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更新日:2022.04.01 / 掲載日:2022.04.01
新型「GRカローラ」世界初披露 日本発売は2022年後半予定

トヨタGazoo Racing(TGR)は米国現地時間の3月31日、米カリフォルニア州ロングビーチにて、新型車GRカローラを世界初披露した。日本での発売は2022年後半予定。
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カローラは、1973年のトヨタのWRC初優勝を飾った「TE25カローラ」や、1975年に1000湖ラリーを制した「カローラ・レビン」など、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の礎を築き、その走りが多くのモーターファンに愛されたモデル。今回、「ファンを虜にするカローラを取り戻したい!」とのモリゾウこと豊田章男社長の強い思いでGRカローラの開発がスタートしたという。この開発においては、レースで勝つために鍛えたクルマを市販化するという、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を実践、「水素エンジンカローラによるスーパー耐久シリーズ参戦」を通じて、新技術である水素エンジンと並行して車両を総合的に鍛え上げたとしている。
最高出力224kWの1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジン搭載


同モデルには、GRヤリスにも搭載した1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジンを更に強化して搭載し、最高出力224kW(304PS)を達成。また、エンジンの排気効率を向上させ、バルブ付き3本出しマフラーを採用することにより、排圧低減と消音性能を両立。圧倒的な加速と気持ち良い回転数の伸びがより感じられるエンジンに仕上げられた。
鍛え抜かれたスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」と高剛性ボディ



カローラスポーツのボディを基本骨格とし、ロングホイールベースによる優れた走行安定性はそのままに、フロントを60mm、リヤを85mmワイドトレッド化することにより、高速旋回性能を向上。スポーツ走行時の安定性・コントロール性を大幅に高めた。
また、GRヤリスと同様、電子式多板クラッチによる前後駆動力可変システム採用のスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」を搭載。今回、駆動配分を制御する4WDモードと、アクセル応答性やステアリングなどを制御するドライブモードを分けたことで、ドライバーの好みや走行環境に応じた選択を可能にしている。さらに、ブッシュのピロボール化、スプリング、アブソーバー、アライメントの最適化も施し、余すところなくGR-FOURの最適駆動力配分を路面に伝達。圧倒的な旋回性能を実現している。
ドライバーの操作へ俊敏に反応する走りを目指すべく、ボディ剛性の強化にも着手。元町工場 GR Factoryにおいて生産することで実現する高剛性基本骨格に加え、リヤホイールハウス間や床下トンネル、タンク前の床下にブレースを追加し、操縦安定性能を高めた。また、GRヤリスと同様に形状自由度の高いSMC工法で成形されたCFRP素材のルーフパネルを採用し、剛性を高めるだけでなく、軽量化にも寄与する。ブレーキは対向キャリパーブレーキを搭載し、安定した制動力とコントロール性を実現した。
そのほか、最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を標準装備している。
機能美として昇華されたモータースポーツ起点のデザイン




内外装はモータースポーツ起点のデザインで、機能美溢れるものとなった。
エクステリアでは、基本骨格としたカローラスポーツと比較し、フロントフェンダーを片側20mm、リヤフェンダーを片側30mm拡大。ワイドなスタンスで、野性味のある走りを表現した。また、エンジンの高出力化を図るために装備された3本出しマフラーは、力強くスポーティーなリヤビューを強調する。さらに、フロントバンパーにインテーク、フロントフェンダーとフードバルジにアウトレットを設置。これはサーキットのみならずダートや雪道など様々な環境の路面で冷却性能、空力性能を徹底的に鍛え上げた成果として備わったものだという。



一方のインテリアは、ショートストロークのシフトレバーを採用し、ステアリングから自然に腕を下した位置に配置することで素早いシフト操作を可能に。また、ドリフト走行など限界域での車両コントロール用途を想定し、手引き式のパーキングブレーキを採用している。メーターは、GR車両専用に開発したFull TFTメーターを新規採用。レーシングカーの要素やプロドライバーの意見を取り入れ、スポーツ走行時の視認性を高めた。




主な諸元(開発目標値)


全長(mm) | 4,410 |
全幅(mm) | 1,850 |
全高(mm) | 1,480(アンテナを含む数値。ルーフ高は1,455) |
ホイールベース(mm) | 2,640 |
トレッド前/後(mm) | 1,590/1,620 |
乗車定員 | 5 |
車両重量(kg) | 1,475 |
エンジン | 1.6L直列3気筒インタークーラーターボ |
型式 | G16E-GTS |
内径×行程(mm) | 87.5×89.7 |
総排気量(L) | 1.618 |
圧縮比 | 10.5 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 224[304]/6,500 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 370[37.7]/3,000~5,550 |
トランスミッション | iMT(6速マニュアルトランスミッション) |
駆動方式 | スポーツ4WDシステム“GR-FOUR” 電子制御多板クラッチ式4WD(3モード選択式) |
変速比 1/2/3/4/5/6/後退 | 3.538/2.238/1.535/1.162/1.081/0.902/3.831 |
減速比 1~4/5、6、後退 | 4.058/3.45 |
差動装置(フロント・リヤ) | トルセン※7LSD |
サスペンション(フロント/リヤ) | マクファーソンストラット式 / ダブルウィッシュボーン式 |
ブレーキ(フロント/リヤ) | ベンチレーテッドディスク(18インチアルミ対向4ポットキャリパー)/ ベンチレーテッドディスク(16インチアルミ対向2ポットキャリパー) |
ホイール | 18インチ グロスブラック15スポークキャストアルミホイール |
タイヤ(フロント・リヤ) | 235/40R18 Michelin Pilot Sport 4 |
燃料タンク容量(L) | 50 |