や伸びを求めるユーザーは、この差を確認しておくことをオススメする。

【勝つのはどっち?】コスパ面はRAV4が優位だが実力は甲乙付け難い

両モデルとも弱点らしき弱点がないが、あえて違いを見出すならば、悪路走行が多いならばRAV4、高速長距離走行でのゆとりを重視するならCR-Vをオススメする。ちなみに同装備水準の4WD車同士を価格を比較すると、RAV4のほうが30万円ほど安い。CR-Vのほうが快適装備が充実していることもあるが、コスパではRAV4が上回る。

キャビン空間のゆとりや充実の装備内容など両モデルとも実用性能は申し分なし

  • 【RAV4】

  • 派手さは希薄だが、決して実用一辺倒ではない、トヨタらしい完成度の高いキャビン空間。ミドルサイズシャシーの強みを活かした前後シートの余裕も美点だ。

  • 最新仕様のトヨタセーフティセンスが標準装備。高速道路で強力なステアリング操作支援を行うLTAを筆頭とした国産車トップレベルの安全運転支援機能の恩恵を受けることができる。

  • 【CR-V】

  • 加飾パネルやソフトパッドを巧みに用いることで上質感を演出。ガソリン車には3列シート仕様も用意するなど、多人数乗車にも対応している。

  • ホンダセンシングは全グレードに標準設定。全車速追従型のACCやステアリング制御付きのLKASも備わるなど、強力な運転支援機能が備わっていることも見逃せない美点。

【バトル2】RAV4 vs フォレスター

最新プラットフォームへの刷新や、ガソリン車に改良型の2.5Lエンジン、ハイブリッド車にモーター付きのe-BO XER仕様を投入するなど、新世代モデルにふさわしい内容を持つ。高いレジャー&オフロード適性を持つSUVだ。

両モデルとも最新デバイスの採用で悪路をまったく苦にしない

  • 【RAV4】

    従来の4WDシステムもなかなか優秀だが、後輪側の駆動力伝達がより柔軟に制御できるトルクベクタリングAWDの採用は、新型RAV4のトピックスの一つ。

  • 【RAV4】

    砂利道でも安定した駆動力を確保し続けるなど、走破性能は相当磨き込まれた印象だ。

  • 【RAV4】

    ともに最新パワートレーンを搭載するが、フォレスターはCVTが若干古い設計であることがウイークポイント。走り味や加速性能はフォレスターが優位だが、安定感と余力感はRAV4が勝る印象だ。

キャビン&ラゲッジはゆとり十分 ユーティリティも同等以上

  • 【フォレスター】

    全グレード4WD車のみとなるフォレスター。伝統のシンメトリカルAWDに加えて、滑りやすい路面でエンジンやトランスミッション、ブレーキを統合コントロールするX-MODEの採用も心強い。

  • 【フォレスター】

    悪路適性はこのクラスの中でもトップレベル。

  • 【フォレスター】

    インプレッサ系の流れは組むものの、サイズの余力もあってキャビン空間は広々。

  • 【フォレスター】

    ラゲッジのアレンジ性も高く、シートバックもスマートに格納される。積載性の良さも見逃せない強みだ。

共に正統派レジャービークル 走りも機能も申し分なし

水平対向4気筒や縦置FFベースの4WDレイアウトなど個性的なハードウェアを採用しているフォレスター。だが走行性能やユーティリティの考え方は手堅く、その点でRAV4と真正面からぶつかるモデルである。レジャー用途向けのSUVに必要とされる多くの要素で、なかなかの好勝負となり、さらに安全&運転支援機能に関しても両モデルとも高いレベルでまとめられており、どちらを選んでも外れとはなりにくい。

ただハイブリッド車に関してはRAV4と比較すると、システムも性能も簡易型の印象が強い。ガソリン車は高負荷域の加速では排気量に勝るフォレスターに分があるが、中庸域のコントロール性と余力感はRAV4が上だ。

【勝つのはどっち?】最新メカ満載のRAV4も魅力だがコスパに優れるのはフォレスター

全体的にフォレスターは、従来路線の改良型の印象が強い。一方、RAV4は最新メカニズムを数多く採用するなど、新しい時代を感じさせてくれる。ただし、そのせいかRAV4の価格は高めで、同じようなキャラを持つアドベンチャーとXブレイクを比べると20万円の価格差がある。コスパ優先ならフォレスターが優位だ。

【バトル3】RAV4 vs エクストレイル

登場は2013年。レジャーユースを主目的としたキャラは新型RAV4とかなり近いが、最新設計が注がれたライバル勢と比べると少々分が悪いのも事実。巧みなパッケージ&ユーティリティとプロパイロットでどこまで戦えるか?

