新型車比較・ライバル車対決
更新日:2023.01.16 / 掲載日:2023.01.15

新型日産セレナ/ノア&ヴォクシー/ステップワゴンを比較チェック! ミニバン最新事情

2022年は新世代ミドルミニバン元年。最後発のセレナが新型に切り替わったことで熾烈な競争が始まるのは確実だ。ここでは3モデルの特徴と強みをチェックすることで、今後の展開を占ってみたい。

●文:川島茂夫

新型セレナの登場でライバル関係はどうなる?

この記事の目次

ミドルミニバン最新事情

最新モデルは正直横一線
どれも実力モデルが揃う
 2ℓ級1BOX型ミニバンは実質的にはセレナ、ノア&ヴォクシー、ステップワゴンの3車の寡占市場と言っても過言ではないだろう。取り回しサイズや燃費等も含めて求められる実用性や価値感も安定し、車両コンセプトや市場の大きな変化も見当たらない。
 近年の傾向としては走りの味付けも含めてファミリー&レジャー用途志向を強化。極端な言い方をすればセレナのキャラが主流となりつつある。だからといってプレミアムへの訴求力が低下したわけではない。セレナは新型で高級感と先進のプロパイロット2・0を導入したルキシオンを設定したが、ノア/ヴォクシーも走行性能の向上や車外からのスマホによるリモコン駐車システムの導入などクラス上のモデルと同等以上の先進安全&運転支援機能を採用。運転支援機能の先進性ではどちらも上位にあるエルグランドやアルファード&ヴェルファイアを上回っている。先進性や走りの質では十二分に上級クラスと渡り合える。
 ステップワゴンは現行モデルからグレード体系の見直しを図るとともによりファミリー色を強めている。従来どおりスペシャリティ色を強めたスパーダを設定するが、ボクシーなキャビン周りのデザインなどユーティリティ系の印象が強い外観デザインを採用する。特に新たな標準仕様として設定されたエアーは生成りのよさとも言うべき雰囲気で現行型のコンセプトをよく表している。走りの志向は穏やかな味わいを旨としたものでライバル車に対して特筆すべきアピールポイントはないが、ミニバン系では唯一となるガソリンターボ車をラインナップ。ハイブリッドにはシリーズ式をベースにエンジン直動機構によりパラレル式との切替で制御するe:HEVを採用するなど走行メカの独自性が高い。

苦手らしい苦手を持たない
セレナは万能ミニバン
 各車各様の見所を備えているが、1BOX型の主適応用途に対して決定的なアドバンテージはない。冒頭で述べたように確立された市場であり、優先順位の高い機能や実用性はいずれも取りこぼしなく対応している。例えば、シートアレンジこそ各車独自の機能を持つが、1BOX型の主選択要因となるキャビンスペースはシートポジションにより多少の差はあれども決定的な差はない。どれも広大で便利に使い倒すことができるのだ。
 ただ、多方面から比較検討してみると、どの方向からも見所を備えているのがセレナ。中でもプレミアム性を維持してのダウンサイジングへの対応力と生活感覚の実用性へのこだわりは見逃せない点。価格は少し高くなったためコスパの優位性はそれほどでもないが、適応用途の幅広さは特筆ものだ。
 ただ、4WDを求めるユーザーにとってはハイブリッド車がFFに限定されるのがセレナの弱点。特にノア/ヴォクシーが新開発の電動後輪駆動システムを新型E-Fourを採用し、走行性能を高めているだけにガソリン車に限定されるのは痛いところだ。
 どのモデルを選ぶかは予算と使い方次第となってしまうが、セレナはやはり欠かせない存在。実用面のコスパだけでなく、走りの質感や先進性を重視するほどに魅力増となるだけに、同乗者の居心地も含めたプレミアムを求める向きには最有力候補車になりそうだ。

NISSAN 新型セレナ

●価格:276万8700〜479万8200円

TOYOTA ノア/ヴォクシー

●価格:267万〜389万円(ノア)/309万〜396万円(ヴォクシー)
改良された最新ハイブリッドの恩恵は明らか。街中での扱いやすさに加えて高速走行適性も良くなっている。トップレベルの運転支援機能を備えることも含めて総合力に秀でている。

HONDA ステップワゴン

●価格:299万8600〜384万6700円
エンジン直動機構も備えるe:HEVの採用もあって、高速巡航も苦にならない。1.5ℓターボを搭載するガソリン車も燃費性能は少し落ち込むが動力性能は十分な実力を持っている。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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