新型車比較・ライバル車対決
更新日:2025.07.30 / 掲載日:2025.07.30
新型RAV4の全貌〜ライバル車まとめ〜
ミドルSUVの中心選手であるRAV4の次期型がワールドプレミアを終え、気になるのが国内での同クラスの動向だ。ライバルたちはどこが“売り”なのか、あらためてまとめてみた。
●文:川島 茂夫
※新型RAV4の写真はすべてプロトタイプ。一部海外仕様を含む。
新型RAV4を迎え撃つ強力ライバルたち

個性豊かなモデルの中で中心となるのはRAV4
キャビン実用性や悪路対応力などバランスのよいカテゴリーだけあって実力車が揃う。全長は最小のZR-Vが4.6m弱、最大のCX-60が4.7m強。CX-60の全長が長いのはミドルSUVでは唯一のFRプラットフォームの採用に加えて直6もラインナップするためで、FFプラットフォームで4.7mを超えるのはアウトランダーのみ。同車は基本プラットフォームを共用するエクストレイルとともに3列シート仕様も設定。
パワートレーンはRAV4、エクストレイル、アウトランダーはHEVまたはPHEVのみの構成。内燃機モデルではCX-60のみがディーゼル車をラインナップ。フォレスターとZR-Vはダウンサイジングターボ、レクサスNXは高性能型ターボを採用。HEVとPHEVも車種によってシステムに違いがあり各車各様である。
いずれも高いファミリー&レジャー用途適性を備えるが、デザインやパワートレーンは多彩であり、次期RAV4はその中心に位置するモデルといえる。カテゴリー内相対で個性となる部分とユーザー個々の使い方や嗜好との相性が重要なのは言うまでもないが、どの方向から比較するにしても次期RAV4は欠かせない存在だ。
TOYOTA 新型RAV4

新型RAV4はコレで勝負!
ワンランクアップしたPHEVの実力
現行型も高評価となるHEVモデルの燃費は次期型の強味のひとつだが、進化の度合いからすればPHEVモデルが注目だ。満充電航続距離は150㎞。DC急速充電にも対応。バッテリー容量増だけでなくシステム効率も向上しているので、HEVモード走行燃費も期待できる。ソフトウエアアップデート対応のアリーンも長く乗る派には魅力的だ。


NISSAN エクストレイル

エクストレイルはコレで勝負!
電動の走りと定評の実用性を両立
駆動力のすべてを電動モーターで賄うシリーズ式HEVの特性を活かした走りが見所のひとつ。とくにe-4ORCEモデルは後輪駆動力を積極的に用いる制御により操安性だけでなく車格感のある乗り心地も実現。実用面では3列シート仕様の設定がセールスポイントのひとつ。3列目は常用するには狭いが、多様な使い勝手を求めるユーザーは注目。



SUBARU フォレスター

フォレスターはコレで勝負!
ストロングハイブリッドもターボも上出来
スプリット式ハイブリッドのS:HEVモデルの走りと燃費が見所。HEV戦略で出遅れた感も強かったスバルだが、一気に先頭集団に加わった。ターボ車の出来も良好で、ガソリン車の走りにこだわるユーザーは狙い目の一車。ADAS関連では高速道路渋滞時など限定されてはいるが、自動運転を可能としたアイサイトX装着仕様を全グレードに設定している。



LEXUS NX

NXはコレで勝負!
プレミアム感にあふれ、悪路もこなす
ミドルSUVの中で最もプレミアム志向が強く、内外装だけでなくフレームなどの走行ハードウェアも仕立てられている。スプリット式のHEVとPHEV、高性能型の2.4ℓターボとパワートレーンもカテゴリー水準を上回る設定である。オンロードツアラーのイメージが強いが、ミドルSUVらしい悪路性能も確保され、走行性能面の汎用性も良好だ。



HONDA ZR-V

ZR-Vはコレで勝負!
ドライバーも同乗者も満足させる乗り心地
同カテゴリーでは低い全高もあって、スポーツ&スペシャリティ系のSUVのように思えるが、ダイブダウン式後席格納などの採用でファミリー&レジャー用途への対応力も低くない。走りの傾向はオンロード寄りと言えるが同乗者の負担が少ないタイプで、クルマ好きの求めるものとSUVに期待する性能や実用性をバランスよくまとめている。



MAZDA CX-60

CX-60はコレで勝負!
クラス唯一のディーゼル+FRで個性際立つ
イチオシは同カテゴリー唯一のディーゼル。スペック面では巡航燃費と大トルクが特徴だが、直6が生み出す滑らかで重質なエンジンフィールの心地よさが車格感を高めている。車体サイズの割に広々キャビンではないが、トルコンレス8速ATの変速感も加わったドライブフィールは伝統的なファントゥドライブを求めるドライバー向けだ。



MITSUBISHI アウトランダー

アウトランダーはコレで勝負!
スポーツドライビングまで許容する走り
実用面では3列シート仕様の設定やPHEVシステムのDC急速充電対応が見所だが、際立つ「推しポイント」は走り。ミドルSUVの中でもゆとりある性能を備えるが、それだけでなくツインモーター4WDのポテンシャルを活かしたS-AWCがもたらす操る楽しさは独特だ。限界はSUVの範疇だが、マニアックなスポーツドライビングにも対応。




ライタープロフィール
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。