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更新日:2022.03.16 / 掲載日:2022.01.12
新型レクサス「LX」発売 フラッグシップSUVに新グレードも
レクサスは1月12日、新型SUV「LX」を全国のレクサス店を通じて発売した。メーカー希望小売価格は、12,500,000円~18,000,000円となる(10%消費税込み)。
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悪路走破性と上質さを磨き上げたフラッグシップSUV
LXは1996年に北米で発売されて以来、レクサスのフラッグシップSUVとして人気を博し、2021年12月末時点で世界累計約51万台を販売。新型LXは、伝統のオフロード性能とオンロード性能を両立し、多様化するニーズやライフスタイルに応えて開発された。
「信頼性」「耐久性」「悪路走破性」を確保するため、新GA-Fプラットフォームを採用。約200kgの軽量化、高剛性ボディの実現などを通じてクルマの素性を刷新。また、高出力で高トルクのV6 3.5Lツインターボガソリンエンジンや電子制御ブレーキシステム(ECB)、電動パワーステアリングシステム(EPS)を搭載。これら素性の刷新や新たなパワートレーンの採用が環境性能を向上させ、従来型と比べて車両使用時の年間CO2排出量はグローバルの全台数分で約20%低減すると言われている。
新型LXでは、専用設計を施した“EXECUTIVE”と、オフロード性能を高め、専用のエクステリアデザインを施した“OFFROAD”、2つのグレードが新規設定された。また、指紋認証スタートスイッチがレクサス初採用され、盗難リスクの低減に寄与する。
上質な走りの進化を実現した素性の刷新
新型LXでは、ボディオンフレーム構造は維持しながら、走りの進化を支える基本的な素性が抜本的に見直された。まず新GA-FプラットフォームをLEXUS初採用し、伝統のラダーフレームを刷新。高剛性(従来型比+20%)かつ軽量なフレームで、静粛性と走りの質を向上。また、パワートレーンの搭載位置を車両後方に70mm、下方に28mm移動し、従来型との車両重量比で約200kgの大幅な軽量化と低重心化、前後重量配分の改善が図られた。
エンジンフードには、軽量化のためアルミを採用。また、リインフォースの構造を最適化し剛性を担保しながら、衝突時に頭部への衝撃緩和に配慮した構造としている。なお、エンジンフード中央の凹形状は、前方の視認性や車両の傾斜感覚の得やすさに寄与するなど、機能に根差したデザインとなっている。
パワートレーンにおいては、3.5L V6ツインターボガソリンエンジン(V35A-FTS)が、V8 自然吸気エンジンからダウンサイジングしつつもターボ化により出力・トルクともに向上し、最高出力305kW(415PS)、最大トルク650N・mを発生する。電動ウェイストゲートバルブを採用し、過給レスポンス・出力・燃費・排気性能を向上。冷却用ファンを電気的にコントロールする電子制御カップリングファンシステムを採用することで、運転状況に応じたファン回転数の制御が可能となり、低燃費や空調性能の向上に貢献する。また、燃料タンク内で発生する燃料蒸発ガスをエンジンにて燃焼させることで、大気への流出を防止し大気環境への配慮を実現している。
Lexus Driving Signatureを追求したオンロード走行性能
街乗りでも上質なドライブを楽しめるよう、レクサス初のGA-Fプラットフォームの採用や軽量化などでクルマの素性を刷新。あらゆる走行シーンで減速・操舵・加速がシームレスに繋がる気持ち良さと、接地感・力感・安心感のある走りで「Lexus Driving Signature」をさらに深化させている。
従来の油圧式パワーステアリングシステムから、新規にモーターと減速機を用いた電動パワーステアリングを採用。ステアリングホイールは外周部を本革で統一し、内周部に本杢加飾を採用。操舵時の摩擦変化を少なくすることで、安定した操舵感をもたらす。
新型LXでは、フラッグシップSUVらしく静粛性も高められた。レクサス最厚という5.76mmのフロントドアガラス、ウインドシールドガラス、リヤドアガラスにアコースティックガラスを採用。静粛性を向上し、エンジンルーム内に遮熱性能を持ったダッシュアウターサイレンサーと隔壁を設定。さらに、インストルメントパネル裏に吸音材を配置するなど、車両全体に施された防音設備により、ロードノイズやエンジンノイズが低減されている。
また、アクティブノイズコントロールにより、オーディオ用スピーカーからこもり音制御音波を出力。エンジン系と吸気排気系のこもり音を低減することで、室内の静粛性を確保する。ドライブモードセレクトのSPORT S、S+選択時に、オーディオ用スピーカーを使用したエンジンサウンドエンハンスメントにより、アクセル開度やトルクに応じた臨場感あふれるエンジンサウンドを出力し、車両の加速感を演出してくれる。
伝統と先進が融合し、磨き上げられたオフロード走行性能
新型LXでは、悪路走破性をさらに進化。伝統の構造・ハード性能を磨き上げるとともに、オフロードでの運転を支える最新技術を導入することで、過酷な環境においてもより安心して運転することができる走破性を獲得した。
歴代LXの、黄金比と言えるホイールベース2,850mmを新型でも継承。対地障害角(アプローチアングル、デパーチャーアングル、ランプブレークオーバーアングル)などは従来型同等を維持している。そして6つのモードから選択できるマルチテレインセレクトを、新型においても採用。さらに、各種センサーの情報から走行中の路面状況を推定し、ブレーキ油圧、駆動力、サスペンション制御を最適化するAUTOモードを、レクサス初採用している。
機能性と優雅さ。レクサスの次世代デザイン言語に沿ったプロポーション
