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更新日:2021.11.25 / 掲載日:2021.11.05
2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーの「10ベストカー」が決定

2021年11月5日、2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストカーが発表された。全29台のノミネート車のなかから、自動車ジャーナリストや有識者からなる60名の選考委員が投票を行って選出。なお、12月10日に最終選考会にてこの中から本賞が選定される。
(追記:2021年11月25日)
2021年11月25日、10ベストカーの試乗会が行われた。今回はCOTY選考委員の九島氏、竹岡氏のレポートをお届け!
トヨタ GR86/SUBARU BRZ

フルモデルチェンジを受けたコンパクトスポーツカーのGR86/SUBARU BRZ。先代同様、低重心FRパッケージのシャシーに水平対向4気筒エンジンを搭載し、走る楽しさを追求した。排気量は先代の2.0Lから2.4Lに拡大され、出力とトルクをアップ。スポーツカーとしてのポテンシャルも高められた。安全面では、スバルの運転支援システム「アイサイト」を搭載したこともトピックである。
トヨタ MIRAI

2代目となったトヨタの燃料電池車(FCV) のMIRAI。エクステリアはより洗練されたデザインとなり、所有欲を満たしてくれる。吸入した空気を綺麗にして排出する空気清浄システム「マイナスエミッション」という概念を導入し、走れば走るほど環境に優しいクルマとなっている。フロアトンネルのスペースを活用して水素搭載量を拡大し、発電効率も高めたことで、従来と比べて約30%航続距離を伸ばした。
トヨタ ランドクルーザー

70年という長い伝統を誇るトヨタのオフローダー、ランドクルーザー。新型は、GA-Fプラットフォームを採用し、先代モデルからおよそ200kgの軽量化を実現している。新開発のサスペンション、操舵アクチュエーター付きパワーステアリング、電子制御ブレーキなどの新機構を導入し、あらゆる路面を力強く快適に走ることが可能。パワートレインは、3.5L V6ガソリンツインターボ、3.3L V6ディーゼルツインターボを搭載する。
日産ノート/ノートオーラ/ノートオーラNISMO/ノート AUTECH CROSSOVER

日産のコンパクトカー、新型ノート。先代で初導入された「e-POWER」が引き続き搭載されるが、モーターとインバーターを刷新してより気持ちのよい走りを実現している。プロパイロットなどの運転支援システムを導入したことも特徴。また、より上質な内外装に仕立てた「ノートオーラ」も登場。コンパクトながらもプレミアムな佇まいが魅力の1台。そのほか「ノートオーラ NISMO」、「ノート AUTECH CROSSOVER」も用意された。
ホンダ ヴェゼル

ホンダのクロスオーバーSUV、ヴェゼルが一新された。クーペライクなプロポーションを際立たせ、先代よりもさらに存在感が高められている。室内は、全席で爽快な視界を確保する「スリーク&ロングキャビン」を採用し、さらに快適なドライビングが楽しめるようになった。パワートレインは1.5L 直4と同エンジンのハイブリッドで展開。後者は、WLTCモードで最大25.0km/Lの燃費性能を実現している。
三菱 アウトランダーPHEV

三菱 アウトランダー PHEVがフルモデルチェンジを受け、新型が登場した。三菱が培ってきた電動化技術と4WD制御技術の粋を集め、新世代プラットフォームを導入している。2.4L 直4にモーターを2基組み合わせ、さらに総電力量20kWhの大容量駆動用バッテリーを搭載することで、電気のみで約87km走行可能。アクセルペダルだけで加減速できる「イノベーティブペダル オペレーションモード」を設定し、走行フィールも向上した。
BMW 4シリーズ(クーペ/カブリオレ/グラン クーペ/M4クーペ)

BMWの上級クーペが4シリーズ。昔ながらのFRクーペを体現した美しいエクステリアが魅力で、新型は左右一体化された縦長キドニーグリルを採用している。パワートレインは、2.0L 直4ターボ、3.0L 直6ターボを搭載。後者は4WDを採用し、高速安定性を高めた。また、18秒で開閉可能な電動ソフトトップを備えたカブリオレ、4ドアを採用して実用性を高めたグランクーペ、走りの頂点に位置するM4も用意している。
シボレー コルベット

