新型車比較・ライバル車対決
更新日:2025.12.22 / 掲載日:2025.12.22
【2025年版】あなたの好みのはどれ?広さと価格で比較する国産ミニバン12モデル

2025年のジャパンモビリティショーでは、新型エルグランドや新型レクサスLSなど、魅力的なミニバンが数多く展示されていた。ここ最近はSUVの人気に目を奪われがちだが、新車販売台数を見るとミニバンも相変わらず売れているジャンルなのだ。そこで今回は、新車で販売されている国産ミニバン(一部モデルのみ海外生産)について、広さと価格を軸にした4象限に落とし込んで紹介しよう。どれが一番広く、コスパに優れているのかを考えてみたい。
現行型の国産ミニバン12モデルを室内長と価格で分類

上の図は、日本市場で新車販売されている乗用ミニバン全12モデルをピックアップしている(商用車、軽自動車は除く)。縦軸に車内の広さに影響する室内長(ダッシュボードから最後席のシートバックまでの距離)、横軸に新車価格(エントリーグレードの価格)をとり、各モデルをプロットした。

縦横軸が直交する原点は、エントリーグレードが400万円前後のモデルが位置している。第1象限(右上)にあるのは、高価かつ室内が広いラージサイズミニバンが中心となるゾーン。最も高価なレクサス LMは右端にある一方、日産 エルグランドの安さが目立つ。

一方、第3象限(左下)にあるのは、手頃な価格のコンパクトミニバンが位置する。3列目シートの使用頻度が少ないユーザーにおすすめのモデルとなっている。なお、横軸付近にあるのはミドルクラスミニバンが中心となり、極端に高額なモデルは少ない傾向にある。なお、例外なのが日産 セレナ。ミドルクラスながらも室内長は3135mmとラージクラス以上の数値を誇り、室内空間と価格のコスパが最高のモデルとなる。
ミニバンは大きく3つ!同じミニバンでもサイズが違う

ここからは、ミニバンをジャンルごとに見ていこう。国産ミニバンではサイズごとにコンパクト、ミドル、ラージの3タイプに分類することが多い。これらに加えて商用車ベースのミニバン(スズキ エブリイ、日産 NV200バネット、トヨタ ハイエースワゴン)などが存在している。
1.価格や扱いやすさを重視するなら「コンパクトミニバン」

コンパクトミニバンは、現在トヨタとホンダの2社が参入。以前は日産がキューブキュービックなどをラインアップしていたが、現在は生産終了している。まずは、トヨタ シエンタとホンダ フリードの室内寸法と価格を比較してみたい。


| トヨタ シエンタ | ホンダ フリード | |
| 室内長 | 2545mm | 2645mm |
| 室内幅 | 1530mm | 1470mm |
| 室内高 | 1300mm | 1400mm |
| 新車価格 | 207万7900円〜 | 262万3500円~ |
車内の広さに大きく影響する室内長は、フリードのほうが100mmほど長い。その一方、室内幅や室内高はシエンタのほうが大きいため、頭上空間で開放感が感じられる。
3列目シートを頻繁に使うなら足もとスペースにゆとりがあるフリードがおすすめだが、普段は2列目までしか使わないならシエンタのほうが快適。ライフスタイルに応じて選ぼう。
2.多人数のファミリー層が快適に乗るなら「ミドルクラスミニバン」

かつては低車高の7シーターミニバンが人気だったが、現在のミドルクラスは箱型のハイト系が中心となっている。特にトヨタのノア/ヴォクシー、日産 セレナ、ホンダ ステップワゴンはこのクラスの3強といわれている。そのほか、これらよりもやや大きい三菱 デリカD:5が存在し、いずれもフル乗車が可能な3列シートを備えており、5名以上のファミリー層にぴったりのジャンル。


