車の最新技術
更新日:2018.12.20 / 掲載日:2018.12.20
【世界初】ミラーレス車解禁!最新情報まとめ

世界中で今大きな話題になっている、ミラーレス車に関する最新情報のまとめです。既に発売中の車はもちろん、今後発売予定の車もご紹介しています!
国土交通省がミラーレス車の解禁を発表したのは2016年9月のこと。そしてついに2018年10月、世界初のミラーレス車が登場しました。近未来型の車として世界中のカーユーザーから注目を集めているようですが、果たしてどのような特徴があるのでしょうか。現在発売中または今後発売予定のミラーレス車の紹介を交えながら、最新情報をまとめました。
世界中で話題になっているミラーレス車とは
ミラーレス車とは「サイドミラーやバックミラーがついていない車」のことです。後方確認にはミラーの代わりに電子カメラを使用し、車内に設置したモニターで確認をする仕様となっています。
ミラーレス車が注目を集めるようになったきっかけは、2015年にWP29(自動車基準調和世界フォーラム)が「ミラー代用範囲拡大決定」を発表したことからです。この発表を受けた日本政府が保安基準の改定に踏み切ることで、ミラーレス車の実用化及び世界初の公道走行が可能となりました。現在は、日本はもちろん世界中の自動車メーカー・自動車部品メーカーを中心にミラーレス車の開発が進み、近い将来ミラーレスが主流になるのではないかと言われています。
実用化されているミラーレス車は2018年12月地点で「新型レクサスES」のみですが、2019年には「新型アウディe-tron」が登場予定。その他にも、テスラやBMWなど世界中の主要メーカーがコンセプトモデルを発表しており、今後の市販化が期待されているところです。
ミラーレス車の4つのメリット
ミラーレス車には、次のような4つのメリットがあります。一つずつご紹介します。
安全性が向上する
まず最も大きなメリットとしてあげられる点が「安全性の向上」です。ミラーの場合、どうしても死角になる場所がありました。しかしカメラを使ったモニタリングシステムであれば、これまでできなかった後方の死角をなくすことが技術的に可能です。
空気抵抗の軽減化
サイドミラーがなくなれば、その分空気抵抗も少なくなります。このことにより、静粛性能の向上や走行距離の伸長も期待できます。
幅の狭い場所が通りやすくなる
日本の道路には、幅の狭い場所や狭い駐車場が多いもの。サイドミラーが邪魔で通り抜けができなかったり、対向車とのすれ違いに苦労することがあります。ミラーレス車なら、狭い道路や駐車場でも対応がしやすく小回りも利きます。
デザイン性の向上
デザイン性の良さもミラーレス車のメリットです。これまで登場した各メーカーのミラーレス車を見たところ、いずれもすっきりスリムでスタイリッシュ。次世代を先取りしたかのような美しいフォルムは、ドライバーの気分を十分に満足させてくれることでしょう。
いいことばかりではない?ミラーレス車のデメリット
一見いいことづくしのようなミラーレス車ですが、デメリットもあります。
モニターの遅延
ミラーレス車の構造は、基本的にカメラがとらえた映像をモニターに映し出す仕組みです。したがって、微妙なタイムラグが発生する点は致し方ないと言えるでしょう。ただしカメラとモニターを使った視認システムの車への採用は歴史も浅く、メーカーのさらなる技術向上が期待できる分野です。
故障や不具合
カメラやモニターの故障や不具合に対する不安も、ミラーレス車のデメリットの一つです。ミラーなら割れない限り使用し続けられますが、カメラやモニターの場合はいつ故障や不具合が発生するかわかりません。万が一走行中に故障や不具合が起こると、後方確認ができないため非常に危険な状態となってしまいます。この場合は、その場で救助を呼ぶしかないでしょう。
価格が高額になりがち
ミラーレス車はまだ数が少ないことや精密機械を使用していることなどから、価格が高額になりがちです。やはりこちらも、今後の技術向上により一般大衆向けの価格に落ち着くことが待たれます。
現在発売中・今後発売予定のミラーレス車
ここでは、現在発売中及び、今後発売が予定されているミラーレス車の詳細をまとめています。
【発売中】レクサス新型ES
新ミラーレスシステム「デジタルアウターミラー」が話題になっているレクサスの新型ESです。2018年10月発売。デジタルアウターミラーにより、悪天候でも高い視認性が得られる上、運転状況に応じた画角の任意変更可能な点などが魅力です。レクサスのデジタルアウターミラーは、versionLのみオプションで装備できます。
・全長:4,975mm
・全幅:1,865mm
・総排気量:2,487cc
・乗車定員:5名
・車体価格:698万円(versionL)
・オプション価格:21万6千円
【2019発売予定】新型アウディ e-tron
2018年9月に発表されたばかりのSUV「新型アウディ e-tron」。発売予定日や価格は未定ですが、すでに業界の内外から高い注目を集めているEVです。その理由はサイドミラーの代わりに搭載された「バーチャルエクステリアミラー」。ミラーレスな近未来型コックピットはスポーティな外観にぴったりです。航続距離400km以上とのことで、ロングドライブを楽しむには十分なスペックと言えるでしょう。
・全長:4900mm
・全幅:1930mm
・乗車定員:5名
・価格:未定
発表されたコンセプトモデル
これまで、下記4車種がミラーレスカーのコンセプトモデルとして発表されています。
テスラ モデルX
2018年11月発表。サイドビューモニターを搭載し、シンプルかつしなやかなボディに仕上がっています。
BMW i8
2016年1月の「CES16」で発表されたBMWのプラグインハイブリッドカー。3つのカメラ映像を駆使した視認性の広さと、カメラ映像を活かした警告機能が特徴です。
レクサス LF-FC
レクサスからは、LF-FCのコンセプトが登場しています。初登場は2015年東京モーターショーです。燃料電池を搭載していることや近未来を感じさせるフォルムが話題に。
日産 IDS
こちらも初登場は2015年の東京モーターショー。ミラーレスなボディに先進安全装備も搭載し、未来の車として注目を集めています。
次世代の到来を感じさせるミラーレス車。現在はまだ各メーカー開発段階ですが、近い将来は「街角で見かける車のほとんどがミラーレス」、そんな時代が訪れるかもしれません。2019年以降の各メーカーの動向を、楽しみにしておきましょう。