車のニュース
更新日:2025.11.14 / 掲載日:2025.11.14

よりエコに、快適に、安全に、モビショーで注目を集めた最先端パーツ&テクノロジー

トヨタ合成のコンセプトカー「フレスビーハイコンセプト」は水素で走る燃料電池車

 各自動車メーカーが最新のコンセプトモデルなどを展示し、未来のクルマの姿をイメージさせたジャパンモビリティーショー2025。サプライヤーや異業種の企業なども、さまざまな注目の最新技術を披露した。そこで、安全性や快適性などドライバーのメリットに直結するものや、環境などの社会課題の解決に役立つテクノロジーを中心に紹介したい。

ジャパンモビリティショー2025

日本屈指のモビリティの祭典「JAPAN MOBILITY SHOW (ジャパンモビリティショー)2025」が2年ぶりに開催!
2025年10月30日(木)~11月9日(日)の期間、東京ビッグサイトにて開催される。ここでは、最新情報から独自企画などジャパンモビリティショーにフォーカスした記事を一覧でご覧いただけます。

衝突安全性も高めた燃料電池車、水素は家庭内との共用も視野【豊田合成】

 豊田合成が出展した「フレスビーハイコンセプト」は水素で走る燃料電池車のコンセプトモデル。ポータブル水素カートリッジはクルマやスクーターのほか、調理用の熱源や夜間作業用の電源としても利用可能。実際にリンナイの水素調理バーナーと合わせてトヨタ自動車の食堂で実験的に活用されている。

水素カートリッジの交換を実演する豊田合成のスタッフ
ポータブル水素カートリッジ

 ボディには歩行者などに光や音で運行状況を知らせるボディサイネージのほか、自転車などの衝突時にボディの一部が張り出して、衝撃を吸収するポップアップフェンダーなども搭載。乗員が投げ出される勢いを軽減したり、方向をコントロールする役割を果たす。

自転車などとの衝突時に飛び出すポップアップフェンダー

 バンパーなどの外板ボディには、プラスチックやゴムのリサイクル材を使用し、エコにも配慮していた。

海洋プラスチックを使った生地と農業従事者の高齢化に対応したシート【アウンデ紡織】

 アウンデ紡織はリサイクルを強く意識したシート素材などについて提案。生態系への影響が叫ばれている海洋プラスチックから作った生地や、リサイクルしやすいようにウレタンを使わず両面PETで作った生地のほか、炭や竹、さとうきびなどの天然素材を使った生地なども展示した。

海洋プラスチックを使ったシート生地用の素材

 人工スエードの「ブランノーブ」はペットボトルを原料にしたリサイクルポリエステル糸を使い、原料のリサイクル率50%以上。ウレタンも不使用だ。不織布でなく、トリコット(ニット)を使っているため、たわんだ部分が回復しやすいという特徴もある。ヌバックのような独特なぬめり感があり、強度も高く、自動車シートに向いた生地だ。

質感良く、エコにも配慮した人工スエード「ブランノーブ」

 このほか、欧州のトラクターや建機に採用されているという最新のシートも紹介。ショックアブソーバーを備え、腰の部分はホールド機能を設定。広大な畑で長時間連続作業をすることも考慮して搭載したマッサージ機能は、運転に支障のない程度の押し加減で血流を促すもの。農業従事者などの高齢化に対応した、現代らしいシートだ。

欧州で採用されているトラクターや建機用の最新型シート

電気、通信を確保し、空気から水を生成するオフグリッドトレーラー【竹中工務店】

 竹中工務店がさまざまな企業との連携で開発を進めるのは、電気、通信を確保し、水の生成や水循環式のトイレなどを備えるオフグリッドトレーラー。

大阪・関西万博では移動コンビニなどとしても活躍した竹中工務店の木製オフグリッドトレーラー

 スターリンクのアンテナを設置し、太陽光発電と蓄電池に加え、メタノールを利用した発電機も使って、電力を確保。市販の駆動装置を使って、自立移動もできる。

メタノールを使った発電機は水もほとんど出ず、室内でも安全に発電が可能

 展示のトレーラーには未搭載だったが、シリカゲルを利用し、ほぼ電気を使わず空気から水を生成するシステムや、ろ過や吸着などの非生物学的処理で水の再利用ができる水循環式トイレ、生ごみをバイオガス化してエネルギーを生む「メタファーム」などについても紹介した。

 また、大阪・関西万博で移動コンビニなどとして活躍したモデルや2027年に横浜で行われる国産園芸博覧会で利用される予定のモデルも展示。

 物販やイベント用から、キャンプ、災害時の場所などいろんなシーンで心強いエコで多機能なトレーラーの未来を見せてくれた。

国際園芸博で利用されるオフグリッドトレーラーのイメージ

リラックス&セーフティな次世代移動空間【トヨタ紡織】

トヨタ紡織のブースでは快適で安全な移動空間を映像や体験を交えて紹介した

 最大48度のリクライニング機構やオットマン、前後調整付き大型ヘッドレストを備え、車内でリラックスする時にも最適な姿勢を提供するシートは安全性にも配慮。快適性と安全性を高いレベルで両立するには、大型高級ミニバンのキャプテンシートのような太く堅牢なフレームを必要とし、大きなものになってしまいがちなところ、薄さも意識して作られた。

 薄型化は、軽量化や室内スペースの確保に役立ち、さまざまな車両への搭載を可能とする。展示では運転席の位置に設置されたが、実際にはミニバンやSUVなどの2列目以降のシートなどにも活用されるものと思われる。

快適、安全かつ薄型であることにも特徴のシート

 リラックスシーンではユーザの気分に寄り添った光の演出を行う「車室内イルミネーション」は、例えば、近くを自転車が通過しようとした場合などには警告の色に変わり、安全性を高める装置としても機能する。

 「室内熱マネジメントシステム」は首元のヒーターの吹き出し口やシートに備えた空気袋なども活用して、乗員を効率よく温める、あるいは冷やすことで、無駄なエネルギーを削減するエコな内容だ。

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ライタープロフィール

家本浩太(イエモトコウタ)

地方新聞社で記者としてキャリアをスタートし、自動車産業やモータースポーツ関連の原稿を多く手掛けた。その後、自動車分野を専門とする制作会社では雑誌やムック本、ディーラーの機関紙などの取材・編集などを担当。自動車ニュースサイトでデスクを務めるなどし、現在はグーネットマガジン編集部に。自動車関連で最も多く取材をした分野はキャンピングカー。

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地方新聞社で記者としてキャリアをスタートし、自動車産業やモータースポーツ関連の原稿を多く手掛けた。その後、自動車分野を専門とする制作会社では雑誌やムック本、ディーラーの機関紙などの取材・編集などを担当。自動車ニュースサイトでデスクを務めるなどし、現在はグーネットマガジン編集部に。自動車関連で最も多く取材をした分野はキャンピングカー。

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