新型車比較・ライバル車対決
更新日:2025.05.25 / 掲載日:2025.05.25
SUBARU フォレスター【新】【旧】比較
現オーナーは買い換えるべき?
待望の新型はこれまでのモデルとどこがどう違うのか。現行オーナーは買い換えマストなのか。新旧比較で明らかにしていこう。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之/澤田和久
e-BOXER車はまるで別物!
SUBARU 新型フォレスター

SUVとしての実力は十分に現役
SUBARU 従来型フォレスター

新旧フォレスター比較解説
ターボ狙いであればあわてる必要はないかも
従来型をベースに価格を比較するとスポーツ(ターボ車)は約60万円高、Xブレイク(HEV)は約90万円高。大幅上昇といった印象を覚えるが、ナビやETC車載器、マルチビューモニター等の標準化や自転車にも対応した歩行者エアバッグの採用などの衝突安全装備の機能向上なども含まれるので、スポーツの価格アップは一桁万円くらいと推測できる。同様にXブレイクで新旧比較すると上昇代は30万円を超えることになるが、e-BOXERで括られるもののS:HEVはシステムも性能も大きく異なっている。他メーカーで言えば標準パワートレーンとHEVと同様の位置付けの違いがあり、価格差についても納得できる。
重要なのはユーザーが価格差に見合った違いを感じられるかだ。スポーツの場合は機能や走りの質感の向上に見合った投資と言えそうだが、動力性能の変化はない。モード燃費で比較する限り燃費に優しいターボのスタンスも変わっていない。従来型では走行性能面の上位車種として設定されたモデルであり、早急に買い換えを考えるほどの差があるとも言い難い。
悩ましいのはHEVモデルだ。動力性能のゆとりもドライバビリティも乗り心地や操安性、悪路での扱いなど、効果の大小の違いはあっても走りに関わるすべてが向上したといっても過言ではない。
従来型HEVは構造的にはパラレル式HEVを採用するものの、モーターや駆動バッテリーの容量が少なく、実質的にはマイルドHEVの性能。具体的には初期加速などドライバビリティの改善で効果はあるものの、動力性能はNA2ℓ+αであり、フォレスターの車格に十分とは言い難い。
一方、新型は全開加速でこそターボ車に及ばない部分もあるが、一般走行でも高速や悪路でも扱いやすい洗練されたドライバビリティや余力を示し、現行のスバルパワートレーンの最上位にふさわしい性能を発揮する。燃費についても従来型はWLTCモード燃費14.0㎞/ℓ、新型は18.8㎞/ℓ(Xブレイク)と大きく改善されている。燃費差で価格差を埋められるとは思わないが、本格HEVを選択した長所を実感できるだけの燃費性能を備えている。
皮肉な言い方をするなら、新型はウイークポイントだったHEVの動力性能や燃費性能を改善したモデルとも言えるが、元々オン&ラフロード性能の高水準での両立やキャビン実用性で好評だったモデルだけに、S:HEVの導入によるウイークポイントの解消は大きい。従来型HEVのユーザーにとっては悩みどころだ。
新型フォレスター










従来型フォレスター










【新×旧】現オーナーへの買い替えオススメ度は?
S:HEVマスト派以外は5年経過が目安
特別な事情がない限り5年以内の買い替えは勧めないのだが、従来型で動力性能の面からターボ車を選択したユーザーで燃費や走りの質感のグレードアップを求めるなら新型のS:HEVへ乗り換えは納得できる。ターボ車同士の乗り換えが前提ならば適切な買い替え時期が来るまで待つのが賢明だ。HEVモデル同士は性能的には買い替え推奨だが、価格上昇が気になる点。コスパ優先で乗り換え検討ならターボ車の選択を考えてもいいだろう。