新型車比較・ライバル車対決
更新日:2024.09.27 / 掲載日:2024.09.27
【三賢人ガチ評価】フィット vs スイフト・高水準買い得コンパクト対決
クルマ購入のときに気になるのがライバルの存在だ。そこで今回は人気車や気になる車種のライバル関係にフォーカス。一対一のガチンコ対決形式で「買うならどちらか」を解明する。もちろん、用途や着眼点によってどちらを選ぶかは変わってくる。クルマのプロの意見を参考に、自分にとっての“買い”の一台をみつけていただきたい。
ユーザー視点でプロが判定!!
今回の“買い”判定は本誌が誇るレギュラー執筆陣3人に依頼。クルマに求めるものや着眼点に共感できる執筆者をメインに、クルマのプロの様々な意見にじっくり耳を傾けていただきたい。



HONDAフィット × SUZUKIスイフト《性能/機能/価格すべてが高水準買い得コンパクト対決》
川島:買うならスイフト
決め手は『ガソリン車同士ならスイフト価格以上の走行性能が光る』
どちらも経済的な実用2BOX車だが、キャビン実用性はフィットが勝っている。サイズはフィットが一回り大きいこともあるが、むしろホンダ独自のセンタータンクレイアウトや2ウェイ式後席格納を採用したことで、居住性と積載性を高める工夫が施されていることが大きい。スイフトも後席ヘッドルームを配慮したキャビン形状などで実用性を配慮しているが、フィットに比べるとシンプルだ。
スイフトの強味はコスパの良さ。FF車なら最上級グレードでも216万7000円。フィットのガソリン車は172万400円〜と価格がラップするが、軽量小型で燃費と動力性能を稼ぐスイフトは、フィットよりも3割前後の燃費アドバンテージがある。スポーティ&ツーリング志向のフットワークは、ポストファミリーで長距離用途も重視したいというユーザー向け。予算に余裕があればフィットのe:HEV車をオススメするが、経済性を重視する向きにはスイフトがオススメだ。

まるも:買うならフィット
決め手は『オールマイティに強い万能コンパクト特にe:HEVの走りは相当高いレベル』
「走りが良いコンパクト」というと、真っ先にスイフトが思い浮かぶ人も多いだろうが、スイフトは新型にチェンジしてから少しマイルド寄りになっており、小気味良さよりも運転しやすさや乗り心地の良さを武器にするようになっている。都会的な洗練されたイメージでまとまったデザインにも好印象だが、少し気になるのは後席スペース。ヤリス以上フィット未満なので、フル乗車だと窮屈な場合も……。
逆にフィットは、マイナーチェンジで復活したRSに、実際に開発者が耐久レースに参戦して得た走りのノウハウがフィードバックされているなど走りの魅力がアップ。動力性能に余裕があるe:HEVの恩恵もあって、心地よさと操る楽しさが楽しめる。まるで一筆書きのようにつながるコーナリングや、欲しいところでパワーが引き出せる爽快感は大きな武器だ。さらにコンパクトカー随一の広い後席や広大なラゲッジも強みのひとつ。オールマイティに使うなら、フィットがオススメだ。

渡辺:買うならフィット
決め手は『コスパ優秀のガソリン車バランスの良さがピカイチ』
フィットは、全長が4m以下で全高も立体駐車場が使いやすい高さに抑えたコンパクトカーの中では、最も車内空間が広い。身長170cmの大人4名が乗車した状態の後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半に達する。さらに燃料タンクを前席の下に搭載していることもあって荷室の床が低いため、後席を格納するとコンパクトカーとは思えないほどの広い空間を作り出せるのも大きな魅力。
一方、スイフトは全長が3860mmとフィットよりも100mm以上短く、最小回転半径も2WDが4.8m。小回りで街中でも運転がしやすい。さらに燃費もマイルドハイブリッドのWLTCモード総合燃費はCVT仕様で24.5km/ℓを記録。フィットはホームのガソリン車の燃費は18.5km/ℓ、ハイブリッド車が29km/ℓだから、スイフトは燃費面でも健闘している。
両車とも魅力的だが、機能や装備と価格のバランスは、ファミリーカーとして使いやすいフィットのガソリン車が魅力大。ホーム(189万4200円)がオススメだ。

HONDA フィット
●価格:172万400〜284万6800円
●発表年月(最新改良):’20年2月(’24年8月)
パワートレーン 1.5ℓガソリン 〈FF/4WD〉 1.5ℓハイブリッド 〈FF/4WD〉
歴代モデルに受け継がれてきた、クラストップレベルのキャビン容量や多様な積載性という基本コンセプトは変わらないが、現行型はハイブリッドが2モーター式の「e:HEV」に変更されたことで走りのレベルが向上。1ランク上のコンパクトカーに仕立てられている。2022年秋のマイナーチェンジ時には、e:HEVの駆動モーター出力の強化を実施。走りも楽しめる「RS」も追加されている。



■主要諸元(e:HEV RS)●全長×全幅×全高(㎜):4080×1695×1540●ホイールベース(㎜):2530 ●最低地上高(㎜):135 ●車両重量(㎏):1210 ●駆動方式:FWD ●パワーユニット:1496㏄直列4気筒(106PS/13.0㎏・m)+フロントモーター(123PS/25.8㎏・m) ●トランスミッション:無段変速機 ●WLTCモード総合燃費:27.2㎞/ℓ ●タイヤ:185/55R16
SUZUKI スイフト
●価格:172万7000〜233万2000円
●発表年月(最新改良):’23年12月(-/-)
パワートレーン 1.2ℓガソリン〈FF/4WD〉 1.2ℓハイブリッド 〈FF/4WD〉
昨年秋にデビューした現行型は、「クルマと日常を愉しめる」という新たな価値感を目指して開発。歴代モデルが培ってきたデザイン性や走行性能の魅力に加え、安全装備や利便系装備を強化。先代スイフトより空気抵抗を約4.6%低減するなど、クラストップレベルの空力性能も手に入れている。パワートレーンは1.2ℓガソリン車と、小型モーター(ISG)を組みこんだマイルドハイブリッド車の2タイプを設定。



■主要諸元(HYBRID MZ・FF)●全長×全幅×全高(㎜):3860×1695×1500●ホイールベース(㎜):2450 ●最低地上高(㎜):120●車両重量(㎏):950 ●駆動方式:FWD●パワーユニット:1197㏄直列3気筒(82PS/11.0㎏・m)+フロントモーター(3.1PS/6.1㎏・m) ●トランスミッション:無段変速機●WLTCモード総合燃費:24.5㎞/ℓ ●タイヤ:185/55R16