新型車比較・ライバル車対決
更新日:2025.06.29 / 掲載日:2025.06.29
ミニバン選び虎の巻《Sサイズ》シエンタ/フリード
家族がイチバン! ミニバン選び虎の巻
ファミリーカーの定番といえばミニバン。1BOX型を中心に、日本国内の道路状況や使用形態など、ユーザーファーストで考え抜かれたモデルが多く、SUV流行りの現在も子育てファミリーの愛車候補筆頭だ。弊誌連載「家族のクルマ選び!」でおなじみの、まるも亜希子が国産ミニバン各車の魅力に迫る。
※本記事の内容は2025年5月中旬時点のものです
●文:まるも亜希子
Sサイズ 1BOX型ミニバン選び
コンパクトで扱いやすくタウンユースにピッタリ
家族がミニバンを選ぶ際の決め手となる三大要素、「スライドドア」「3列シート」「天井の高い室内空間」をしっかりと備えながら、コンパクトカーと呼べる範囲のボディサイズに抑えることで、市街地での扱いやすさを手に入れているSサイズミニバン。現在はトヨタ・シエンタとホンダ・フリードの2車種がラインナップするが、同じ3列シートでもシエンタは2列目がベンチタイプとなる7人乗りのみ。フリードにはキャプテンタイプとなる6人乗りも用意される。一方、シエンタには2列シート5人乗りもある。
シエンタは5人乗りのハイトワゴンとして優秀
よりコンパクトカーに近い感覚で運転でき、どちらかというと市街地を走ることが多い家族や、ミニバンビギナーにおすすめなのはシエンタだ。全長はフリードより60㎜ほど短く、全幅は全車が1695㎜に抑えられ、最小回転半径が5.0mと小さいので小回り性能が高く、狭い路地や車庫入れでも扱いやすい点がまず魅力。3列目シートの格納が跳ね上げ式ではなく、2列目シートの下に収められるので、普段は2列シート5人乗り+広いラゲッジとして使うことが多い家族に向いている。ただ、2列目にチャイルドシートを装着したり、頻繁に3列目を使いたい家族にはやや面倒かもしれない。子どもが小学生以上の家族におすすめだ。
フリードは選択肢が豊富な万能選手
フリードは親しみやすい標準デザインと、アウトドアテイストを取り入れたデザインのクロスターがあり、好みやライフスタイルで異なるキャラクターが選びやすい。クロスターは全幅が1720㎜と、ボディがやや大きくなるが、最小回転半径は全車で5.2mに抑えられており取り回し性能は期待通りだ。また、2列目がベンチタイプの7人乗りとキャプテンタイプの6人乗り、加えて3列目シートの代わりに重い荷物の出し入れが楽になるスロープを備えたタイプも用意される。車いすはもちろん、アウトドアギアや大きな楽器、電動バイクなどを積み込む際にも頼もしい。6人乗りは1列目から3列目まで室内で移動できるセンターウォークスルーが便利。3列目の跳ね上げ操作も改善され、小さな子どもがいる家族からアウトドアレジャーまでオールマイティに使えるミニバンとなっている。
シエンタもフリードもパワートレーンはハイブリッドとガソリンを設定。予算や好みで選びたい。
TOYOTA シエンタ
■1.5ℓガソリン車〈FF〉 ■1.5ℓHEV〈FF/4WD〉

コンパクトなハイトワゴン感覚で乗れる人気ミニバン
現行型のデビューは’22年。価格を割安に抑えたこともあり、2023年には1か月平均で約1万1000台を登録してミニバンの最多販売車種になった。経済性にも優れ、2WDのWLTCモード燃費はガソリン車のGが18.4㎞/ℓ、ハイブリッド車のGは28.4㎞/ℓに達する。







シエンタの推しポイント
収納豊富で使い勝手良し
ニットのような素材のシートや多彩なアイディア収納で、ホッとできる室内空間。従来より広がったスライドドア開口部や1300㎜の高い天井で使いやすさもアップ。コンパクトカー感覚で運転しやすい点も魅力。

HONDA フリード
■1.5ℓガソリン車〈FF/4WD〉 ■1.5ℓHEV〈FF/4WD〉

SUV風の外観やキャプテンシートなど選択肢が豊富
’24年に3代目となった、日本の暮らしに「ちょうどいい」ミニバン。1.5ℓのガソリンエンジンとハイブリッド(e:HEV)を搭載し、個性の異なるエアーとクロスターをラインナップ。ホンダセンシングが標準装備され、安全&運転支援機能も充実している。







フリードの推しポイント
キャプテンシートのくつろぎ
ベンチタイプのほかにキャプテンタイプも選べ、360㎜のロングスライドを備える2列目シートの乗り心地や快適性が抜群。低いフロアで使い勝手が向上したラゲッジスペースは、自転車など大きな荷物も積みやすい。

2列シートも選べる
5人乗りの推しポイント
多人数乗車が不要な場合は5人乗りレジャービークルに
ともに5人乗り2列シート車を設定。背高フォルムでスライドドアを備え、多人数乗車こそできないが、乗降性や積載性が抜群の優秀なたコンパクトワゴンとなる。
シエンタ
全グレードに5人乗りを設定。居住性や積載性、燃費のバランスが優秀な5人乗りは、タクシーとしても活躍している。



フリード
5人乗り仕様はクロスターおよびスロープ仕様(車イス乗車時6人乗り)に設定。積載関連のアクセサリーも豊富だ。


