新型車比較・ライバル車対決
更新日:2019.03.05 / 掲載日:2019.03.05

注目NEWモデル先取り対決【4】スープラvsGT-RvsNSX

遂にこの春、日本で復活、発売となっている新型スープラ。キャラは違えど、国産3ブランドのフラッグシップスポーツが国内ラインナップに復活することとなる。超先取りで仮想比較してみよう!

●文:山本シンヤ●写真:奥隅圭之/佐藤正巳/澤田和久

春頃登場 TOYOTA スープラ

icon TOYOTA スープラ

●発売日:19年春頃

■主要諸元 (スープラ RZ)
●全長×全幅×全高:4380×1865×1295mm(社内測定値)●ホイールベース:2470mm ●車両重量:1520kg(社内測定値) ●駆動方式:FR ●乗車定員:2名 ●パワートレーン:2998cc 直6DOHCツインスクロールターボ ●トランスミッション:8AT ●エンジン最高出力:340PS/5000-6500rpm ●エンジン最大トルク:51.0kg・m/1600-4500rpm ●JC08モード燃費:ー ●タイヤサイズ:前255/35R19、後275/35R19

ライバル2社のトップスポーツ

icon NISSAN GT-R

●発表(最新改良):07年10月24日(17年11月16日) ●価格:1023万840~1396万9800円

■主要諸元(GT-R トラックエディション エンジニアードbyニスモ)
●全長×全幅×全高:4710×1895×1370mm ●ホイールベース:2780mm ●車両重量:1760kg ●駆動方式:4WD ●乗車定員:4名 ●パワートレーン:3799cc V6DOHCツインターボ ●トランスミッション:6AT(デュアルクラッチ) ●エンジン最高出力:570PS/6800rpm ●エンジン最大トルク:65.0kg・m/3300-5800rpm ●JC08モード燃費:8.8km/L●タイヤサイズ:前255/40R20、後285/35R20

icon HONDA NSX

●発表(最新改良):16年8月25日(18年10月25日) ●価格:2370万円

■主要諸元 (NSX 標準仕様)
●全長×全幅×全高:4490×1940×1215mm(社内測定値)●ホイールベース:2630mm ●車両重量:1800kg(カーボンセラミックブレーキローター装着車は1780) ●駆動方式:4WD ●乗車定員:2名 ●パワートレーン:3492cc V6DOHCツインターボ+3モーター ●トランスミッション:9AT(デュアルクラッチ) ●エンジン最高出力:507PS/6500-7500rpm ●エンジン最大トルク:56.1kg・m/2000-6000rpm ●モーター最高出力:前(一基当り)27kW/4000rpm、後35kW/3000rpm ●モーター最大トルク:前(一基当り)73N・m/0-2000rpm、後148N・m/500-2000rpm ●JC08モード燃費:12.4km/L ●タイヤサイズ:前245/35R19、後305/30R20

