新型車比較・ライバル車対決
更新日:2018.11.22 / 掲載日:2018.01.29
新型アル/ヴェル直4vs上級Mサイズミニバン~その4~
ユーザーの関心が目に見えて高まっているのが緊急自動ブレーキ、ACC(追従クルコン)、LKA(車線維持支援)などの先進機能だ。安全と快適に関わるシステムを比較してみよう。
アル/ヴェルは標準装備が充実、ヴォク/ノアは刷新が望まれる
緊急自動制動を核とした衝突回避では、作動速度域と歩行者や自転車への対応、運転支援ではACCが停車までカバーするか、LKAが半自動操舵型であるかがポイント。すべて揃えば今のところ先進的とされるが、標準化が進む機能だけに、現在のクルマ選びでは欠かせない要素だ。同装備を全車に標準採用したのは新型アル/ヴェルの大きな強味であり、最廉価となる2.5LのXが以前に比べて魅力的になったのも、安全&運転支援機能の充実による。
2L級は、CMではセレナが一歩リードした印象だが、ステップワゴンも同等。ACCや半自動操舵型LKAが標準で、ハイブリッド車のみ、ACCが全車速型となる。一方、ヴォク/ノアは一歩遅れの感が強い。
TOYOTA 新型アルファード/ヴェルファイア【直4】
操舵支援が全車標準に
目玉はトヨタ初となる操舵支援機能。上級車だけあって全グレードに標準設定となるため、安価な直4車にとって恩恵が大きい。ナビレスが標準で、周辺モニター類は60万円オーバーのメーカーOPナビとセット装着だ。
TOYOTA ヴォクシーハイブリッド/ノアハイブリッド
ライバルよりひと世代前のシステムと言わざるを得ない
2L級の定番モデルながら安全&運転支援装備では完全に出遅れてしまった。AEBSで回避可能な緊急自動制動の作動上限速度は80km/h。歩行者や自転車は未対応である。さらに前後進対応のペダル踏み間違い事故抑制機構は標準装着されるもののACCの設定はなく、車線維持支援はは車線逸脱警報のみとなっている。ヴォク/ノアに限らず、「セーフティセンスC」では時代遅れの感は否めない。
対アル/ヴェル直4満足度=50%
レーザーレーダーと単眼カメラを備えるが、歩行者検知などの最新機能はない。
NISSAN セレナ【ハイブリッド車】
オプションの「プロパイロット」で充実した装備が得られる
自慢の「プロパイロット」は上級グレード限定のOPだが、ACCは停止・発進までサポートする全車速型、LKAは半自動操舵型を採用。AEBS(先進緊急ブレーキシステム)は歩行者対応型が標準装着され、作動速度の上限は対車両で80km/hとなる。このほかOPで進入禁止標識検知やふらつき警報、前後進対応の踏み間違い事故抑制機構、運転支援ではAVM(アラウンドビューモニター)や自動操舵機能を備えた駐車支援システムも用意される。プロパイロットが装着可能なグレードでは充実した安全&運転支援装備が揃う。
対アル/ヴェル直4満足度=90%
セレナ最大の売りとも言えるプロパイロット。自動運転を謳うが、内容は全車速ACCと車線維持の操舵支援を組み合わせたものだ。
単眼カメラを備えており、自動ブレーキは歩行者に対しても作動する。
HONDA ステップワゴンスパーダハイブリッド
先進装備は機能/標準装着率ともに国産車トップクラス
AEBSは歩行者にも対応し、歩行者に対しては操舵アシストによる回避支援も行う。ACCは全車に採用され、ハイブリッド車は全車速型。LKAは半自動操舵型を採用する。また、標識認識は制限速度/進入禁止/一時停止/追い越し禁止に対応。これらをまとめたホンダセンシングが全車に標準装着される。死角感知のBSMや後方監視のRCTAはないが、機能と標準装着率は国産車のトップクラスだ。
対アル/ヴェル直4満足度=95%
車線や前走車を検知して、操舵をアシスト。車線維持走行が可能だ。
操舵アシストは緊急時にも作動し、歩行者との衝突を回避する。
提供元:月刊自家用車