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更新日:2015.11.04 / 掲載日:2015.10.01
【ブリヂストン】新しい天然ゴム素材「グアユール」のタイヤを開発

ユニット・コンパス/Goo-net編集部
ブリヂストングループが、新しい天然ゴムを材料としたタイヤを完成させた。新たなタイヤの材料となったのは、アメリカ南西部からメキシコにかけての乾燥地域を原産とする低木「グアユール」由来の天然ゴムで、アメリカ・アリゾナ州にあるグアユール研究施設を中心に栽培から抽出精製まですべての過程を自社で開発した。
現在のタイヤの原材料には樹木である「パラゴムノキ」由来の天然ゴムが使われている。世界的な人口増とモータリゼーションの進展によりタイヤの需要は年々拡大しているが、タイヤの主要な原材料である天然ゴムは約9割を東南アジアの熱帯地域で栽培されるパラゴムノキに依存している。原材料の生産地を分散させて継続的かつ安定的に天然ゴムを確保するため、ブリヂストングループは組織に含まれるゴム成分がパラゴムノキ由来の天然ゴムによく似た性質を持っているグアユールに着目。パラノキゴムに代わる天然ゴム供給源のひとつとして、実用化に向けたグアユールの研究開発を進めてきた。
グアユール由来の天然ゴムを使ったタイヤ製造プロジェクトは、2013年9月にスタート。114ha(東京ドーム約25個ぶん)の広さを持つアリゾナ州エロイ市の研究農場で品種改良や栽培技術の開発を行い、2014年9月にはアリゾナ州メサ市に天然ゴムの試験生産を行うためのグアユールの加工研究所「バイオラバー・プロセス・リサーチ・センター(BPRC)」を開設した。BPRCで生産されたグアユール由来の天然ゴムは、日本、アメリカ、ヨーロッパの技術センターで性能を評価したうえ、タイヤの生産および評価を行った。
今回発表されたタイヤは試作モデルだったが、ブリヂストングループでは今後も市販タイヤの製造に向けてグアユールの栽培からタイヤ開発までの一貫した研究開発を推進していく。