車の最新技術
更新日:2019.03.26 / 掲載日:2018.08.30
2018最新!自動運転のレベルとは?レベル別搭載車種一覧をまとめて解説
![電波を受信する車](https://img.goo-net.com/sss/magazine/2018/08/30/5506c02dff8a0ac0ee2c96418cffd406.jpg)
いつ何時起こるかわからない交通事故。「平成29年版交通安全白書」によると交通事故死傷者は3,694人、負傷者数は579,746人で1970年の死傷者1万6765人をピークに年々減少しています。ところが目標を50万人以下と設定しているためか、なかなか減っていないのが現状です。
この原因は3つあります。
1高齢者人口の増加による運転ミス
2シートベルト着用率などの頭打ち
3飲酒運転による悪質事故件数の下げ止まり
中でも高齢者の死者数は全体の半数以上を占めています。これを解消の一助になると期待されているのが自動運転の実用化です。これにより事故ばかりでなく渋滞解消も見込まれ、スムーズでかつ事故のない道路環境を目指せる時代となります。
日本は「J3016」を採用。自動運転のレベルの定義について
自動運転は各国ごとに「レベル」が設定されており、日本では国際的な標準である「SAE(Society of Automotive Engineers)」(米国自動車技術会)の自動運転のレベル分け「J3016 (Sep2016)」を採用しています。「官民ITS構想・ロードマップ2017」によるとレベルは1から5までの5段階に分けられます。
【レベル1】
「安全運転支援システム(加速・操舵・制動のいずれかをシステムが行う状態)」
レベル1では自動ブレーキ、ACC(Adaptive Cruise Controlの略)「定速走行・車間距離制御装置」、LKAS(LANE KEEP ASSIST SYSTEMの略)「車線維持支援システム」といった各社が出している「安全運転支援システム」(Driving Safety Support Systems 略してDSSSとも)を行う状態のこと。
【レベル2】
「準自動運転走行システム(加速・操舵・制動のうち複数の操作をシステムが行う状態)」
レベル2では、加速・操舵・制動の組み合わせになります。しかし、加速と制動は同時にはできないので、「加速と操舵」か「操舵と制動」のどちらかになります。そのため、たとえば車線を維持しながら前の車について走る(LKAS+ACC)状態ならレベル2ということになります。
【レベル3】
「条件付自動運転」
レベル3では、加速・操舵・減速のすべてを自動車が行い、緊急時のみドライバーが対応する状態のこと。「エラーが出ました」という表示または音声が出たら対応するイメージとなります。
日本では2025年の自動運転社会の到来を見据え、2020年までにレベル3以上の市場化・サービス化の実現を目標として設定しています。
【レベル4】
「高度運転自動化」
レベル4は、完全な自動運転状態のこと。特定条件下において加速・操舵・制動のすべてをシステムが行うため、ドライバーは不要となります。2020年までには限定地域での無人自動運転移動サービスを行う予定です。
【レベル5】
「完全運転自動化」
常に全ての運転をシステムが行う状態のこと。
自動運転の現状について
2018年3月18日、Uberの自動運転車がアリゾナ州で歩行者死亡事故を起こし、大きなニュースとなりました。その2年前にはテスラが死亡事故を起こしていますが、これはハンドルを握るようにというシステムの警告を何度も無視したために起こった事故でした。
しかし、Uberの場合はレベル4の全自動運転のテスト中ということもあり、公道でのテスト走行はしばらく見合わせるとのことです。
一番の問題はシステムへの過信です。 また、ただ車に乗って安全かどうかを見ているだけではだんだんと疲れたり、飽きてきてしまったりするものです。レベル2では、何かあればすぐに運転を代わらなければならないため、すぐに代われる状態でいることが求められます。
レベル4や5になれば人は運転から完全に解放され、事故なし、渋滞なしといったメリットが得られるようになるでしょう。
日本で販売中の自動運転搭載車種
2016年8月に国産車としては初めてレベル2の自動運転機能搭載ミニバン「セレナ」を日産自動車が発売。さらに2017年7月独アウディが世界で初めて、自動運転レベル3に対応する自動運転機能を「新型Audi A8」に搭載すると発表し、2018年1月に販売を開始しました。
国土交通省の官民ITS構想・ロードマップによると2020年までに高速道路での自動運転可能な自動車を市場化、過疎地などでの無人自動運転移動サービス、2020年以降には高速道路でのトラック隊列走行を目標としているので、その間に自動運転の機能は向上していく予定となっています。
現状ではVWやVOLVO、メルセデスといった海外メーカーの方が勢いがありますが、国産の自動運転技術の搭載も進んでいます。まだ国産ではレベル1、2がほとんどですが、主な車種を紹介します。
トヨタ
ホンダ
対象の位置や速度の測定に強いミリ波レーダーと、対象の形や大きさの識別に強い単眼カメラを融合した「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を搭載。
・レジェンド
・アコード
スバル
ステレオカメラで常に前方を監視し、必要に応じて車両を制御することで安全運転をアシストする運転支援システム「アイサイト」を搭載。
・レガシィ B4
・レヴォーグ
マツダ
ミリ波レーダーやカメラなどの検知デバイスを用いた「i-ACTIVSENSE」。
・CX-5
2020年以降、自動運転が進めば、高齢者の運転事故もなくなるでしょう。
しかし、それだけではなく公共交通や人手不足に悩む物流業界にも変化が生まれます。
自動運転技術により私たちのライフスタイルもガラリと変える可能性を秘めています。