車のニュース
更新日:2025.12.23 / 掲載日:2025.12.23
アメリカからやってくるトヨタに興味津々【九島辰也】

文●九島辰也 写真●トヨタ、九島辰也
トヨタからとても興味深いニュースが発信されました。なんとアメリカ生産のモデルを日本へ逆輸入するというのです。名前が出たのは、4ドアセダンのカムリ、SUVのハイランダー、それとフルサイズピックアップのタンドラです。2026年、つまり来年から順次販売を開始するとアナウンスされました。
もちろん、この背景には日米の貿易関係に大きく寄与します。話題となったトランプ関税に対する日本側の姿勢といったところでしょう。アメリカ車を輸入する手もありますが、この方が両国的にウィンウィンになりそうです。

今回の事案は、アメリカ側にとって自国の生産工場が活発に稼働すれば雇用が生まれたり税金を徴収できたりしますし、日本ではトヨタのラインアップが増えることで選択肢の幅ができます。また、トヨタ車であれば購入後のメンテナンスも心配いりません。既存のディーラーで対応することができます。まぁ、ディーラーに負担はかかりますが、もはや数少ないGMディーラーや一度撤退したフォードの販売網をゼロから構築するよりは何倍も楽です。

ところで、トヨタの北米市場向けモデルについては皆さん認識していますでしょうか。あちらには日本では販売されていない魅力的なモデルが数多くあります。個人的には大昔に左ハンドルの70系スープラを輸入しようとしたことがあります。Tバールーフの左ハンドルに憧れました。ピックアップトラックもそうです。欲しかったのはタコマ。特に初代はカッコよかった。学生時代ダットサン720に乗っていたピックアップ好きなので、いつかはタコマに乗りたいと思っていました。タンドラもいいですけど、その前身のV6エンジンを積んだT100の方が好みかな。

いわゆる逆輸入車に詳しいのは個人的な趣味もそうですが、90年代の終わり頃にブームがあったのが関係します。ピックアップトラックとSUVを中心にかなり流行りました。ムック本を制作したのを覚えています。トヨタのみならず、日産パスファインダー(日本名テラノ)、マツダBシリーズ(日本名プロシード)なんかが人気でした。ホンダはリッジラインあたり。
といった経験もあって、数年前に所有したRAV4アドベンチャーはアメリカ仕様でした。ハンドルはもちろん左、エンジンは日本にはない2.5リッター直4となります。トランスミッションはトルコン式でした。
しかもそのマスクにタコマの TOYOTAマークを移植するなど手の込んだことをしました。かつては多くのアメリカで売られているトヨタ製ピックアップはそうでしたから、そこにこだわりました。気づいていますか? ランクル300もそうですが、最近グリルに TOYOTAマークが付いたモデルが日本でもチラホラ見えることを。彼らがどんな意図でそれをやっているか知りませんが、楕円形のマークよりカッコいいのは明らかです。

ちなみに、個人所有していた5世代目RAV4は当初日本で販売する予定はありませんでした。4世代目もそうですが、RAV4はアメリカ市場をメインにしたクルマつくりをしていました。が、その出来上がりを見て国内販売チームが日本でも売りたいとなったのです。その読みは見事成功ですよね。アメリカから半年遅れで国内販売はスタートしました。何度かRAV4のオフ会に足を運びましたが、あれほどカスタムしたRAV4が並んだのは見たことがありません。オーナーの方々も皆楽しそうでした。
なので、先日発表された6世代目は当初から国内での販売を念頭に置いています。でも主戦場はアメリカですかね。デザインテイストはそんな雰囲気です。
ということで、今回は先日リリースされたトヨタの逆輸入車販売のニュースにスポットを当てました。当初は3モデルということですが、その先はどうなんでしょう。新型4ランナー(日本名ハイラックスサーフ)はぜひ入れて欲しい。初代のイメージをお持ちの方はかなり大きく感じられると思いますが、全体的にワイルドでカッコよく仕上がっています。ヒットすること間違いないでしょう。
でもハンドル位置はどうするんだろう。トヨタのことですから右ハンドルに作り変えるんでしょうね。できれば左ハンドルのままでいいんですけど。国交相が許してもトヨタの社内規定ではNGになるかと。いずれにせよ、2026年はJMS(ジャパンモビリティショー)に出品されたランドクルーザーFJも登場しますからトヨタは忙しくなるに違いありません。どれでもいいけど、買えるといいなぁ。