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掲載日:2021.12.03 / 更新日:2021.12.03
まもなく発表される2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーを楽しむために伝えたいこと

文●九島辰也 写真●日本カー・オブ・ザ・イヤー
今年も日本カー・オブ・ザ・イヤーの時期がやってきました。1年の締めくくりといった季節ですね。身が引き締まります。
日本カー・オブ・ザ・イヤーはその年の1年間にリリースされたクルマからエントリーモデルを募り、それを評価するものです。名前は聞いたことあるますよね。年末になるとテレビCMで「日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞!」なんてセリフが大賞を獲ったクルマに流れます。ディーラーでセールストークのひとつにでもなれば選んだ方としても嬉しいです。
そのアワードの選考委員を10年以上やらせていただいています。年間にほとんどの新車をテストドライブするので、やりがいはありますね。その都度クルマのインプレッションを記事にしていますが、最終的にどれが“今年の顔”になるのか真剣に考えるいい機会です。まぁ、かなり悩むので疲れますが。この時期は毎年体重が2,3キロ減ります。
さて、今年ですが、先日まずは10台に絞られた“10(テン)ベスト”の最終試乗会が行われました。場所は千葉にある袖ヶ浦フォレストウェイ。そこに10モデルを一斉に揃え、最終確認をおこないます。春先に試乗したモデルは記憶が薄くなっていますからいい機会です。そもそも話題のクルマは雑誌の企画などで何度か乗る機会がありますが、そうでないものはステアリングを握るタイミングはそう多くありませんので。
今年のイヤーカー候補となるのはこちらの10台
日本カー・オブ・ザ・イヤー2021−2022の10台は以下の通りです。
- トヨタ GR86/スバルBRZ
- トヨタ ミライ
- トヨタ ランドクルーザー
- 日産 ノート(ノートオーラなどのファミリー)
- ホンダ ヴェゼル
- 三菱 アウトランダー
- BMW 4シリーズファミリー
- シボレー コルベット
- メルセデス・ベンツ Cクラス
- フォルクスワーゲン ゴルフ
ユニークなのはクルマのジャンルもパワーソースもバラエティに富んでいること。ミライのように水素を使ったEVもあれば自然吸気のガソリンエンジンもあります。それも4気筒とV8。もちろん、そこにプラグインハイブリッドもあるし、マイルドハイブリッドも並びます。パワーソースに関しては過渡期であることを伺わせます。そう考えると、今後EV系が増えてくるのは間違いありませんね。見事に時代を反映しています。
SUVに偏らないのもユニークポイントだと思います。ご存知のようにSUVは世界的なトレンドでモデル数もどんどん増えていますが、今回はクーペあり、セダンあり、コンパクトハッチありとさまざま。たぶん、そこはトレンドだけでなく、基本的にクルマ好きが集まっていることの証明なんでしょうね。グローバルで手がけている技術を鑑みながら走らせて楽しいことも高く評価されます。
60人の選考委員がそれぞれの価値観で“今年の1台”を選ぶ
それではこの10台からどうやって本賞を決めるかですが、実行委員が選んだ60名の選考委員が投票します。評価基準は人それぞれ。そりゃそうですよね。ひとくちにモータージャーナリストと言っても、専門のフィールドは違いますし、乗る機会の多いモデルも異なります。国産車をメインにしている人もいれば輸入車の人もいます。それに先行技術を高く評価する人もいれば“走り”にこだわるのも。さらにいえば、実際に売れているクルマを一番に置くこともできますし、コストパフォーマンスを重視するのもアリです。もちろん、それ以外にもみなさん色々な経験をお持ちですから、ブランドの進化を見ている人も多いでしょう。60人じつに個性豊かで、選考結果が楽しみです。
ということで、この賞にご興味をお持ちの方は12月10日を期待していてください。日本カー・オブ・ザ・イヤーのホームページ(外部サイト)をご覧いただくとわかりますが、18時からYouTubeでライブ配信されます。前述したことを踏まえ、「この選考委員は何を基準にしたんだろう」なんて推測しながらご覧いただくとより楽しいかもしれません。本賞には選考理由も発表されますから、それを読むとわかりやすいかと。え、私は何を選んだかですか? それはまだ内緒。10日をお待ちください。10年後振り返って「あの年はあのクルマだったなぁ」なんて基準で選びました。まぁ、人それぞれですけどね。みなさんも自分のイヤーカーを考えてみてください。自分が何を基準に置くかあらためてわかります。
ということで、来週10日をお楽しみに!