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更新日:2024.01.19 / 掲載日:2024.01.19
あのキューブが手に入る!? 日産が認定中古車のリフレッシュ&カスタマイズカーを販売
文と写真●ユニット・コンパス
思ったよりいいじゃないか! これならちょっと乗ってみたい。
日産本社の地下駐車場に展示されたリフレッシュ&カスタマイズ済み認定中古車「CUBE Retro Renovation」を見て、素直に思った感想だ。
このクルマは2023年の東京オートサロンに参考出品されたカスタマイズカーの言わば“市販版”で、認定中古車をベースにユーザーの希望と予算に応じてリフレッシュとカスタマイズの範囲が選べるのが特徴。参考価格は総額160万円程度で、1月22日から奈良日産より20台限定で販売される。
「日産のクルマを、より長く、より多くのお客様に、安心・安全に楽しんでお乗りいただきたい」
20台限定という規模感からもわかるとおり、日産のなかでも実証実験的な意味合いがあるという今回のプロジェクト。そもそもの発端は、新車が高い! 可処分所得が上がらない! そんなユーザーたちの声、とくに若い世代の声を聞いて、日産としてもなんとか要望に応えたいという機運が高まったところにある。
そこで、市場調査などの結果、若いユーザー層に人気のレトロカスタムをできるだけ手の届きやすい価格で実現しようと、プロジェクトが動き出した。そして、東京オートサロン2023に展示されたキューブの参考出品車の反応が良かったことから、約1年をかけて販売の準備を整えた。
「CUBE Retro Renovation」はの仕組みはこうだ。
まず、車両の製作と販売を担当する奈良日産がキューブの認定中古車を確保するので、ユーザーはそのなかからベースとなる1台を選ぶ。
つづいて、内外装部品をどこまで新品に交換するのかを相談。「リフレッシュパッケージ」(7万4835円〜39万1776円)が3段階で用意されている。
最後に、ホイールカバーやシートカバー、2トーンボディステッカーなどのカスタマイズを3段階の「カスタムパッケージ」(10万6430円〜75万764円)から選んでオーダー。納期は、契約から3週間から1カ月を想定しているという。
今回取材した車両は、取材車両は「CUBE Retro Renovation」のデモカーにあたる車両で、だいたい200万円程度の予算でこの状態に仕上げることが可能だという。
また、購入者特典として、オリジナルキーカバーもプレゼントされる。
リフレッシュの効果は絶大!
正直な話をすると、説明を聞いている時点では、日産の熱意もプロジェクトの意義も理解した上で、70万円の中古車が160万円から200万円というのはちょっとどうなんだろうと懐疑的だった。だが、実車をチェックすると、ヘッドライトやカウルトップ、ワイパーアームなどが新品交換され、ボディも磨き上げられたおかげで中古車っぽさはまったく感じることがなかった。もちろん中古車であることは事実なのだが、価格なりの見た目にちゃんと仕上がっていたのが嬉しかった。これなら気分よく乗れるだろう。
メカニズム的な部分については、日産認定中古車の仕様に基づいて、点検・整備・部品交換が行われており、もちろん保証やアフターケアも付帯する。
やはり、日産と日産の販売会社が連携して作られたカスタマイズカーという安心感は大きい。
まとめ
日産としては、この取り組みが成功すれば、販売店や車種をスケールアップしたいとのこと。東京オートサロン2024では、マーチをベースにしたカスタマイズカーが展示されていたことからも、今後の展開に期待できそうだ。