ラゲッジスペースの使い勝手は両モデルともトップレベル

  • 【エクストレイル】

    ガソリン車の一部グレードに限定されるが、3列シート仕様を選ぶことができる。ボディサイズの制約もあってサードシートはかなり手狭だが、時として多人数乗車が必要なユーザーにとっては見逃せないメリットだ。

  • 【RAV4】

    扱いやすい分割格納式のシートバックや泥汚れなどを落としやすい専用トレイ、OPでアクセサリーコンセントも設置できるなど、ラゲッジにもなかなか考えた設計が注がれる。

  • 【RAV4】

    ラゲッジの奥行きは1880mmまで拡大が可能だ。

エンジンは2Lクラスだが 動力性能はやや物足りない

  • 【エクストレイル】

    新型RAV4と同じ2Lエンジンを搭載しているが、147PS/21.1kg・mと、最高出力の伸び(新型RAV4は171PS/21.1kg・m)が及ばない。また乗り心地や騒音の透過感なども一世代前の印象を強く感じてしまう。

  • 【エクストレイル】

    泥汚れを水洗いで落とすことができる防水フロア設計やこのクラスとしてはオートリヤゲート機構をいち早く取り入れるなど、キャビン&ラゲッジユーティリティは未だに他車をリードする存在。

  • 【エクストレイル】

    リアルワールドでの使い勝手の良さは健在だ。

ユーティリティ面は互角だが走りはかなりの差がある

エクストレイルはファミリー&レジャー用途向けに最適バランスを考えたSUV。ガソリン車には3列シート仕様も設定し、ハイブリッド車も用意されている。キャビン&ラゲッジの使い勝手の良さやユーティリティ面は、依然としてトップクラスの性能だ。

ただし設計年次もあって性能面では少々物足りなさがあるのも事実。特にパワートレーンは差を感じてしまう。エンジンは同じ2Lでも走らせれるとRAV4の方がゆとりも十分。CVTも落ち着いた制御を示す。ハイブリッド車になるとその差はさらに広がり、動力性能も電動感にも差がある。

ハードウェアや走行テイストはエクストレイルの方がどうしても一世代古く感じられてしまうのだ。

【勝つのはどっち?】最新設計のRAV4とは価格差以上の性能差がある

RAV4ではラゲッジスペースがもの足りない、あるいは3列シートが必要など、ユーティリティにこだわればエクストレイルだが、それ以外のアドバンテージはない。値引き面も含め、価格はエクストレイルが圧倒的に分があるが、世代ギャップを感じる走行性能や燃費性能を、その価格差でカバーできるかは微妙だ。

【バトル4】RAV4 vs CX-5

ディーゼルを含む4つのパワートレーンに、徹底的に仕上げた足回りなど、オンロードでこそ真価を発揮するSUV。ジャンル違いとも感じられるが、新型RAV4はオンロードも優秀なだけに比較する意味は十分にあるだろう。

RAV4には不満はないがオンロード適性はCX-5が優位

  • 【CX-5】

    主力は2.5Lターボ車と2.2Lディーゼルターボ車。豊かなトルクと秀逸な足回りで意のままを高いレベルで実現している。ミドルSUVの中ではオンロード適性は1歩リードだ。GVCプラスなどの走りの質感を高める機能の積極採用も特徴のひとつ。

  • 【RAV4】

    スポーティというよりも、普段使いで扱いやすい運転感覚と特性を持つことが強み。ガソリン車もハイブリッド車も低速域からの出力特性を強化した設計で浅いアクセル開度でも余力感は十分だ。乗れば乗るほど味が出てくる印象だ。

CX-5のキャビンはミドルSUVとしては手狭

  • 【CX-5】

    前席優先のパッケージは乗り降りにも影響。

  • 【RAV4】

    RAV4は開口部も相応の広さがあり、無理な姿勢を取らなくても降りることができるが、CX-5は開口部の横幅が狭く、身体を起こして乗り降りする必要がある。

  • 【CX-5】

    マツダ車はいずれも前席優先の設計が特徴だが、ミドルSUVクラスのCX-5でもその流れは変わらない。

  • 【RAV4】

    後席は足元まわりも頭上空間も明らかに手狭。RAV4と比べてみると、その違いは明々白々だろう。

CX-5のオンロード適正は今でもトップレベル

ディーゼルターボの高速性能と燃費、安心感と扱いやすさの操安性は、CX-5の大きな強み。この長所は今も変わらない。RAV4に対する大きなアドバンテージである。ただし、RAV4が得意とするレジャー用途に関しては明らかに不向きだ。またスタイルや内装デザインはセールスポイントになるが、ここはスペシャリティとかプレミアム志向での評価だ。

