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更新日:2018.11.10 / 掲載日:2015.11.19
【ボルボ】自動運転に向けた新技術「コンセプト26」を開発

ユニット・コンパス/Goo-net編集部
ボルボ・カーズが、自動運転が実用化された際、車内で過ごす時間をより有意義にするための新技術「コンセプト26」を開発した。ボルボ・カーズが行っている自動運転のリサーチによって、長距離の高速道路の運転と並んで毎日の自動車通勤が運転の喜びを奪っていることが判明。北米における自動車通勤の平均時間26分にちなんで、新たな取り組みに「コンセプト26」と名付けた。
自動車通勤の26分間をストップ&ゴーを繰り返すだけではない有意義な時間にするため、ボルボはドライバーに運転の自由と選択肢を与える取り組みに着手した。運転を積極的に楽しむ時間と、運転をクルマに任せて運転以外のことをする時間をわけ、後者についてドライバーのより細かなニーズを満たせる仕組みを模索している。
コンセプト26は、完全な自動運転が実用化された際の時間の使い方に注目し、「ドライブ」、「クリエイト」、「リラックス」という3モードに合わせて着座位置を調整するまったく新しいシート設計をベースに開発が進められている。ボルボが特許を持つ3モードが選択可能なドライバーズシートをコンセプト26と組み合わせた革新的なプラットホームは、通勤時間を創造的に使いたいと考える人にも、オンラインメディアを見たり音楽を聴いたりしながら寛ぎたいと考える人にも、最適な空間を提供することができる。
ドライバーが自動運転を選択すると、ステアリングホイールは遠ざけられてシートが後方に倒れ、ダッシュボードからは大型ディスプレイが出現する。コンセプト26は、自動運転によって大きな変革がもたらされるクルマのインテリアの基本デザインを提案し、日常生活の一部となっているテクノロジーを使用したエンターテインメントから既存のサービス、新たなサービスまで、自動運転によって生まれる車内の新しい可能性を見せてくれる。
ボルボの研究開発担当上級副社長、ピーター・メルテンス氏は「自動運転車が将来的に人々にもたらす課題や機会について、ボルボは長年にわたって研究を重ね、理解を深めてきた。新開発のモジュラープラットフォーム“SPA(Scalable Product Architecture)”が実現したエンジニアリングとデザインに対して柔軟にアプローチをすることで、自動運転コンセプトをすぐに現実にすることができる」と言う。また、「ボルボは自動運転車とその責任について最初に名言した自動車メーカーのひとつ。自動運転モードで走行している際には、車両の動作に対して自動車メーカーが全責任を負うべきだと考えている。もし自動車メーカーが責任を回避すれば、自動運転技術が信頼されないのは明白だ」と付け加えた。
ボルボは、2013年にスタートした自動運転プロジェクト「ドライブ・ミー:持続可能なモビリティのための自動運転」の一環として、一般ユーザーが所有する複数台の自動運転車をイェーテボリ市周辺の一般公道で走行させる実証実験を2017年に予定している。