作り手の「想い」や「考え方」の違いが面白い

 1月のデトロイトショーでの世界初披露に続き、2月9~11日に開催された大阪オートメッセでは右ハンドルの日本仕様とTRDの手による世界初のカスタムモデルも公開された新型スープラ。
 ライバル2社のGT-R/NSXと比べると、スープラはミドルクラスのピュアスポーツ、GT-R/NSXはスーパースポーツと、同じスポーツカーながらジャンルも価格帯も全く異なるため純粋に比較はできない。そこで、ここでは各メーカーのフラッグシップスポーツに対する想いを中心に見て行くことにしよう。
 17年ぶりに復活となるスープラはBMWと共同開発されて生まれたモデルである。これは2013年1月にトヨタとBMWグループが協業に関する正式契約を締結した事が発端となっている。
 兄弟車BMW Z4と基本コンポーネントを共用するも、Z4とは別のスープラ開発チームが担当。走りの味付けはTME(トヨタ・モーター・ヨーロッパ)所属のベルギー人、ヘルヴィッヒ・ダーネンス氏がBMWに駐在して実施したと言う。ちなみにBMW側からは「Z4はこうだからスープラはこうしなさい」といった指示は1度もなかったそうだ。
 このようにして生まれたスープラ、プロトタイプに試乗した印象は鋭い回頭性やロードホールディング性の高さ、スタビリティの高さなど新時代のスポーツカーを感じた一方で、「重さを感じさせないドライバーの意志に忠実な挙動」や「Gの繋がりの良さ」、「最後まで裏切らない安心感」、「基本は安定方向だがドライバーの意志でコントロールできる自在性」といった「トヨタの味」も継承されていたことを実感できた。
 GT-Rはスペックはともかく、開発/生産に関してはスープラの対極だ。他のスーパースポーツのような専用ファクトリーでの手作りではなく、日産の栃木工場の量産ラインで他のモデルと一緒に生産。量産技術の精度の高さ、そして”ニッポンの物作り“の強さを高くアピールしている点がポイント。
 NSXも自社生産にこだわるが、GT-Rとの違いは、車体開発とクルマ全体のマネージメント、そして生産はアメリカ、パワートレーンやスポーツハイブリッドSH-AWDなどの複雑なメカニズム開発は日本と、ワールドワイドな「オールホンダでの物作り」で勝負。ただし、現在はその流れが変わり、2019モデルの開発から日本側が担当している。
 このように同じ日本製スポーツカーであっても作り手の想いや考え方はもちろん、形にする手段は全く異なる、だから面白い!

エクステリア

それぞれのキャラクターの違いがスタイリングの差として出る

スープラは曲線を用いたマッスルなボディデザインが特徴。全長、全幅は3車中一番コンパクトで、とくにホイールベースは格段に短い。走りを楽しむための、新世代ピュアスポーツカーなのだ。

その名の通り、グランドツーリングを楽々こなすGT-Rはどっしりとした造り。ホンダ最先端のハイブリッドシステム、SH-AWDを積むNSXはスーパーカーらしさに近未来感を加えたデザイン。

走り

「トヨタの味」が感じられるスープラ、大人なGT-Rに“最新デバイス”のNSX

鋭い回頭性やロードホールディングの高さが特徴。ホイールベースとトレッドをスポーツカーの黄金比、1.6とするなど「走り」を追求したモデルだ。ボディ剛性はカーボンボディのLFAをも超えるという。

初登場から10年以上、熟成されたGT-R。ザ・レーシングカーといった走りだったが大人の穏やかさを手に入れた。NSXは複雑な機構による予期せぬ動きにドキッとする場面もあったが、最新改良で一体感を高めた。

パワーユニット

操る楽しさを味わえるのはスープラ 他2車の実力を出しきるのはなかなか……

GT-RとNSXはエンジン最高出力500PS超えのモンスター。スープラは最上級グレードで340PS。直4も用意、価格は500~700万円台(本誌予想)。手の届くスポーツカーだ(高いけど)

もっとも「メカメカしい」エンジンルームなのがGT-R。3.8LのV6でトランスアクスルを車体後部に配置。NSXはリチウムイオンバッテリーの後方にエンジンを置き、前2、後1のモーターを組み合わせる複雑なもの。

インテリア

プレミアム性ではGT-Rがトップ スープラも上質さは感じられる

コックピット感の強いタイト目の座席。BMWのエッセンスが随所に感じられるなど、シンプルな中にも上質感は感じられる。ダブルバブルルーフ採用で頭上空間にも余裕はある。

ナッパレザー(1枚革!)インパネも用意するGT-R。4人乗れ、ゴルフバッグを積めるのも強み。NSXは価格からすると、高級感や利便・快適装備が少ない点が少し残念。

フラッグシップスポーツ対決<結論>

どのキャラにグッと くるか、好みで選ぼう

スープラは直列6気筒のFR駆動という伝統的スポーツカーの現代的解釈、GT-Rは理詰めで開発されたマルチパフォーマンススーパーカー、そしてNSXは電動化技術を盛り込んだ次世代スーパースポーツの具体化である。恐らく比較して買おうという人はいないと思うが、共通しているのは各メーカーの考え方が凝縮されているいう点だろう。スポーツカーは八方美人である必要はなく、好き嫌いが出て当然。迷わず直感的にグッと来たモデルを選んで欲しい。

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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