69年製オースチン社ロンドンタクシーがEVで蘇る　岡山

　交通運輸業などを展開する両備ホールディングス（所在地：岡山市北区）は9月21日、同社の社内カンパニーで自動車整備業などを展開する両備テクノモビリティーカンパニー（所在地：岡山市南区）が1969年製英国オースチン社製ロンドンタクシーを、レストアとEVコンバージョンの技術でEV車として復活、その姿を公開した。
　同車両は今後、両備ホールディングスの役員車として使用される予定。

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1978（昭和53）年にロンドンから輸入　近年は各種イベントで展示されていた

　今回EV化したロンドンタクシーは1978（昭和53）年、両備ホールディングスの前身会社であった両備バスの松田基社長（故人）が、ヨーロッパ視察に行った際にロンドン市から買い入れた車両で、買い取る直前まで運行していたという。
　輸入直後しばらくは同社が経営するドライブイン「リョービガーデン」（岡山市北区）で展示していたが、近年は自家用プレートを取得してイベントなどへ展示車両として貸し出していた。
　車両の各所に経年劣化が見られていたが、今回のレストアにより当時の姿のままで新車同様の状態に復元、さらにEVコンバージョンを施し実働可能なエコ車両として車両本来の機能も取り戻した。

EVコンバージョン事業化の一環　クラシックカーや旧車が持つ可能性を引き出す

　両備テクノモビリティーカンパニーは両備バス両備バス整備工場を前身としており、バス、タクシー、トラックなど、あらゆる車両の整備を通じて培った実績と技術力で、両備グループの100有余年の歴史を支えてきた実績を持つ。
　2012年より、経営テーマに掲げる「安全・安心・エコで健康」に沿った新たなものづくりを目指す一環として軽トラックを電気自動車にコンバートするなど、環境問題改善に寄与する取り組みを実施。
　現在、同社では130人の整備士を抱えており、彼らの技術力を存分に生かすものとしてレストア・EVコンバージョンを主とする事業を始動、今回のロンドンタクシーもその事業の一環として復元が行われた。
　同社では今後、オリジナルEV車両の開発およびEVコンバージョンの量産化を目指し、ハイレベルなレストア技術によってクラシックカーや旧車が持つ可能性を引き出していくとしている。

車両概要

使用車両：1969年10月製造 箱型オースチン
車両寸法：全長4.65m、幅1.76m、高さ1.73m
乗車定員：6人（運転手含む）
最大積載量：330kg
車両総重量：1,860kg
バッテリー：360V（12V×8個） リチウムイオンバッテリー
充電電源：AC100V／200V（家庭用電源）
充電時間：8時間（100V電源の場合12時間以上）
走行距離：100～120km（坂道などの路面状況により異なる）
開発費用：計710万円（レストア 310万円、EV化 400万円）

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