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更新日:2021.12.24 / 掲載日:2021.10.29
メルセデスAMG 新型「SL」 欧州で世界初公開

メルセデスAMGは現地時間の10月28日、2+2シーター・ロードスターモデルの新型「SL」を世界初公開した。ルーフは従来のメタルルーフに代えて電動ソフトトップを採用、さらに同モデルとしては初の四輪駆動を採用している。
初代のスポーティな遺伝子と先進技術の融合

新型「SL」の発表に際し、メルセデスAMGは初代SLの持つスポーティさと、現代のメルセデスが持つ高級感や先進技術の融合を強調する。
メルセデスAMGのフィリップ・シーマー取締役会長は「新型SLは、初代SLの持つスポーティな遺伝子と、AMGらしいドライビングパフォーマンスを融合させるとともに、トップレベルのラグジュアリーと快適性を実現しています。この組み合わせは、新型SLが現代のアイコンとして生まれ変わったことを明確にしています」とコメント。
同社の最高技術責任者であるヨッヘン・ヘルマン氏も「この新しい2+2コンセプトは、俊敏なドライビング・ダイナミクスと、高いレベルの快適性、そして日常生活での制限のない適合性を兼ね備えています」と語った。
今回の発表では、出力別に2つのAMG製V型8気筒 4.0リッターツインターボエンジンが用意され、トップモデルの「SL 63 4MATIC+」は最高出力585ps、最大トルク800Nm、0-100km/h加速3.6秒、最高速度は315km/hを実現。そして「SL 55 4MATIC+」は最高出力476ps、最大トルク700Nm、0-100km/h加速3.9秒、最高速度は295km/hというスペックになっている。
また、今後ハイブリッドモデルも追加される予定であることを明らかにした。
スポーティな遺伝子を強調するエクステリア
“SLらしさ”に重点を置いたエクステリアは、ロングホイールベース、ショートオーバーハング、ロングボンネット、強く立ち上がったフロントガラスで後ろに下がったパッセンジャーコンパートメント、そして力強さのあるリアエンドが特徴。また、ボリューム感のあるホイールアーチや外板と同じ高さの大型アロイホイールと相まって、ロードスターのパワフルでダイナミックな外観を表現した。
AMG専用のラジエターグリルは、フロントのワイド感を強調、伝説の「300 SLレースカー」をモチーフとした14本の垂直ルーバーを備えて伝統性も主張。また、スリムでシャープなデザインのデジタルライトLEDヘッドランプや、スリムに描かれたLEDリアランプなども個性を際立たせるデザイン要素となっている。
スポーツの美点とラグジュアリーを兼ね備えた“ハイパーアナログ・コックピット”
インテリアも初代300SLロードスターの伝統を強く意識し、ドライバーユースに焦点を当てたミニマルな作りとなった。アナログな幾何学性とデジタルな装備の融合は“ハイパーアナログ”という呼び名が与えられている。その象徴となるのが、立体的なデザインのバイザーに組み込まれたフルデジタルのインストルメントクラスターで、標準装備されるMBUXインフォテインメントシステムを自在に操作可能。このシステムには、AMG専用のコンテンツも追加されている。
また、フロントシートは電動調整式のAMGスポーツシートを標準装備。ヘッドレストに備えられたエアアウトレットにより搭乗者の首回りを温かい空気で包み込む「エアスカーフ」も搭載される。
計算された設計がもたらす高い走行性能
格納式リアスポイラー閉時 格納式リアスポイラー開時
新型「SL」には、2つのアクティブ・エアコントロールシステム「エアパネル」を採用。フロントエプロン下部とアッパーエアインテーク部に備えられ、冷却効果をもたらす。
また、トランクリッドに格納式リアスポイラーを装備しており、走行状況に応じて開閉する。
「SL」初採用となった四輪駆動システム「AMGパフォーマンス 4MATIC+」は、フロントとリアのアクスルに完全に可変のトルク配分を行うことで最適なトラクションを確保。様々な状況下にあっても高い操縦安定性と高い安全性を実現する。
サスペンションは、アルミ製ショックアブソーバーと軽量コイルスプリングを採用した新開発のAMG RIDE CONTROLスチールサスペンションを標準装備。また、メルセデスAMGの量産車としては初めて、マルチリンク式フロントアクスルを採用、運動性能を大幅に向上させた。
そのほか、6つのドライビングモードを備えたAMGダイナミックセレクトも搭載し、様々な走行条件に対応した走りが可能となっている。