新型車比較・ライバル車対決
更新日:2018.11.27 / 掲載日:2017.12.01

ランドクルーザー vs ランドクルーザープラド

  • ランドクルーザー

    TOYOTA ランドクルーザー

    ●価格帯:472万8240円~683万6400円
    ●販売店:トヨタ店(大阪はトヨペット店)

  • ランドクルーザープラド

    TOYOTA ランドクルーザープラド

    ●価格帯:353万8080~536万3280円
    ●販売店:トヨタ店(大阪はトヨペット店)

どちらも本格派オフローダー、日頃の利便性が最大の違い

 本格オフローダーの特徴は卓越した悪路踏破性にあるが、ただ悪路を踏破できればいいというものではない。例えば、フレーム式シャシーも車体に捩るような力が長々と掛かることもあるオフロード走行の繰り返しに耐えるため。さらに一輪で全駆動トルクを伝える状況に応じて前後デフも大容量になる。踏破性とタフネスがあってこそのオフローダーなのだ。
 プラドとランクル(200系)はともに本格オフローダーの条件をすべて備える。同需要の定番車種なのも当然である。車格は1クラス、ランクルが上。ランクルは本格オフローダーの頂点車種であり、その血統でダウンサイジングしたのがプラドと考えてもいいだろう。
 全長5m弱×全幅2m弱、排気量4.6L・V8搭載のランクル。同4.8m強×1.9m弱で2.7L・直4(ガソリン)のプラド。すべてがサイズダウンしている。なお、ランクルはガソリン車のみの設定だが、プラドには2.8Lディーゼルも用意されておりこちらが今は主力となっている。
 極限踏破性でもランクルは頂点モデルだが、その性能をドライバーの技量に関係なく引き出すための運転支援機能も特徴である。4WDは路面状況に応じてデフの差動制限やトルク配分を制御するマルチテレインセレクト。激しいモーグル路やスタックからの後退脱出時の加減速制御を自動化したクロールコントロール。足元確認のマルチテレインモニターや前方カメラ映像から車体下路面状況を映し出すアンダーフロアモニター。特別な運転技量なしで安全に踏破するための装備満載である。
 そういった運転支援装備はランクルから始まるが、プラドにも順次採用され、現行車ではほぼ同様の装備が設定されている。
 大排気量エンジンも大きな車体も踏破性向上で有利だが、ランクルほど大きくなると日常用途で不便。価格も高く、燃費も厳しい。アウトドア趣味が高じて本格オフローダーを求めるにしても相当な覚悟が必要である。
 そこでランクルの短所をカバーできる選択として浮かび上がるのがプラドなのだが、短所が減少しても解消はしない。同じようなハンデは抱えてしまう。多少は違ってもハンデ覚悟でランクルに行くか、現実的なバランス感覚にこだわってプラドを選ぶか。何となく選ぶタイプのクルマではないだけに悩ましい問題である。

【CHECK! 走行性能その1】 オフロード対決 ~ガチで悪路に挑むなら?~

性能的にはプラドでも十分。ランクルならさらに安心

 プラドで踏破難しい状況はランクルでも厳しいのだが、安心感はランクルが勝る。同じ幅の同じ高さのギャップでもトレッドが広いほど傾きは小さくなる。わずかな違いなので車体サイズの先入観があるのも否定できないが、そういった信頼感もランクルである。もっとも、プラドで恐いと思うような状況はアマチュア向けではない。林道ドライブなど一般性の高い状況では多くの場合、踏破性より車体サイズのハンデが大きい。すれ違い等の数センチの違いが気になるような状況は街中の取り回し以上にサイズ差が影響する。

ランドクルーザー

両車ともに剛性に優れた強靭なラダーフレームを採用している(写真はランクル)。

  • ランドクルーザー

    左写真=ランドクルーザー/右写真=ランドクルーザープラド

  • ランドクルーザープラド

    両車とも写真のような過酷な場面でも抜群の走破性を提供するが、ランドクルーザーはより安心感が高い。ただし、日本での使用ならプラドでも十分。

ランクルシリーズ共通搭載! 自慢のオフロード技術

【マルチテレインセレクト】
オフロード走行時、トラクションやブレーキを最適に制御して4WD性能をより高める。路面状況に応じ、各モードを選択すると、ブレーキ油圧制御に自動的に切り替わり、駆動力を4輪に最適に分配。特に凹凸の激しいオフロードや滑りやすい路面の走破性を向上させる。