シボレー伝統のスポーツカー、コルベットが新しくなって登場した。C8と呼ばれる8代目は、コルベット史上初のミッドシップレイアウトを採用したのが話題となった。従来のFRよりもさらにスポーツカーとしての資質を高め、欧州の高級スポーツカーにも劣らぬ性能を身につけている。エンジンは、「LT2」と呼ばれる6.2L OHVを搭載し、8速DCTを組み合わせる。また、初の右ハンドル車を用意し、日本市場にも配慮した。
メルセデス・ベンツ Cクラス

メルセデスのミドルクラスセダン、新型Cクラスがデビュー。Sクラスとの繋がりを感じさせるエクステリア、より高級感と機能性を高めたインテリアが特徴。パワートレインは、1.5L 直4ガソリンターボ、2.2L 直4ディーゼルターボを用意し、好みに合わせた選択が可能となっている。両エンジンともマイルドハイブリッドシステムを採用し、燃費性能もアップ。また、ミドルクラスでは初のARナビゲーションを導入している。
フォルクスワーゲン ゴルフ/ゴルフ ヴァリアント

日本でも人気の高いVWゴルフが一新され、8代目が登場した。新型ゴルフは「デジタル化」、「電動化」、「ドライバーアシスタンス」において大きく進化。同社では初の48Vジェネレーター+リチウムイオン電池を組み合わせたマイルドハイブリッドを導入。室内は10.25インチの液晶ディスプレイを全車標準採用し、次世代感のあるコックピットとなった。そのほか、「エマージェンシーアシスト」などの運転支援システムも盛り込まれている。
10ベストカー試乗会レポート(2021年11月25日追記)

11月24日、選考委員の10ベストカー試乗会が行われ、モデルが集結。クルマを乗り比べ、どの車が日本カー・オブ・ザ・イヤーにふさわしいか総チェックできる場である。当日は天候にも恵まれ、参加者は車を乗り換えながら、大いに盛り上がった。グーワールドおよびグーで推薦している選考委員の2名に当日の様子をコメントしてもらった。
自動車ジャーナリスト:九島辰也氏

毎年そうだが、日本カー・オブ・ザ・イヤーはとてもユニークだと思う。10年以上選考委員をさせていただいているが、自分以外の票が読めない。各賞の前に10台を選ぶ“10(テン)ベスト”があるのだが、必ずしも自分が選んだ10台が残るとは限らないのだ。今回も10台中3台が「他の人はコレを選んだんだ……」ってことになった。まぁ、選考委員は60名なのでバラけて当然だし、それがあるからおもしろくもあるんだけどね。
と言うことで、今年の10台を並べて最終チェックする試乗イベントが行われた。並んだのは実にさまざまなジャンルのモデル。コンパクトハッチからビッグサイズSUVまで色とりどり。パワーソースもハイブリッドや水素エンジンがあればアメリカンV8もある。かなり刺激的だ。さて、その結末は。本賞の発表は12月10日となる。
自動車ジャーナリスト:竹岡圭氏

日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員60名の選考基準は十人十色。自動車ユーザーのライフスタイルやニーズ、求める思考嗜好も十人十色。さまざまな角度からの見方があるからこそ、現実味があるわけで、そうして選ばれた10ベストカーたちは、いまの世相を映し出す鏡とも言えると思います。
そのクルマたちに、同じ場所で、同じ日に、一度に試乗できる。そんな貴重な機会を設けていただいたことに、まず感謝しきりです。自動車メーカーの方々、実行委員会の方々、そしてスタッフのみなさま。本当にありがとうございました。
やはり、その世代を代表する10台のクルマたちが一堂に会する場というのは、もうそれだけで華やかですよね。改めてクルマの持つ力というものを感じました。
コロナ禍でなかなかお会いできていなかった方々ともお話することができ、皆さま笑顔だったのが印象的でしたし、また改めて人と人が顔を合わせることの大切さが、心にジワリと染みわたりました。
心を通わせることができるものには「愛」がつくというのが、私のモットーなのですが、クルマは「愛車」とも呼ばれますよね。ここに選ばれたクルマたちが、愛を持って街を華やかに彩る…。そんな光景に立ち会えることを、嬉しく有難く思います。