「Dignified Sophistication」をデザインキーワードした新型LX。本格オフローダーとしての走破性を備えながら存在感を放ち、都会で印象に残る大人のプロポーションが目指された。エクステリアでは、力強さとともに洗練され細部にこだわった造形を。インテリアでは、乗員にとって安心感やくつろぎ感のある室内空間を実現。また、コクピットは「Tazuna Concept」により視認性と操作性の良さを実現している。
インテリアでは、室内の造形や素材の美しさを際立たせる64色の室内イルミネーションを採用し、車内全体を彩る。そのうち14色を推奨カラーとしてプリセット。自由にセレクトしたい場合は、センターディスプレイでその他50色の中から選択でき、ユーザーの気持ちに寄り添った雰囲気を演出する。
多様化するニーズに応える、2つの新グレード“EXECUTIVE”と“OFFROAD”
次世代レクサス第2弾モデルであるLXは、多様化するニーズに応えて標準仕様に加え、新たに“EXECUTIVE”と“OFFROAD”を新規設定。“EXECUTIVE”では、オンロードはもちろん、オフロードでも快適に過ごせる機能を備え、移動時間に安らぎを提供。また“OFFROAD”では、悪路走破性を高める専用装備によって、レクサスの新たなオフロードイメージを提案している。
悪路でも快適な移動を提供する“EXECUTIVE”
後席の拡充とくつろぎに重点を置いたのが、4人乗り仕様の“EXECUTIVE”。“EXECUTIVE”専用のリヤシートは、頭部、腰、臀部を優しく包み込む凹形状のヘッドレスト、シートバック、クッションを採用。カーブでの横Gや路面の入力に対し、高いホールド性をもつ。また、クッションの臀部やシートバックには、形状の工夫により安心感のある姿勢を保てるようにするとともに、振動吸収性に優れたソフトウレタンが使用され、オフロード走行時にも不快な振動を効果的に抑えてくれる。
オーナメントパネルには、寄木細工の繊細さが映える「鷹羽(たかのは)」が新規開発された。鷹の羽根の紋様をモチーフに、三種類の杢を重ねた素材を、角度を変えながら三度にわたり切削を行うことで、「鷹羽」の紋様を浮かび上がらせたもの。「鷹」の勇猛さと美しさをイメージし、フラッグシップSUVに相応しい意匠としている。
悪路走破性を高めた“OFFROAD”
より高いオフロード走破性を発揮するために、3つのディファレンシャルロック(フロント・センター・リヤ)を標準装備。マットグレー塗装のホイールや、ブラック塗装のホイールアーチモール、黒光輝塗装を施したフロントグリルなどの専用エクステリアにより、力強い走破性を主張するデザインとした。
人間中心の考え方に基づいた先進安全技術と利便性向上
レクサスのスマートフォンアプリ「My LEXUS」で、見やすく使いやすくなり、G-Linkの新サービスへの対応も可能となった。「My LEXUS」では、スマートフォンでクルマの燃料残量や走行距離の確認が可能。さらに乗車前にエアコンを作動させておけるリモートエアコンなどのサービスも利用可能。新サービスの「マイカー始動ロック」では、「My LEXUS」からの操作により、任意の期間において車のエンジンを始動できなくすることが可能。車を使わない期間のセキュリティを高めることができる。また、レクサス初の指紋認証スタートスイッチが導入されるなど、セキュリティの向上が図られている。
サイドドアが半ドア状態において、イージークローザー機能により全閉状態にするサイドドアイージークローザー(フロント・リヤ)が設定され、ドアを閉める際の使い勝手がより一層向上している。
予防安全技術「Lexus Safety System +」を搭載。「プリクラッシュセーフティ」は対応領域を拡大し、低速時加速抑制などの機能も追加。同一車線内中央の走行を支援する高度運転支援機能「レーントレーシングアシスト」の車線認識に、AI技術を活用することで支援範囲を拡大し、よりスムーズで途切れにくい操舵支援を実現。そのほか、接触事故による被害の軽減に寄与するパーキングサポートブレーキや、車両周辺の安全確認をサポートするパノラミックビューモニターなど、先進安全装備が積極的に導入されている。
新型LX 主要諸元
全長 | 5,100(+20)mm |
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全幅 | 1,990(+10)mm |
全高 | 1,885(-25)mm ※22インチタイヤ装着車は1,895(-15)mm |
ホイールベース | 2,850(±0)mm |
パワートレーン | 3.5L V型6気筒インタークーラー付ツインターボ |
タイヤサイズ | 18/20/22インチ |
車両重量 | 2,540~2,600kg ※オプション非装着時の車両重量 |
( )括弧内は従来型比
新型LX メーカー希望小売価格
エンジン | トランスミッション | 駆動 | 価格 (10%消費税込み) |
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LX600
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“EXECUTIVE” |
V35A-FTS
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Direct Shift 10-AT
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AWD
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18,000,000円 |
“OFFROAD” | 12,900,000円 | ||||
12,500,000円 |