車のニュース
更新日:2025.03.10 / 掲載日:2025.03.10
マクラーレン 航空宇宙の技術をカーボン製造に応用 最新スーパーカー「W1」に初採用
マクラーレン・オートモーティブは、航空宇宙産業で使われる技術を応用した独自の「マクラーレン ART カーボン・ファイバー」を開発し、世界初の軽量スーパーカー・エンジニアリングを実現したと発表した。

マクラーレン・オートモーティブでは、自動車セクターに高度に適応させた最先端の製造工程を世界で初めて開発。オートメイテッド・ラピッド・テープ(ART)と名付けられたこの技術は、先進的な構造最適化により従来の製造法と比較し、より軽量で高剛性、高強度を実現するとともに、製造過程で出る廃棄物の削減にも貢献するという。

航空宇宙産業では、最新世代のジェット旅客機や戦闘機のために専用設計されたカーボン・ファイバー製の構造物を作る際、ロボットアームでコンポジットテープを積層して成形するという超精密な製造法が使われている。
マクラーレンでは、この製造法を高速化したものを開発。専用に設計された製造装置は、積層ヘッドが固定され、旋回可能なマシンベッドが素早く動く仕組みで、これにより自動車製造に適した高速な製造工程が可能となった。

マクラーレン・コンポジット・テクノロジーセンター(MCTC)では、この高速積層機のプロトタイプを既に導入しており、2025年中には量産スペックの機器にスケールアップされ、生産量も拡大する予定だとしている。

この新技術を使って製造したART カーボン・ファイバーは、最新のアルティメット・スーパーカー「W1」に初めて採用される。最大1,000kgものダウンフォースを発生する空力パッケージのアクティブ・フロントウィングに備わる可動部品に使用され、従来のパーツより剛性が最大10%向上し、空力上の耐荷重機能も大幅に強化されるという。
マクラーレンは今後、この技術を駆使して、超軽量・超高強度のカーボン・ファイバー製タブを構成し、次世代のマクラーレン・スーパーカーの骨格とすることを検討している。
マクラーレン 公式HP:
https://cars.mclaren.com/jp-ja
【あわせて読みたい】