新型車比較・ライバル車対決
更新日:2019.01.08 / 掲載日:2019.01.08
新型プリウス:乗り替え比較&ヒストリー図鑑
デビュー以来、人気モデルであり続ける現行新車をピックアップ。歴代ミニアルバムや新旧比較/ライバル比較で多角的に紹介する。
※価格はすべて月刊自家用車2019年2月号編集時点のものです。
※「買取相場」は編集部調べによるおおよその目安です。また、発売直後の新車や旧車など、一般に流通していないため買取相場が存在しない車種は「不明」と表記しています。
【新車ガイド】TOYOTA プリウス

発表年月:2015年12月/最新改良:’18年12月
●価格:251万8560~347万8680円
最新改良で装備をアップデート、PHVモデル寄りのデザインに
デザインとプロポーションは一目でプリウスを実感させる涙滴型。ボディ後半を絞り込む涙滴型のスタイルは後席のヘッドルームや荷室容量などのユーティリティ面では非効率であり、同クラスのセダンやワゴンと比較すると実用性では劣っている。低空気抵抗を追求しながら、コンパクトセダン並みの実用性を実現したのが特徴で、2代目から採用されたプリウスのアイデンティティだ。
プラットフォームにはトヨタの新世代設計思想TNGAで開発されたGA‐Cを採用。同プラットフォームの皮切りとなり、高速操安性と乗り心地が向上。サスチューンはやや高速寄りだが、スポーティというほどではなく、ウェルバランスでまとめられている。
パワートレーンには1.8Lを核としたTHS IIを採用。基本的にはC‐HRやヴォクシー系と共通したタイプだ。動力分割機構を用いたスプリット式はシリーズ式とパラレル式の両特徴を備えるが、燃費面では低中速域を得意とする。また、歴代プリウスでは最も高速性能に優れている。
安全・運転支援装備は従来のセーフティセンスP相応をA以上に標準装着し、BSM等もOP設定されている。カローラ スポーツに採用されている物と比較すると一世代前になるのだが、2L級ではトップレベルといっていい。

賛否のあったエクステリアデザインを一新し、装備を向上。DCM(専用通信機)を標準搭載し、クラウン、カローラスポーツに続き、トヨタが推進するコネクティッドカーとなった。

ハイブリッド車らしい先進感のある室内は基本的に改良前を踏襲。落ち着きや上質感の向上を狙い、新たにインパネやフロントコンソールトレイにブラック加飾を施している。

全車に標準装備化された衝突回避支援パッケージの「トヨタセーフティセンス」は、左右後方の接近車両を感知するRCTA(リヤクロストラフィックアラート)を追加した。
【ヒストリー】Since 1997 — 27 Years
HVを世界に広めた現役名車
初代プリウスがなければ、こうも早く電動化が進むことはなかったと断言してもいいだろう。当時は2次電池が200回くらいの満充放電サイクルで劣化する時代である。量産ハイブリッド車は常識外と言ってもよかった。2代目からは効率向上を主としながら実用性や走行性能の改善を図っていく。ハイブリッド車が普及してからはエコ技術の尖兵がコンセプトとなってきたが、以前のような技術的革新性はなくなっている。先代ではハイブリッド普及のための技術開発を主眼としていたが、それも一段落している。現行モデルは、どちらかと言えばエコ技術のイメージリーダー的な立ち位置となっている。
歴代ミニアルバム
初代/1997

買取相場:不明
5ナンバーセダンボディにTHS(トヨタ・ハイブリッド・システム)を搭載し、「21世紀に間に合いました」のコピーとともに発売。後のHV隆盛の礎となった。
2代目/2003

買取相場:10万円~
初代から一転、3ナンバーハッチバックボディに。今に続くTHS IIを搭載、2次電池は初代に続きニッケル水素。モーターだけで走行するEVモードを備え、市場でも大ヒット。
3代目/2009

買取相場:30万円~
ヒットした2代目の路線を踏襲。エンジンを1.5→1.8Lとし、リダクション機能付THS IIを採用。ソーラーパネル装着車も設定した。この世代でプリウスαやプリウスPHVも派生。
4代目(前期)/2015

買取相場:100万円~
TNGA(トヨタ・グローバル・アーキテクチャー)採用の1号車として全面刷新。一部のグレードを除き、リチウムイオン電池を搭載。電動4WDの「E-Four」も設定された。
4代目(後期)/2018

買取相場:不明
’18年11月に世界初公開されたばかりのマイナーチェンジ版。改良の目玉はエクステリアデザインだが、安全・運転支援システムの充実やインテリアの小変更も実施されている。
【バリエーション】プリウスPHV

現行/2017
4代目プリウスに続き、PHVもTNGA採用の2代目に。初代PHVは標準プリウスと同様の外観だったが、2代目はデザインも差別化。
【比較検討】最新改良版は乗り替える価値アリ?
デザインを一新したことで印象は大きく変わったが…
試乗してみないと判断しかねる部分もあるが、スペックを見る限り「微妙」。DCMを全車に標準装着し、車載IT機能の充実を図っているが、圧倒的利便性というほどでもなく、また評価の個人差も大きい。安全&運転支援装備面はセーフティセンスを全車標準としているが、機能的には変わっていない。見所はRCTAを新設定したくらいだ。買い替えの要点は大きく変わった外観。従来車のデザインを気に入っているなら換える必要はない。
【結論】見た目ほどの変化なし
現行モデル

従来モデル


提供元:月刊自家用車