新型車比較・ライバル車対決
更新日:2025.08.25 / 掲載日:2025.08.25
《2025最新版》コンパクトSUV勢力図〜結論〜
2025夏最新版・コンパクトSUV勢力図
軽自動車を除く国内新車販売の主戦場とも言える激戦区がコンパクトSUVカテゴリーだ。販売トップの常連であるカローラクロスが改良でさらに競争力を増した今、車格や価格が真っ向ライバルとなるモデルを集め、改めて見比べてみた。
●文:川島 茂夫
最新版・コンパクトSUV《結論》

付加価値か実用性か。視点でベストが変わる
この4車は外観の印象で選び分けてもいいような気もする。ひとつはそのままに見た目の印象が異なるため。主観ではあるが外観を見比べてヴェゼルとCX-30で悩む人は相当な少数派だろう。また、得意な適応用途も外観の印象に沿う。意外性があるのはクロストレックの悪路性能くらいのものだ。
上位パワートレーン搭載車の価格を比較すると最も低価格なのはカローラクロスでFFなら276万円から。最も高価なのはクロストレックのアイサイトX装備モデルで400万円超。装備充実の主力グレードでは350万円前後になるが、車格やプレミアム志向の強さに応じて高くなる傾向だ。
CX-30とクロストレックは趣味性や付加価値にこだわるユーザーには価格も含めて魅力的。逆に実用面のコスパを軸にすれば割高な印象にもなる。カローラクロスとヴェゼルは実用面のコスパでリードする。もっとも、カローラクロスはプレミアム感も売り物であり、ターゲットは嗜好的付加価値派と実用派にまたがる。悪路対応力重視では基準となりにくいが、一般的なコンパクトSUV選びではカローラクロスを軸に各車のポジションと嗜好的な要素も含めた適性を考慮するのが無難だろう。
TOYOTA カローラクロスを選ぶ理由
弱点や不満がなくバランスがいい。悪路にこだわり過ぎず、値頃感もある
別項でも述べたが、カローラ系らしい価格や手頃さを崩さないのが開発コンセプトであり、カローラユーザーはもちろん、他のトヨタ車からの乗り換えも馴染みやすい。一般ユーザーが求める要素を取りこぼしなくまとめたウェルバランスもカローラ系SUVらしい点だ。悪路対応力にもう少し余裕も欲しいが、それもウェルバランスのひとつと納得できる。
《おすすめグレード》S(4WD)●価格:323万9000円
OPの拡張性も含めた装備と価格のバランスがいいのはS。FFと4WDはフットワークの質感の違いもあり、約25万円高になるが、予算に余裕があるなら4WDを勧める。

HONDA ヴェゼルを選ぶ理由
扱いやすさや実用性が大いに魅力。カジュアルかつ若々しいキャラだ
狭い場所でも扱いやすいサイズ感や日常用途やレジャーで多様な積載性を発揮する後席格納。SUVとして走行性能面で特筆できる部分はないが、生活や余暇を楽しむための汎用性の高さがいい。実用の道具としてのまとまりの良さはプレミアム感を低下させやすいが、ラグジュアリーよりカジュアルを重視する若々しいユーザーには似合いのモデルである。
《おすすめグレード》e:HEV X ハントパッケージ(4WD)●価格:321万8600円
安全装備も含めた装備の充実ではZが魅力的だが、SUVの雰囲気を楽しむなら中間設定のXに用意されたハントパッケージ。撥水シート表皮などアウトドアレジャー向けだ。

MAZDA CX-30を選ぶ理由
スポーツワゴン的なキャラクターで内燃機関ならではのフィールも楽しい
SUVのパッケージをまとったツーリング&スポーツワゴンといった印象が強い。スポーティなフットワークにしても都会的スペシャリティを感じさせる内外装デザインにしても独自性を強く感じられる。要するに「魂動デザイン」と「人馬一体」への共鳴がCX-30を選ぶ最大の要件。特に内燃機のドライブフィールにこだわるユーザーにはとても魅力的だ。
《おすすめグレード》XD レトロスポーツエディション(4WD)●価格:368万5000円
プレミアム感を楽しむならボーズ製オーディオ標準で専用の内外装を採用した特別仕様が狙い目。ベースモデルとなるXDツーリングとの価格差は約15万円で買い得感も良好。

SUBARU クロストレックを選ぶ理由
ツーリングもレジャーも大得意。見た目以上の悪路対応力が頼もしい
パッケージングは一般乗用車に近いが、高い悪路対応力を求めるユーザーに適したコンパクトSUVがクロストレックだ。最低地上高も4WDの制御も駆動容量もクラストップレベル。スバルの全天候ツーリング性能を未舗装路まで拡大したモデルと考えれば分かりやすい。S:HEVの導入で燃費も改善されオールロードツアラーのポテンシャルもアップ。
《おすすめグレード》プレミアム S:HEV EX ●価格:405万3500円
アイサイトXが必須とは思わないのだが、S:HEVモデルから選ぶならOPの拡張性も考慮して最上級グレードから選ぶのが無難。装備差を考慮するなら価格も納得できる。


ライタープロフィール
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。