| トヨタ ノア/ヴォクシー | 日産 セレナ | ホンダ ステップワゴン | 三菱 デリカD:5 | |
| 室内長 | 2805mm | 3135mm | 2845mm | 2980mm |
| 室内幅 | 1470mm | 1545mm | 1545mm | 1505mm |
| 室内高 | 1405mm | 1400mm | 1425mm | 1310mm |
| 新車価格 | 283万300円〜(ノア) 324万6100円〜(ヴォクシー) | 271万9200円〜 | 334万8400円〜 | 422万2900円〜 |
以前は5ナンバーサイズのモデルが中心だったが、現在はセレナのみが5ナンバーに収まっており、それ以外は3ナンバー車となった。とはいえ極端に幅が広いものは少なく、運転初心者でも扱いやすい。
上の表を見ると、このカテゴリの人気モデル、ノア/ヴォクシーとステップワゴンの室内長は同じ程度なのに対し、セレナの室内長は3145mmとラージクラス並み。そのためセレナはミドルクラスとしては圧倒的な広さを誇り、ロングスライドさせれば2列目シートは脚を投げ出して乗ることも可能。

ステップワゴンは室内高が低いももの、低床プラットフォームのおかげで体感的には広く感じさせる設計。3ナンバー車のため横方向にもゆとりがある。3列目シートが床下に収納可能(マジックシート)。総じてバランスがよいのが特徴だ。

デリカD:5は一般的なミドルクラスミニバンよりもやや大きめ。ボディサイズのわりに際立って広くはないが、4WD車はラフロードにも対応した高い走破性能を持っている。一般的なミニバンでは入りにくい場所も走れるため、レジャーシーンでは大活躍。オフロード×ミニバンという唯一無二の個性を持つのが特徴である。
3.リムジン的な用途にも使える「ラージミニバン」

現在ラージクラスに位置するのは、トヨタ アルファード/ヴェルファイア、日産 エルグランド、ホンダ オデッセイ、そしてレクサス LMの5モデル。
| トヨタ アルファード/ヴェルファイア | レクサス LM | 日産 エルグランド | ホンダ オデッセイ | |
| 室内長 | 3005mm | 2965mm | 3025mm | 2915mm |
| 室内幅 | 1660mm | 1655mm | 1580mm | 1560mm |
| 室内高 | 1360mm | 1365mm | 1300mm | 1285mm |
| 新車価格 | 510万円〜(アルファード) 670万円〜(ヴェルファイア) | 1500万円〜 | 408万2100円 | 508万6400円 |
このなかでも最もホットなのがアルファード/ヴェルファイアで、ともに同じプラットフォームを採用する兄弟車。しかし内外装の仕様が一部異なっており、現行モデルはヴェルファイアのほうがより高価格帯に位置している。

レクサス LMはアルファードをベースとするが、こちらはプレミアムブランドゆえ、後席の快適性をさらに追求したショーファードリブンとなっている。2列シート・4名乗車仕様も設定され、旧来のミニバンとは異なる使い方を想定。価格は1500万円~2010万円と非常に高額なのも特徴だ。

エルグランドは発売が2010年と古く、すでに次期型が公開されている状況。そのためラージクラスのなかでは最もリーズナブルに入手可能で、中古車も潤沢に流通している。低予算でラージクラスミニバンを入手するなら一考の余地はある。


オデッセイも2013年発売と古株で一時生産終了したものの、2023年にリニューアルして再登場。車高は低めで、ライバルと比べてスポーティな走りが売り。現行モデルは中国生産になったが、以前は国内生産だったため今回の企画で取り扱うことにした。
まとめ
以前と比べて国産ミニバンのバリエーションは減ってきた。特にミドルクラス&ロールーフのカテゴリがほぼ消滅してしまったため、同一価格帯の選択肢はそれほど広くない。およそ400万円の予算の場合、コンパクト〜ミドルクラスが主な選択肢。コンパクト系なら上位グレードが狙える一方、ミドルクラスなら中間グレード辺りがターゲット。そのなかでも広さを重視するなら日産 セレナのお買い得感が光る。また、500万円以上のラージミニバンは現状アルファード/ヴェルファイア一強状態だが、近々日産 エルグランドがフルモデルチェンジを受けるので勢力図が変わる可能性もあるだろう。
ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。
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