新型車比較・ライバル車対決
更新日:2025.05.30 / 掲載日:2025.05.30
新型フォレスター vs ライバル《結論&選び分け》
新型フォレスターを迎え撃つライバル軍団総まとめ
実力派ミドルSUV対決
待望のフルモデルチェンジを果たしたフォレスターを軸に、気になるライバルをピックアップ。様々な個性が集うミドルSUVカテゴリーをあらためて俯瞰してみよう。
●文:川島茂夫
結論《ミドルSUV最新勢力図》

用途のこだわり次第で機能でも価格でも選べる
比較車の4WDモデルで最も安価なRAV4のXと最も高価なレクサスNX450h+オーバートレイルでは2倍以上の開きがある。同じミドルSUVでも価格は幅広く、コスパは外せない要件だ。
実用面ではキャビンの使い勝手が要点のひとつとなるが、採り上げたモデルはミドルSUVの基本を大きく外していない。ユーザー個々の使い方との相性が重要だ。逆に特定用途にこだわらなければ価格が選ぶ際の決め手でもある。
判断が難しいのは走行性能だ。上位設定のパワートレーンは動力性能に優れ、セダン系に比べて重量も空気抵抗も大きなSUVを余裕を持って走らせるに魅力的だ。HEVならば燃費も、となりそうだが、価格差を埋めるほどの効果は期待できない。つまり実利としては高速や登坂での運転しやすさなどのドライバビリティが主。
悪路性能もユーザーの使い方次第。ミドルSUVの魅力のひとつだが、アウトドア趣味のために必要なレベルの悪路踏破性は各車とも達成しているので、優劣は趣味嗜好によると考えていいだろう。
基本線を守ってなお多彩なモデル揃いなのがミドルSUVカテゴリーであり、コスパと嗜好的判断を優先するのが賢明だ。
ミドルSUVはこう選ぶ《選び分けのツボ》
乗車定員以外は感性でマッチング
ミドルSUVの例外的な選択肢として3列シート仕様があり、これを条件にした場合はエクストレイルかアウトランダーの二択になる。その他のキャビン実用性は別項でも述べたように大同小異の範疇。どちらかといえばインテリアの雰囲気と居心地を優先するのが一般的だろう。走行性能では内燃機系かHEV系かの選択。HEV系が魅力的だが、コスパなら内燃機系が狙い目である。
SUBARU 新型フォレスター
ターボ車で十分だが価格差も考慮すればS:HEVが狙い目
キャビン実用性や悪路踏破性などミドルSUVに求められる要素を高水準でまとめたモデルであり、エントリーモデルとなるターボ車でも動力性能は十分。ならばターボ車が買い得のように思えるが、S:HEVのXブレイクとの価格差は「EX」グレードで約26万円であり、燃費や走りの洗練度など総合的に見ればS:HEVが狙い目である。

TOYOTA RAV4
キャラクターに似合いなのはアドベンチャー系だ
ガソリン4WD車に悪路対応力を向上させた新4WDシステムを採用するなど、ミドルSUVでは悪路志向の強いキャラが特徴。そのイメージで選ぶならアドベンチャーが標準的グレード。同グレードはガソリン車とHEVに用意されるが、4WDシステムの違いからガソリン車のほうが悪路向け。また、アドベンチャーベースの特別仕様車も必見。

LEXUS NX
パワートレーンの違いによって異なる魅力を見せる
オンロードのスポーティな走りでは2.4ℓターボが昂揚感のある走りで魅力的。レクサスのプレミアム性とゆとりを感じさせる快適性を軸脚にするならPHEVモデルが最上級仕様らしい。標準的なグレードでもミドルSUVとしてはスポーツ性が濃い目なので、スポーツ性向上のFスポーツはダイナミックな操り心地にこだわるユーザー向けと言える。

NISSAN エクストレイル
4WDは価格以上の価値がありコスパが良好
広いキャビンの実用性から選ぶユーザーならFWD車を選択するのもいいが、4WDを基準に選ぶことを勧める。同等グレードによるFWDと4WDの価格差は約25万円。後輪駆動用モーターの追加などハードウェア構成からしても随分と割安な価格設定。ドライバビリティや操安性、乗り心地など走りの質感で勝り、性能面のコスパで優れている。

HONDA ZR-V
総合力ならe:HEV、スポーティな走りならターボ
ターボ車とe:HEVの価格差は約35万円。ターボ車のトルクはミドルSUVの車格に十分であり、ターボならではのスポーティなパワーフィールも備える。燃費も含めた総合的な性能ではe:HEVを勧めるが、特有のスポーティなキャラに魅力を感じてZR-Vを選ぶならターボ車のほうが「らしい」選択。駆動方式は使用環境に応じて選び分ければいい。

MAZDA CX-60
独自の魅力が色濃いのは直6ディーゼルだ
車格設定やキャラ付けからすればHEV系を選ぶのが一般的だが、CX-60のパワートレーンで一番アドバンテージを感じるのが、直6のディーゼル車。ディーゼルには標準型とMHEVが設定される。予算に余裕があるならMHEVが狙いだが、価格差ほど大きな性能差はないので、コスパで考えるなら標準型ディーゼル車で装備の充実を図るといいだろう。

MITSUBISHI アウトランダー
パワートレーンや安全性能はグレード格差なし
走行性能関連やADAS関連は全グレード共通仕様。シート仕様はMが2列シート仕様に限定される以外は2列/3列シート仕様の選択が可能である。グレード選択は内装仕様や利便快適装備の違いが主。グレード間の価格差が大きいので、3列シートを選べるエントリーとなるGをベースに装備差の費用対効果を考えて選ぶのが一般的だろう。


ライタープロフィール
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。