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更新日:2018.11.10 / 掲載日:2015.02.20
【ボルボ】凍結路面での事故防止実証実験に1000台を投入
ユニット・コンパス/Goo-net編集部
ボルボは、スウェーデン運輸管理局、ノルウェー道路庁などが共同で研究開発に取り組んでいる「路面情報共有プロジェクト」に1000台のテスト車両を投入する。クラウドネットワークを活用して凍結路面などの道路状況の情報を車両間で共有するシステムは交通安全を向上させる革新的な手法であり、テスト車を50台から1000台に増やすことでプロジェクトの数年以内の実用化を目指す。
路面情報共有プロジェクトは基礎開発を終え、実用化に向けた試験の実施と検証を行う段階に突入した。このタイミングでテスト車の台数を20倍に増やすと同時に、試験地域もスウェーデンの港湾都市イェーテボリ、ノルウェーの首都オスロというスカンジナビアの2大都市を含むエリアに拡大する予定だ。実験の規模を拡大することにより、実際の冬の交通状況の下でシステムが正常に機能するかなど、より確実な検証を行うことができるようになる。
路面情報共有プロジェクトは、道路沿いに設置されている既存の測定所を補完する施策として、凍結路面の状況を道路管理者に送信。収集したデータは、道路管理者や管理業務の委託業者が冬場の道路の維持管理を計画し実行するにあたって、状況の変化に迅速に対応するためにも役立てられる。
路面の警告システムを構築することで、刻一刻と変化する路面上の危険などを他のドライバーに知らせることができるようになる。さらに、近くにハザードランプを点滅させている車両が停車している場合にドライバーに知らせる「ハザードランプ警告システム」も追加する予定。将来的には、このふたつのシステムをプラットフォームの中核として、新たな安全システムを開発していく。
ボルボのITS(インテリジェンス交通システム)プロジェクトリーダーのエリク・イスラエルソン氏は路面情報共有プロジェクトについて次のように述べている。「運転中に共有できる情報が多ければ、ドライバーはより安心して運転することができる。将来は、車両間および車両とインフラストラクチャのあいだで重要な情報交換が増えるだろう。この分野は、より安全な交通環境の整備実現、運転の快適性の向上、交通の流れの円滑化などに対して大きな可能性を秘めている。ボルボは“2020年までに新しいボルボ車において、交通事故による死亡者や重傷者をゼロにする”という安全目標を掲げているが、路面情報共有プロジェクトは実現に向けて重要なファクターのひとつとなっている」。 なお、路面情報共有プロジェクトは、スウェーデン運輸管理局が主導し、ボルボ、ノルウェー道路庁、Klimator AB、RoadIT、ルレア工科大学、スウェーデン国立ろう路交通研究所、イェーテボリ・タクシー協会、イェーテボリ大学の協力を得て推進されている。
凍結路など滑りやすい路面の警告システムを構築することで、凍結路面などの存在を他のドライバーに知らせたり、冬の道路の維持・管理を効率的に行ったりすることができるようになる。