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更新日:2026.05.19 / 掲載日:2026.05.19

FJは本物のランクルか!? 期待の新型を考察【九島辰也】

文●九島辰也 写真●トヨタ

 5月14日、ランクルFJが発表されました。注目のモデルです。昨年のJMS(ジャパン・モビリティ・ショー)で話題になりましたよね。SUVブームが一巡して起きた本格クロカンブームに乗っての登場です。“ランクル”の文字が付いていますから、マーケットの期待は大きく膨らんでいます。

 気になるプライスは約450万円。ネットサーフする限り、この値付けの評判は良いようです。が、個人的には少々高く思えます。ランクル70が480万円ですし、ランクル250が500万円台前半からスタートするのであれば、420万円とか398万円でもおかしくない気がします。車格から見たバランスを鑑みるとそんな感じかな。

歴代ランドクルーザー

 ですが、現実にはランクル70はもちろん、250もディーゼルエンジン搭載車はディーラーに行っても買うことはできません。そのため、中古車マーケットではとんでもない価格で取引されています。ランクル70は700万円台から800万円台が多くを占めます。私は発売当日ディーラーへ行って買えなかった中の一人なので、その価値はわかります。それにプレミアム価格がつくのは市場の原理。とはいえ、いくらなんでも高すぎるような……。

 それを考えると、ランクルFJは転売を見越した値付けかもしれません。あまり安くすると、転売ヤーたちがこぞってディーラーへ行きそうです。すると、このクルマもまた新車が買えなくなり、すぐ500万円とか600万円で中古車ショップの店頭に並びます。“ジムニーの大きい版”と考えれば、そんな現象が想像できますよね。歓迎しませんねそれは。欲しいものが買えないストレス社会はどうにか是正しなくては。

 パワートレインは、2.7リッター直4ガソリンエンジン+6速スーパーECTという組み合わせで、最高出力163ps、最大トルク246Nmとなります。まんまランクル250のVXグレードと同じ。その意味でこのエンジンは汎用性があって信頼できます。WLTCモードの走行燃費は8.7km/L。でもどうなんだろう。後からディーゼルエンジンを追加したりしないのかな。

トヨタ ランドクルーザー FJ

 駆動方式はパートタイム4WDです。よって、デフォルトはFR。日常は2WDで走ることになります。気になるのは、電動リアデフロック機能が付いていること。ちょっとした悪路での走破性を担保するものですが、これは“ランクル”の名前に恥じないための装備でしょう。雨上がりのキャンプ場にありがちな泥道で役に立ちそうです。センターデフロックはないのかな。フロントは当然ないでしょう。そこまでヘビーデューティーな走りを期待するモデルでもないし。一度開発陣にインタビューしたいですね。IMVシリーズのプラットフォームにどこまで手を入れたか知りたいところです。

 では注目ポイントですが、個人的に言及したいのはラダーフレームの構造です。フツーの自動車専門誌ではスルーする箇所でしょうが、そもそも業界のスタートが四駆雑誌だった身からして、そこは気になります。というのも、ランクル300の時の開発者インタビューでわかったのですが、ラダーフレームは進化しているからです。オールドスクールなボディ構造だけに、古いものを使い回していると思いきやそうではありません。

 ランクル300は素材から違います。これまでの汎用的なスチールを見直し、適材適所に超高張力鋼板を多用します。また、フレームの断面図を見るとわかりますが、形状を変えて剛性を上げました。解析技術が上がった結果、形状から再設計しています。そのほかでは、スポット溶接箇所を増やしたり、モノコックにも使う溶接技法をラダーにも応用したりしています。ランクル300はこうした努力でラダーフレームのねじれ剛性や横剛性を高めました。なので、FJではそれをどう活かしたのか気になります。

トヨタ ランドクルーザー FJ

 サイズは全長4575mm、全幅1855mmで、それぞれランクル250に比べ、-350mmと-125mmとなります。ホイールベースも2580mmですから-270mm。扱いやすさは良さそうです。ランクル250は思いのほか大きかったですから、そこからの乗り換えがあるかもしれません。

 販売は月販基準台数1300台。生産工場はトヨタ・モーター・タイランドのバンポー工場となります。はたして、需要と供給のバランスはどうなるのか。そしてカスタム車両としてどこまで対応できるのか。四駆好きの目線からも興味が募ります。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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