ウイークポイントは後席居住性と乗り心地。キャビンスペースはRAV4と比べると一回り狭く、乗り心地も硬さが目立つ。特に後席の広さは同じミドルSUVとは思えぬほどの差がある。

悪路走破性能などを考慮しなくても、パッケージの段階でRAV4のほうがSUVらしい。

【勝つのはどっち?】得意分野がはっきりしている オフまで求めるならRAV4一択だ

キャラは対照的ながら価格は近いこの2台。動力性能やスポーティなハンドリングを重視するならCX-5がいい。オンロードに限定すれば、RAV4のハイブリッド車よりもコスパは優秀だ。一方、レジャー用途まで含めて考えると、オフロード適性のみならず、CX-5は苦手とする部分が多い。全方位に優れるRAV4が圧勝することになる。

【バトル5】RAV4 vs ハリアー

長年トヨタ車を乗り続けているユーザーにとっては、キャラが異なることは承知の上でも、同じミドルSUVにカテゴライズされるハリアーとの違いは気になるはずだ。車格は明らかにハリアーが上だが、クルマの実力もそうだろうか?

設計&装備を比べるとハリアーの古さが良く分かる

  • 【ハリアー】

    キャビンの贅沢な仕立てはハリアーの大きな武器。上級感の追求に関してはRAV4は完全に負けている。特に本革仕様が選べるグレードは、輸入車SUVに迫るラグジュアリー空間を楽しませてくれるだろう。

  • 【RAV4】

    RAV4に搭載される第二世代型のトヨタセーフティセンスは、機能の追加に加えて、障害物の検知能力も向上している。第一世代型とはリアルワールドの実効性能で大きなアドバンテージを持っている。

  • 【RAV4】

    TNGA技術を基とした最新のGA-Kプラットフォームを採用。ボディ構造も環状骨格構造や構造用接着剤を多用するなど、より強固なボディを手に入れている。

  • 【ハリアー】

    マイナーチェンジ時に一部グレードにはパフォーマンスダンパーを装着し、ボディ剛性の向上が図られているが、ボディ&シャシーは1世代前の設計。多くのライバル勢に比べると古さは否めない。

  • 【ハリアー】

    ハリアーに装着される安全運転支援機能は、第一世代型のトヨタセーフティセンス。第二世代型と比べるとやや見劣りしてしまう。またLTAなどの運転支援機能も未装着だ。

トヨタSUVの人気モデル C-HRとの違いは?

C-HRはSUVとはいえ、その本質はスペシャリティカーに近い。キャビン設計は4名乗車を基本としており、悪路対応も一般乗用車プラスα程度。ターボ車はスポーティなドライブフィールを持つなど、走りはSUVとしては上位にくるだが、レジャー用途への対応力はRAV4と比べるまでもない。車格違いのみならず用途において、RAV4のライバルにはなりえない存在だ。

トヨタのミドルSUVは世代交代の真っ最中

ハリアーの次期モデルはRAV4の姉妹車となる可能性が高く、現行型同士を比較すると、文字通り新旧対決となってしまう。ハリアーのアドバンテージは如何にも「高級」と思える内装加飾や、SUVを感じさせないフロントマスク。これらはプレミアムワゴンとしてSUVを選択するユーザーにはとても魅力的だが、レジャー用途向けに選ぶユーザーにとっては訴求ポイントにならない。しかも、快適性と安心感のバランスや操りやすさなどの走りの質はRAV4が勝っている。

安全&運転支援機能もハリアーは1世代前のシステムになるなど、ここでも新旧の差は歴然だ。クルマとしての完成度で比べると、ハリアーは少々辛い。

【勝つのはどっち?】ハリアーは1世代前のSUV RAV4と比較するのは少々酷だ

2L/NA車の同装備グレード同士で比較をするとほぼ同等の価格。プレミアム志向のハリアーが買い得のように思えるが、動力性能も燃費も乗り心地もRAV4が勝っている。これはハイブリッド車でも同じ。走行性能でハリアーのアドバンテージはターボ車をラインナップするくらいだ。プレミアムにこだわるなら、ハリアーは次期モデルを待ちたい。

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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