  • ランドクルーザー

    モードセレクタースイッチは大型で使いやすい(写真はランクル)。

  • ランドクルーザー

    モード選択はメーター内画面に表示される(写真はランクル)。

【マルチテレインモニター】
車両周囲の状況確認を4つのカメラでサポート。アンダーフロアービューをはじめ、車体の傾きにあわせてフロントビューを回転表示、水平~傾斜を直感的に確認できるなど、オフロード走行の安全性を高め、落輪などを防ぐ優れもの。360°俯瞰機能も両車備える(写真はプラド)。

【CHECK! 走行性能その1(オフ)】 判定=ランドクルーザーが「買い!」

【CHECK! 走行性能その2】 オンロード対決 ~一般道や高速で快適なのは?~

オンロードも独自の世界観。燃費も考えればプラドが◎

 車軸周りの緩さやもっさりとしたパワーフィール。最近のプレミアムカーの走りのテイストと逆側にあるのがランクルの走りだ。この鷹揚さが魅力でもある。プラドはちょっと引き締まった感じで、ちょっと忙しい印象も受けるが、一般的乗用車から乗り換えた時の馴染みは多少いい。また、高速域での余力はガソリン車比較では車格相応だが、プラドもディーゼル車ならランクルに勝るとも劣らない。浅い踏み込みに対する加速反応もよく、高速巡航ではランクルより扱いやすいくらい。燃費のアドバンテージもかなり大きい。

  • ランドクルーザー

    ランドクルーザー

  • ランドクルーザープラド

    ランドクルーザープラド

  • ランドクルーザー

    ランドクルーザー/アジア仕様のレクサスLS(先代)にも搭載されている4.6L・V8エンジン。静粛性も高く、ランクルのプレミアム性を高める要となっている。

  • ランドクルーザープラド

    ランドクルーザープラド/’15年に発表された最新のクリーンディーゼルを搭載。わずか1600回転で最大トルクの45.9kg・mを発生するパワフルなエンジンだ。

【CHECK! 走行性能その2(オン)】 判定=ランドクルーザープラドが「買い!」

【CHECK! 使い勝手】 2~3列目&荷室対決 ~サイズ差の影響は?~

居住性も豪華さもランクル勝利。ただしプラドも必要にして十分

 フロントとセカンドシートの居住性で差になるのはカップルディスタンス。セカンド2人掛けでも中央の空間はランクルが一回り大きく、シートもゆったりしている。ランクルのサードシートは大人が座るにも不足ないレッグスペースを備えるが、プラドは左右独立設計だが、スペースも造りも補助席的。なお、ランクルのサードシートは3人掛けであり、3列仕様車の乗車定員はプラドより1名多い8名である。寛ぎの演出も最大積載もランクルの勝ち。アルファードとヴォクシーのキャビンの違いを想像すれば分かりやすい。

  • ランドクルーザー

    ランクルの3列目は大人でも実用に耐え得るレベル。しかも3人掛けとなる。

  • ランドクルーザープラド

    プラドの3列目は独立式を採用。広さはあくまで緊急用レベル。大人にはキツい。

  • ランドクルーザー

    左写真=ランドクルーザー/右写真=ランドクルーザープラド

  • ランドクルーザープラド

    両車ともに乗用車ライクなデザインで豪華絢爛。特にプラドはマイナーチェンジでインパネ造形を変更。より質感を高めたが、やはりランクルには叶わない。

  • ランクルは2分割のゲートを採用している。オプションで電動開閉式も選べる(上側のみ)。

  • ランドクルーザープラド

    プラドは横開きゲート。ガラスハッチを採用し、狭いところでの出し入れを容易としている。(写真はマイチェン前モデル)

ランドクルーザーの後席はショーファー並み!

  • ランドクルーザー

    広々した2列目はスライド&リクライニング機能を備える。

  • ランドクルーザー

    エアコンは4ゾーン独立式。2列目にもシートヒーターを備える。

  • ランドクルーザー

    高精細11.6型ディスプレイもオプションで装着できる。

【CHECK! 使い勝手】 判定=ランドクルーザーが「買い!」

【結論】1台で全て賄うのであればプラドのサイズ感がお勧め

 一般用途にセカンドカーがあればランクルもいいが、日常用途もまかなうには厳しい。キャビンスペースはひと回り小さくなるが、プラドのディーゼルならば日常用途とオフロード、高速長距離をバランスよくまとめられる。何よりも燃料コスト負担が大幅に軽減される。プラド誕生の背景を考えれば当然の帰結である。プラドのディーゼルに決めるにしても問題はグレード。オフロードでの運転支援機能充実を求めると約540万円の最上級グレード、TZ-Gになる。ただ、ランクルを比較対象とするなら、それでも相当買い得である。

icon 【これが「買い!」】 TOYOTA ランドクルーザープラド TZ-G

TOYOTA ランドクルーザープラド TZ-G 536万3280円

ランドクルーザープラド TZ-G=536万3280円

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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