車種別・最新情報
更新日:2022.03.16 / 掲載日:2022.03.10
新型EVバン「ID.Buzz」世界初公開 欧州で今秋発売 VW

フォルクスワーゲンは現地時間の3月9日、新型EVバンの「ID.Buzz(ID.バズ)」および商用車仕様の「ID.Buzz Cargo(ID.バズカーゴ)」を世界初公開した。欧州では今秋より発売され、一部の国では2022年5月より先行受注を行う。
「タイプIIと共にあったライフスタイルを現代にもたらすモデル」

ID.バズおよびID.バズカーゴは、同ブランドの代表的モデル「Bulli(ブリー、タイプII)」のキャラクターを現代に継承するモデルとして、2017年のコンセプトモデル発表以来、注目を集めてきた。そしていよいよワールドプレミアを果たした両モデルは、電気自動車として生まれ変わっただけでなく、最新世代の車載ソフト「ID.ソフトウェア」を採用し、安全性や快適性をもたらす様々な先進機能を利用可能としている。
フォルクスワーゲン取締役会長のラルフ・ブランドシュテッター氏は「ID.バズは、電気自動車時代の真のアイコンとなり得るモデルで、フォルクスワーゲンにしか作れないクルマです。1950年代にブリーは、自動車の自由、独立性、そして大きな感動を象徴していましたが、ID.バズはそれを継承するものであり、なおかつエミッションフリー、サスティナブル、そして自律走行といった次のチャプターに進むための第一歩となります」と話す。
両モデルは、モジュラーエレクトリックドライブキット(MEB)と呼ばれる電気自動車用の量産プラットフォームをベースに採用。搭載するソフトウェアの無線アップデートも可能にする。さらに、「ID.ソフトウェア」の採用により、他の車両や交通インフラからの信号を利用してリアルタイムに危険を察知する「Car2X」ローカルウォーニングシステムを標準装備。また、緊急ブレーキ機能の「フロントアシスト」、車線維持支援機能「レーンアシスト」なども標準装備となる。さらに、オプションで搭載可能のスウォームデータによるトラベルアシストは、全車速域での部分的な自動運転を可能にし、高速道路での車線変更もアシストできる機能だという。そのほか、事前に保存したルートで自動駐車を行う「メモリー機能」も新たに搭載する。
77kWhバッテリー搭載 将来的にはプラグ&チャージ機能や双方向充電も可能に

両モデルには、動力源として77kWhのバッテリーを搭載、これに150kWの電気モーターが組み合わされる。そして、リチウムイオンバッテリーは公共の充電ステーションなどで充電可能とし、急速充電では最大170kWの充電出力により、約30分で5-80%の充電ができるという。
また、充電プロセスの簡素化に貢献する「プラグ&チャージ」機能、車両に蓄積した余分な電力を住宅に供給できる双方向充電機能などが、今後アップデートされる予定としている。
アイコニックなデザイン


デザイン面では、ブリーとのリンク性を意識した外観が目を引く。フロントのオーバーハングを無くしたスタイルはまさにブリーのそれを踏襲したもので、そこにシャープなラインのLEDヘッドライトを組み合わせ、伝統を感じさせつつも未来志向のイメージを作り上げた。また、担当デザイナーによれば、V字型のフロントパネルや、ユニークなツートンカラー塗装なども伝統を意識したものであるという。
移動の多い生活を考慮した広い室内空間



車内は、長距離移動の多い用途を想定し、広々と設計された。両モデルとも全長4,712mmで、ホイールベースは2,988mmのロング仕様。高さは仕様により1,937~1,938mmで、全幅は1,985mmとなっている。
ID.バズでは5人の乗員が快適に座れるためのスペースを確保しつつ、ラゲッジは通常で1,121Lの容量を確保。さらに、2列目シートを倒せば最大2,205Lの容量を得られる。
一方のID.バズカーゴは、前席の後ろをパーティションで仕切った仕様が特徴。ラゲッジはユーロパレットを横並びで2台積載できる広さを確保している。

