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更新日:2021.03.22 / 掲載日:2021.03.22
フォルクスワーゲン 2030年までのバッテリー・充電に関するテクノロジー・ロードマップ発表

「Power Day」で2030年までのバッテリー・充電に関するテクノロジー・ロードマップが示された
フォルクスワーゲン グループは現地時間3月15日、同社初の「Power Day」を開催し、2030年までのバッテリーおよび充電に関するテクノロジー・ロードマップを発表した。
同会では、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド(PHEV)などのe-モビリティ普及の目標として、バッテリー生産工程の複雑さとコストの削減を提示。
その達成のための、バッテリー生産体制の整備や、急速充電ポイントの拡充など具体的な施策が語られ、電気自動車普及のカギを握る今後10年間の活動指針を示す内容となった。
バッテリーの生産能力拡大と統一規格によるコスト削減で、e-モビリティの価格低減図る

トーマス・シュマル テクノロジー担当取締役 兼 コンポーネンツ最高経営責任者(CEO)
同社では、e-モビリティを将来の中核事業に据え、テクノロジー・ロードマップの整備を推進。そのかじ取りを担うトーマス・シュマル テクノロジー担当取締役 兼 コンポーネンツ最高経営責任者(CEO)は、バッテリーセル生産能力の拡大化と、生産時のコスト削減という二つの目標を掲げた。
バッテリーセル生産能力の拡大についてトーマス氏は「2030年までにヨーロッパで合計6か所のセル工場を建設、稼働させ、安定供給を実現したいと考えている」と意向を語った。すべての新しい工場が完成すると、総エネルギー量年間240GWhのバッテリーセルが生産可能となり、EUが掲げる「グリーンディール」の目標達成に積極的に貢献することに繋がるという。その第一段階として、スウェーデンのシェルレフテオーとドイツのザルツギッターでそれぞれ工場を操業させる。
また、トーマス氏は「バッテリーのコストを削減して生産の複雑さを軽減すると同時に、航続距離とパフォーマンスの向上を目指す」と、生産量と品質の向上を目標に設定。製品のリサイクルを含め、バッテリーセル生産工程に統一規格を設けることで、コストダウンを図る。トーマス氏は「バッテリーシステムのコストの削減がe-モビリティの価格低減に繋がり、(ユーザーに選ばれる)主要なドライブテクノロジーになるだろう」としている。
関係企業と提携し、グローバルな急速充電ネットワークの拡大へ

充電設備のイメージ
フォルクスワーゲンはそのバッテリー攻勢に合わせて、急速充電ネットワークの大規模な拡大へ向けても動き出す。ヨーロッパ圏内の電力会社と提携し、2025年までにヨーロッパに約1万 8000か所の公共急速充電ポイントを運営するという具体的な計画を明らかにした。この計画が実現すれば、現在と比較して急速充電ネットワークが5倍に拡大し、2025 年にヨーロッパ大陸で予測される総需要の約3分の1をフォローできるとしている。
また、急速充電ネットワークの拡大については米国と中国でも計画されており、北米では年内で約3500か所の設置計画があるという。さらに中国では2025年までに1万7000か所の急速充電ポイント設置を目標としている。