車のニュース
更新日:2018.11.14 / 掲載日:2017.11.29
日産GT-R 1号車がS耐岡山戦に参戦!

降りしきる雨の中、シリーズチャンピオンになるための最低条件は『優勝』
10月14‐15日、スーパー耐久レース第6戦が岡山国際サーキットにて開催された。ポイントランキング2位の1号車 スリーボンド日産大学校GT‐Rは1位のARN Ferrari 488 GT3に19ポイントの差がつけられており、2年連続のシリーズチャンピオン獲得には非常に厳しい状況。しかし、チームは誰一人として諦めていなかった! 気持ちは1つ。“優勝して、逆転シリーズチャンピオン獲得!!”
10月12日(木)から京都校の学生スタッフは岡山入りしたが、どの日もスッキリとしない気まぐれな天候がドライバー、チームを悩ませ、非常に難しいコンディションの下での戦いとなった。
予選
どんよりとした雲に覆われた空。時折、雨がぱらつく場面も見られたが、ドライコンディションの中予選が行われた。前日のフリー走行からも細かな足回りのセッティングの変更を重ね、そのかいありAドライバーの内田優大選手は2位と好成績だった。続くBドライバーの藤井誠暢選手は遅い車に詰まる場面があり、思ったようにペースを上げることが出来ず5位という結果にとどまる。決勝のグリッドはこのA,・Bドライバー合算タイムで決定する。No.1スリーボンド 日産自動車大学校 GT-Rは予選4位につけた。しかし、その後にポールポジションを獲得したNo.8 ARN Ferrari 488 GT3が規則違反によりA・Bドライバーのタイム抹消によりNo.1スリーボンド 日産自動車大学校 GT-Rが一つ順位が繰り上がる。
ドライバーインタビュー
予選走行を終え、決勝を明日に控えたドライバー 藤井誠暢選手・内田優大選手・平峯一貴選手にお話を聞くことができました。
Q:フリー走行と予選を終えてみて、車両と選手のコンディションはどのように仕上がっていますか?
A:内田選手:藤井選手から細かい説明があるが、雨のセッティングは進んでいる。ドライに少し問題があるがそれも解決の方向に進んでいる。選手の体調のほうも毎日しっかり休んで、食事もおいしいものを食べてしっかりコンディションを整えているので問題ないと思う。
Q:車両説明をお願いします。
A:藤井選手:今シーズンからタイヤが変わったためそれに合わせたセッティングを行っているが、今回は雨というGT-Rが比較的苦手な状態でチャンピオン争いをしているフェラーリに、少しでも追いつくという意味で雨のセッティングを行っている。何が起こるかわからないこの長いレースにおけるベストな車は作ったので、雨の中でもいいレースは出来ると思う。
Q:学生がレース活動に参加していることに対してどのように感じるか?
A:平峰選手:スーパーGTなどのトップカテゴリのレースに参加させてもらっているが、そのメカニックの人たちと全然表情が変わらないくらい真剣に取り組んでもらっていると思う。やることや道具の使い方などわからなくても先輩に教えてもらいながらでも真剣に取り組んでいるのはプロの世界でも同じ事で、同様に取り組んでもらっていると感じている。
Q:決勝への抱負を聞かせてください。
A:内田選手:今季最終戦なので三人とも悔いのない走りをしたいと思うし、当然ながら優勝も狙ってやるべき事をやって人事を尽くして天命を待つ。
藤井選手:現実的にポイントは20点差のランキング2位でかなり厳しい条件だがその可能性に掛けて仲間とともに明日一日を一生懸命走りたい。
平峰選手:最後までやりきるということを学生の皆と一緒に取り組みたいと思う。チャンスが少なくても可能性はあるので皆で最後まで気を抜かずに取り組みたい。
決勝
朝から止むことのない雨のもと決勝が始まった。スターティンググリッドは予選で2位のNo.99 Y’s distraction GTNET GT-Rがペナルティにより3グリッド降格となりNo.1スリーボンド 日産自動車大学校 GT-Rは1つ繰り上がりフロントローからのスタート。雨は激しく降り、セーフティーカー先導のもとスタートとなった。優勝が絶対条件のNo.1スリーボンド 日産自動車大学校 GT-R、果敢に攻めるも藤井選手が言うようにGT-Rにとっては苦手なウェットコンディションの影響だろうか、次第に後退してしまい5位に。その後何とか順位をあげるも、4位でのフィニッシュとなった。
このため、総合ポイントは一歩及ばず、シリーズランキング2位という結果で今シーズンを終了した。
しかし、前年度チャンピオンというプライドを持ち、いかなる状況でもあきらめずに果敢に挑み続けた今シーズンは2位となっても決してカーNo「1」として恥じない、来シーズンにつながる結果と言えよう。
決勝レース結果
Pos. | No | TEAM | LAP | TIME |
---|---|---|---|---|
1 | 777 | D’station Porsche | 102 | 3:01′42.350 |
2 | 3 | ENDLESS・ADVAN・GTR | 102 | 3:02′18.094 |
3 | 99 | Y’s distraction GTNET GT-R | 102 | 3:02′20.518 |
4 | 1 | スリーボンド 日産自動車大学校 GT-R | 102 | 3:02′29.500 |
学生活動
テクニカル
タイヤ脱着や車両清掃、アライメントなど教わりながら作業しますが、多くの学生にとっては初めての作業ですので、慎重に作業していきます。車両清掃はこのプロジェクトを支援してくださっているスポンサー様の名前がしっかりと確認できるように丁寧に拭き上げます。
ドライバーサポート
ドライバーの身の回りのお世話をします。ドリンクを渡したり、ヘルメットを管理したりと次の走行に集中していけるようにサポートします。
マネジメント
スポンサーである象印さんのジャーやポットでご飯、みそ汁を作って暖かい状態でお客様へ提供します。特にご飯はお米を洗い、水加減を調整してご飯がふっくらと炊きあがるようにします。
ピットウォーク
ドライバーやマシンを間近で感じられるモータースポーツファンにとっては楽しみのイベントでもありますが、学生は多くの人が行き交うこの時間を使ってスポンサー企業のアイテムを渡すと同時に、「日産自動車大学校」を知ってもらうために大きな声で学校名を叫びます。
STO(スーパー耐久機構)のお手伝い
学生スタッフはチーム内の作業だけでなく、STOの作業サポートもさせていただきました。車検やタイヤマーキング、レースクイーンへのブリーフィングの受付などレース全体に関わるものなので、緊張と共にやりがいのある作業でした。
さいごに
この活動も発足してもう6年目になりました。ここまで継続できているのは、ひとえに活動の応援・支援をしてくださっているスポンサーの皆様、KONDOレーシングチームの皆様のおかげです。
惜しくも、あと一歩シリーズチャンピオンには手が届きませんでしたが、最終戦まで接戦を繰り広げた今シーズンは、チャンピオンの座 奪還のためにきっと来シーズンにつながるものと確信しています。
また、来年になると日産自動車大学校の各校の学生スタッフも新しいメンバーが入ってきますが、先輩後輩問わず目指す方向はみんな同じですし、ぶれることはありません。僕らはその「思い」をつないでいきます。
今年も一年間ご支援、ご声援ありがとうございました。引き続き来年もスリーボンド日産自動車大学校GT-Rへの応援をよろしくお願いいたします。