新型車比較・ライバル車対決
更新日:2018.09.20 / 掲載日:2018.01.29
新型アル/ヴェル直4vs上級Mサイズミニバン~その3~
Mサイズは1.5Lターボや1.8Lを含む2L級が基本で、上級グレードはいずれもハイブリッド。対するアル/ヴェルの2.5Lは前モデルから変更なし。その走りの違いとは?
性能は本格ハイブリッド有利。アル/ヴェルは安定感あり
アル/ヴェルが搭載する2.5Lは2L級と比較すると2割以上大きな最大トルクを発生するが、車重は250~300kg重い見当。トルクウエイトレシオを比較すると通常2Lに対して多少有利なものの、本格ハイブリッドを搭載して実用動力性能を向上させた上級モデル対比では甘めに見て同等である。
ただし、重い車重に大トルクだと、乗車人数や積載重量に対する走行性能の振れ幅が小さくなるのが長所。これは動力性能だけでなく、操安性や乗り心地に関しても同様であり、2L級と比較すると、少人数で運転している時も多人数の時も同じような感覚で運転できるわけだ。また、ロングホイールベースにより外乱の影響を受けにくいのも長距離走行では長所。
TOYOTA 新型アルファード/ヴェルファイア【直4】
メカニズムやスペックに変更なし
MC前後でスペックの変化はないが、昨今の傾向ではCVTの変速特性を変更している可能性も高い。回転変化少ない変速設定ならば上級クラスらしい余力感も高まっているだろうし、車体の改良と合わせて走りの車格感では従来以上と考えるのが妥当である。

■2.5L直4(182PS/24.5kg・m)■JC08モード燃費:11.6~12.4km/L ※写真は前モデル(左=3.5L、右=2.5L)
TOYOTA ヴォクシーハイブリッド/ノアハイブリッド
対アル/ヴェル直4満足度=95%

■1.8L直4+モーター(99PS/14.5kg・m+82PS/21.1kg・m)■JC08モード燃費:23.8km/L
NISSAN セレナ【ハイブリッド車】
モーター駆動は発進補助程度。走りはガソリン車と同等だ
ハイブリッドに分類されているが、アイドリングストップの拡張型ともいえ、電動駆動は発進時の補助に限定。走行中は2Lガソリン車そのもの。CVTならではの早めの変速で動力性能を稼いでいるが、加速や速度上昇でエンジン回転数が上昇しやすいのが難点。運転しやすさではまずまず高く評価できるものの、落ち着いたドライブフィールや余力感など走りの車格感を求めると厳しい。
対アル/ヴェル直4満足度=90%

2L直4+モーター(150PS/20.4kg・m+2.6PS/4.9kg・m)■JC08モード燃費:15.0~17.2km/L
HONDA ステップワゴンスパーダハイブリッド
モーター駆動の長所を活かし、2.5Lに遜色ない走りを示す
高速巡航時以外はモーターによって駆動。応答遅れのない反応など、電気モーターの長所を活かした加速性能が2L級を超えるゆとりを感じさせる。また、シリーズ式ながら加速と連携したエンジン回転数制御により、ガソリン車からの乗り換えでも比較的違和感が小さい。高速巡航ではエンジン出力を機械的に駆動輪に伝える直動機構が作動。安定したエンジン回転数もあって余力感と優れた速度コントロール性を示す。しなやかなフットワークと相まって、ファミリー&レジャー用途で高い適応能力を持つ走りである。
対アル/ヴェル直4満足度=105%

■2L直4+モーター(145PS/17.8kg・m+184PS/32.1kg・m)■JC08モード燃費:25.0km/L
2モーターの「i-MMD」。EV/ハイブリッド/エンジンの3つのドライブモードを用意。
車体振動を収束させるパフォーマンスダンパーを、最上位グレードのみに装備。
提供元:月刊自家用車