新型車比較・ライバル車対決
更新日:2019.01.08 / 掲載日:2019.01.08
クラウン:乗り替え比較&ヒストリー図鑑
デビュー以来、人気モデルであり続ける現行新車をピックアップ。歴代ミニアルバムや新旧比較などで多角的に紹介する。
※価格はすべて月刊自家用車2019年2月号編集時点のものです。
※「買取相場」は編集部調べによるおおよその目安です。また、発売直後の新車や旧車など、一般に流通していないため買取相場が存在しない車種は「不明」と表記しています。
【新車ガイド】TOYOTA クラウン

発表年月:2018年6月/最新改良:未実施
●価格:460万6200~718万6400円
TNGA&コネクティッドの15代目はスポーティ路線に
先代までクラウンはロイヤル系/アスリート系/マジェスタ系の3系統構成で、カタログも別仕立てだったが、現行モデルは3系統を統合している。パワートレーン展開は4気筒の2.5Lハイブリッドと2Lターボ、V6の3.5Lハイブリッドとなる。グレード面は従来の3系統を合わせた設定のためRS系がアスリート系相応。ただし、従来はマジェスタとして展開されていたV6ハイブリッド車も高性能志向だ。嗜好的にはアスリート系に集約したと考えたほうが妥当だろう。
端正な3BOXフォルムからファストバック風デザインとした外観は一見すると前席優先の設計に見えるが、後席レッグスペースやヘッドルーム、開放感など居住性の要点になる部分は従来車と同等もしくはそれ以上。見た目の印象は別として実用性はリピートユーザー向けを意識した設計である。
走行性能は前記したようにアスリートの後継としてはかなり満足度が高い。高速コーナーでの安定感とコントロール性のよさは現行車の見所のひとつであり、AVS採用の専用サスチューンを施したRS系は歴代クラウンでも高速ツアラーとして最も優れたフットワークを示す。半面、標準サス仕様でも路面の当たり感は強めであり、快適性重視のゆったりとした乗り味を求めると厳しい。

TNGAを採用してフルモデルチェンジ。従来のロイヤル/マジェスタといったラグジュアリー系のデザインは廃止し、アスリートを継ぐスポーツ系のみに。

高級セダンらしさを維持しつつ、中央のツインモニターなどで先進感をプラス。内外装のデザインはスポーツ系だが、室内空間はしっかり確保されている。

常時ネット接続されるコネクティッドカーであり、故障等の遠隔監視や緊急コールといった実用部分に加え、愛車との会話といったエンタメ要素も盛り込まれる。
【ヒストリー】Since 1955 — 64 Years
伝統&格式No.1の“ザ・国産車”
国産車で最も長い車史を持つモデル。初代の登場は1955年まで遡り、現行モデルは15代目に当たる。セダンらしい端正な佇まいや優れた快適性を特徴とし、VIPカーの印象も強かった。転換となったのは12代目となる通称「ゼロクラウン」。高速操安性を軸脚としたシャシー設計によりオーナードライバーカーの側面を大幅に強化。また、エンジンも直6からV6に変更された。13代目からは高性能型V6ハイブリッド車をラインナップ。14代目ではFRの3L車を4気筒2.5Lハイブリッドに、アスリート系2.5Lを4気筒2Lターボ、ロイヤル系/3LのV6を4気筒の2Lターボに代替してエコ性能を強化している。
歴代ミニアルバム
初代/1955

買取相場:不明
RS型。日本初の本格量産乗用車として誕生。搭載エンジンは1.5Lと1.9Lの直4OHVで、乗用車専用シャシーや前輪ダブルウィッシュボーンサスペンションなど、世界基準のメカニズムを採用。美しい曲線ボディに採用された観音開きドアは、日本髪の女性の乗降に配慮したものだった。
2代目/1962

買取相場:不明
RS40系。X型フレームや4灯式ヘッドランプを採用。’63年に2速の「トヨグライド」を全自動AT化、’64年に日本初のV8搭載車を追加。
3代目/1967

買取相場:不明
MS50系。ペリメーターフレームやディスクブレーキを採用。パワーウィンドウやパワステも。’68年に2ドアハードトップを追加。
4代目/1971

買取相場:不明
MS60系。車名がトヨペットクラウンからトヨタクラウンに。スピンドルシェイプのボディにEFIなどの最新技術を投入していた。
5代目/1974

買取相場:不明
MS80系。4ドアピラードハードトップが登場。OD付き4速ATを採用、上級グレードには車速感応型パワステや後席パワーシートも。
6代目/1979

買取相場:不明
MS110系。2.8L直6SOHCをラインナップ。クルーズ・コンピューターや前席パワーシートを設定し、’80年に同社初のターボ車を追加。
7代目/1983

買取相場:不明
MS120系。ABS標準装備グレードを設定。’85年、日本初のスーパーチャージャー搭載車を追加。コピーは「いつかはクラウン」。
8代目/1987

買取相場:不明
MS130系。エレクトロマルチビジョンや電制エアサス、日本初のトラクションコントロールを設定。’89年、4LV8搭載車が登場。
9代目/1991

買取相場:不明
JZS140系。3L直6エンジンを搭載。一部グレードに同社初の5速AT(5ECT-i)を採用。この代でクラウンマジェスタも誕生した。
10代目/1995

買取相場:不明
JZS150系。ロイヤルシリーズにフルモノコックボディを採用。VVT-i(可変バルタイ)や日本初のVSC(横滑り防止)も。
11代目/1999

買取相場:不明
JZS170系。アスリートシリーズを加え、3L直噴の「D-4」エンジンを搭載。’01年に世界初のマイルドハイブリッド仕様が登場。
12代目/2003

買取相場:10万円~
GRS180系、「ゼロクラウン」。3LV6を搭載し、シーケンシャルシフトマチック(6速AT)を採用。プリクラッシュ安全機能も。
13代目/2008

買取相場:50万円~
GWS200系/GRS200系。3.5LV6ハイブリッドを搭載。VDIM(統合車両姿勢安定制御システム)やACC(追従クルコン)も。
14代目/2012

買取相場:150万円~
AWS210系/GWS210系。2.5L直4ハイブリッドを搭載。AHS(走行支援道路システム)やソナーなど、さらに電脳化を進めた。
15代目/2018

買取相場:350万円~
AZSH20系/GWS224系/ARS220系。TNGAを採用。外観を統一し、DCMや第2世代のトヨタセーフティセンスを搭載。
【比較検討】先代から乗り替える価値アリ?
全面進化&グレードアップ。ただしロイヤルの後継が…
従来のアスリート系からの乗り換えならかなり高い満足感は得られそうだ。もちろん、走りの質感、安全&運転支援機能やその他装備のグレードアップもある。スポーティの流れならRS系が狙い目だが、ハードに攻め込むタイプでなければ標準系サスでいい。コスパなら2Lターボ車がいい。ロイヤル系は標準サス車限定で、質感や装備狙いなら乗り替えも悪くない。勧められないのはマジェスタからの乗り替え。クルマのキャラが違いすぎる。
【結論】アスリート派なら大満足
現行モデル

先代モデル


提供元:月刊自家用車