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更新日:2018.11.10 / 掲載日:2015.11.04
【ボルボ】オーストラリアで「対カンガルー安全テスト」を開始

ユニット・コンパス/Goo-net編集部
ボルボが、オーストラリアで多発しているカンガルーとの衝突事故を減少させるため、カンガルー検知技術の開発をスタートさせた。オーストラリア自動車ロードサービスによると、オーストラリアではカンガルーとの衝突事故が毎年2万件以上発生し、7500万豪ドルを超える自動車保険が請求されているという。事故による死者や重傷者を減らし、経済的損失を抑制するため、ボルボはレーダーとカメラを使った独自の衝突回避・被害軽減システムの開発に着手した。
カンガルーとの衝突事故は高速走行中に発生することが多い。市街地走行に重点を置いたボルボの歩行者検知機能とは別に、高速走行時を重視した検知機能の開発が必要となる。また、俊敏で予測しにくいカンガルーの動きの解析も必須だ。スウェーデンでは野生動物が走行時の脅威となることも多く、ボルボは動物との衝突を回避するための研究開発を行ってきているが、ヘラジカやトナカイ、牛など大型で比較的動きが遅い動物を対象としており、これらの動物より小型で俊敏なカンガルーにそのまま適応することはできない。
ボルボの安全技術者チームは、オーストラリアの首都、キャンベラ近郊にあるタイドビンビーラ自然保護区周辺の道路沿いで野生のカンガルーの行動を観察・記録し、収集されたデータを元に世界初の対カンガルー安全技術の開発を進めている。カンガルー検知技術の研究は、ボルボの新車に乗車中の死者および重傷者を2020年までにゼロにするという目標の実現に向けた重点研究のひとつ。ボルボの上級セーフティエンジニアであるマーティン・マグナッセン氏は「実際にカンガルーがいる状況でテストを重ね、我々が持つテクノロジーを改良していくことで、高速道路でカンガルーを検知し事故を回避できるようになると確信している」と述べた。