日産 動物を守る“音”とは？新プロジェクト「アニマラート」始動【動画あり】

　日産は、3月3日「世界野生生物の日」に合わせ、クルマと野生生物の接触事故（ロードキル）ゼロを目指す「NISSAN ANIMALERT PROJECT（日産アニマラートプロジェクト）」を開始した。

　このプロジェクトは、電気自動車（EV）に搭載される、歩行者にクルマの接近を知らせる「接近通報音」技術に着目。動物に合わせた周波数を発する装置を導入することで、野生生物にもクルマの接近を知らせ、事故の防止に繋げることを目指して立ち上げられた。

　第1弾では、日産、奄美市、環境省、岡山理科大学、T.M.WORKSら7団体が連携し、産官学一丸となって鹿児島県奄美大島と徳之島にのみ生息する日本固有種で、絶滅危惧ⅠB類（近い将来に絶滅の危険性が高い種）に指定されているアマミノクロウサギの保護を目指す。

　2021年7月に世界自然遺産に登録された奄美大島では、クルマと動物の接触事故「ロードキル」が深刻な課題となっている。環境省の調査によると、アマミノクロウサギのロードキル件数は7年連続で増加し、2023年には過去最多の147件を記録した。

　日産では、クルマに乗る前にボンネットなどを叩いて、エンジンルームやタイヤの隙間などに潜む猫を保護する「#猫バンバン」や、獣医師会と協力し、災害時・停電が発生した際に「日産リーフ」を動物病院に無償で提供する取り組みなど、動物愛護に関する活動を積極的に行ってきた。

　今回のプロジェクトでは、世界初のEV量産車「日産リーフ」に搭載した「接近通報音」技術を生かし、動物に合わせた周波数を発する装置を開発。2024年12月には、テストデバイスを搭載した日産サクラによる走行実験を奄美大島にてスタート。

　アマミノクロウサギの出現する夜間に時速10kmで走行を行い、高周波音の有無での挙動データを収集。実証実験段階ではあるが、高周波音のスイッチを入れた途端にアマミノクロウサギが逃げ出すという動作が確認できたという。

　また、実証実験の開始に伴い、プロジェクトムービーとインタビュームービーを、日産公式YouTubeチャンネルおよび公式SNSにて公開。日産がこのプロジェクトを始めた意義や技術、今回のプロジェクトにかける意気込みなどを紹介している。

　日産はこのプロジェクトを通じて、増加するアマミノクロウサギのロードキル件数を抑制し、将来的には全国各地で発生している野生生物のロードキル問題の解決を目指していく。

プロジェクト参加・協力団体と役割

日産：プロジェクト企画、実験車両提供、高周波音特性の共同分析、公道走行時の保安基準に適合したデバイス設置位置検証、実験計画策定/実施サポート 等

鹿児島県 奄美市役所：実証実験場所の提供/交渉/許認可調整、車両管理、実証実験実施サポート 等

岡山理科大学、T.M WORKS：テストデバイス提供、実験計画策定、実証実験マネジメント、データ解析 等

日本大学、帯広畜産大学：データ解析支援 等

環境省 奄美群島国立公園管理事務所：アマミノクロウサギ及びそのロードキル実態に関する知見提供、実験計画への助言/実施サポート、森林地域内の道路を利用する上での手続き等のサポート 等

日産 公式HP：
https://www.nissan.co.jp/

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2024.11.18