新型車比較・ライバル車対決
更新日:2023.09.14 / 掲載日:2023.09.03
新型N-BOX登場! ライバル比較/おすすめグレード研究/ミニヒストリー解説
イチバン売れてるクルマがフルモデルチェンジ! その見どころは?
近日登場のベストセラー軽・新型N-BOX。スーパーハイトワゴンのライバルたちとの関係やベストグレードを解説! 歴代Nシリーズミニヒストリーも!
●文:川島 茂夫
スーパーハイト軽のライバルとの関係は? 『ライバル先取り比較』
走り視点ではN-BOXがリード
N-BOXのライバルと目されるモデルは、タント、スペーシア、ルークス、eKスペースの4モデル。いずれも高い全高&室内高にリヤスライドドアを備えることを特徴としており、近距離中心のファミリー&レジャーまで対応できる懐の深さを持つ。eKスペースを除いて、各モデルで名称は異なるが、標準系とプレミアム&スペシャリティ感を高めたカスタム系で構成されており、タントとスペーシアにはSUVモチーフのドレスアップ仕様も設定している。
生活密着型か? レジャー実用性も考慮しているか? などで細かな違いや嗜好的な要素が異なっているが、キャビン実用性は実力伯仲。どのモデルも高いユーティリティ性を誇っている
違いを感じるのは走りの部分。動力性能は業界自主規制(ターボで64PS)があることもあって大きな差はないが、長距離走行用途までカバーするならば操安性が重要。高速時でも余裕あるフットワークを実感できるN-BOXが最有力だった。従来型のこの優れた美点は、新型にも継承されるのは確実。他モデルが次の世代に切り替わるまでは、この優位は揺るがないだろう。
DAIHATSU タント
SUZUKI スペーシア
NISSAN/MITSUBISHI ルークス/eKスペース
新型N-BOXのベストグレードは?
高速走行時の余裕があるカスタムのターボがオススメ
車種構成は、標準系は標準仕様とオフホワイトのドアミラー&ホイールがドレスアップされたファッションスタイルの2つ。カスタム系は標準仕様と内外装のグレードアップを施したコーディネイトスタイルの構成。機能装備の多くは共通設定だが、オートスライドドアやシート素材などで差別化されている。また、標準系もカスタム系も車椅子乗車に対応できるスロープ仕様を用意している。
各グレードの価格は発表されていないが、タウンユース主体ならばコスパで標準系が有利。少し華やかな雰囲気が欲しいならば、少々の価格差でファションスタイルも選べるはず。キュートなスタイルは新しいN-BOXを感じさせてくれるだろう。
ただ、長距離レジャーまでカバーしたいとなると、標準系にはNAエンジン仕様しか設定されないのが泣き所。運転支援機能が充実しているとはいえNA車では高速走行時の運転ストレスは大きくなってしまう。ターボを前提にするならカスタム系を選ばざるを得ないラインナップなので、実用性と一通りの装備が揃っている、N-BOXカスタムのターボがベストグレードといえる。
新型N-BOX 主要諸元&主要装備
ホンダ新世代「N」はこのように進化した! 『Nシリーズミニヒストリー』
既存の「軽」の概念を覆した新世代モデルを続々投入
ホンダが展開するNシリーズは、2011年に誕生。既存の軽モデルとは異なり、プラットフォームやパワートレーンは全面的に刷新された新世代の軽自動車として世に送り出された。その最初のモデルとなるのが、スーパーハイトボディの初代N-BOXだ。
その後、Nシリーズは2BOXのN-ONE(2012年)とハイト系でライフの後継車となるN-WGN(2013年)を登場させて、軽自動車全体をカバーする体制を確立。チョップドルーフ風スタイルのN-BOXスラッシュ(2014年)や積載性向上型のN-BOXプラス(2012年)という派生車種も登場している。
2017年の2代目N-BOX(従来型)から、Nシリーズとしては第2世代車に進化。プラットフォームやパワートレーンに大幅改良を加えられることで、さらなる性能向上が図られていることも見逃せない特徴。N-BOXの大成功は、この第2世代車の完成度の高さによるものといっても良いほどだ。その後、第2世代車の技術は水平展開され、商用バンのN-VANの投入(2018年)や、N-WGN(2019年)、N-ONE(2020年)のフルモデルチェンジが実施されている。
今回フルモデルチェンジする新型N-BOXは、Nシリーズとしては第3世代車に相当するモデルになる。