新型車比較・ライバル車対決
更新日:2022.11.29 / 掲載日:2022.11.09
ホンダ新型ZR-Vをヴェゼルと比較! 走り&メカニズムで選ぶならどっち?
【ホンダ同門対決】HONDA 新型ZR-V vs ヴェゼル 先行比較
前回、クローズドコースでの試乗を紹介したZR-V。
今回は同じホンダSUVのヴェゼルとの比較を通して、
その資質に迫ってみよう。
●文:川島茂夫 ●写真:本田技研工業株式会社
※ZR-Vの写真はすべてプロトタイプ
走り&メカニズム
走りの質感に車格相応の違いあり! 選び分けの重要なポイントとなる

日常&実用のヴェゼル
長距離ランならZR-V
e:HEVの駆動モーター最高出力はヴェゼルの96kWに対してZR-Vは135kWである。ヴェゼルより車重は200㎏以上重くなると予想されるが、それでもパワーウェイトレシオで比較すると、3㎏/kW以上ZR-Vが勝っている。当然ながら、スペック上でも動力性能はZR-Vが圧倒している。
プロト車試乗で受けた印象でも、ゆとりも速さもZR-Vが格上。速度域に対する加速性能や余力の変化もヴェゼルより少なく、常用速度域が高まるほど差が開く。付け加えるならエンジン稼働中の回転数制御や騒音の低さなども、余力感とドライバビリティの心地よさとしてZR-Vが高評価になる。
ヴェゼルの動力性能は実用志向のコンパクトSUVとして十分なものだが、ZR-Vと比較してしまうとタウンユースでの使い勝手と経済性優先の印象が強く、高速長距離や山岳路走行の機会が多いならパワーに余裕を感じにくい。
フットワークについては性能というより質の違いを意識させる。
ヴェゼルは日常域とのバランスを取ったサスチューンを採用。ファミリー&レジャー用途に適したフットワークだが、ハンドリングの精度や高速域での安心感、乗り心地の据わり感などでZR-Vに及ばない。路面からの細かな振動の吸収も同様で、走りの質感の差は埋め難いものがある。
公道でのZR-Vのフットワークは不明だが、クローズドでのプロト車の印象では、引き締まったサスチューンだがしなやかなストロークを特徴とし、路面の凹凸をいなすのも巧み。硬めでしっとりとした乗り心地なのだ。硬すぎず安心感ある乗り味であり、高速長距離ではかなり期待できる。
結局、走りのほとんどの面ではZR-Vとヴェゼルには車格相応の差があり、両車の選び分けでは重要なポイント。とくに長距離レジャー用途の頻度が高いユーザーは要チェックである。
HONDA 新型ZR-V








HONDA ヴェゼル



