ヴォクシー大特集 クールで個性的なミニバン界のイケメン

車種別・最新情報 [2021.09.28 UP]

ヴォクシー大特集 クールで個性的なミニバン界のイケメン

トヨタ ヴォクシー

文●大音安弘 写真●トヨタ

 トヨタのファミリー向け人気ミニバンの王道といえば、「ノア」と「ヴォクシー」。2台は姉妹車だが、フロントマスクデザインやキャラクターがしっかり差別化されている。正統派のノアに対して、クールさや個性を重視されていたのが大きな特徴だ。そんなヴォクシーの歴史を振り返る。

この記事の目次

ヴォクシーの歴史

初代ヴォクシー(2001年-2007年)

 ヴォクシーは、ワンボックスのライトエースの流れを汲むモデルだ。歴史の長さではライトエースの方が上だが、その上位版として「タウンエース」が誕生した経緯もあり、その後、2台は販売チャンネルを分ける姉妹車となるのだが、ワゴンとしてはタウンエースの方が有名となっていく。1996年登場のミニバンスタイルに進化したモデルは、タウンエース同様に、「ノア」のサブネームが与えられ、正式名称を「ライトエース ノア」としていた

 大きな転機となるのが、2001年登場の新型ミニバンだ。従来までのFRレイアウトではなく、乗用車タイプのみを設定するようになったことから、新開発のFFプラットフォームを採用するなどし、全面刷新が図られた。この際に、「タウンエース ノア」の後継車は、「ノア」を、「ライトエース ノア」の後継車が「ヴォクシー」と命名された。

 基本構造やモデル構成などを共有するのは従来同様だが、「ヴォクシー」はクールで引き締まったイメージのモデルが目指され、鋭さや迫力を追求。若々しく精悍なスタイルが与えられた。その差別化の要となるのが専用フロントマスクで、コンパクトなグリルと2分割デザインのヘッドライトによる力強い顔立ちが印象的であった。このようなヴォクシーのキャラクターの背景には、専売となるネッツ店が、若者や女性をターゲットとしていたことが大きく影響しており、ヴォクシー自身のキャッチコピーも「I am a Father,」と、特に若いパパ層にアピールをしていた。

 そんなヴォクシーのキャラクターを際立たせる特別仕様車も誕生。それが「煌(キラメキ)」だ。エアロ仕様となるスポーティな「Z」グレードに便利機能を追加したお買い得仕様で、初代では、改良型となる「煌Ⅱ」も登場。その後も、同様のスポーティグレードをベースとした特別仕様車「煌」シリーズは好評となり、現行型まで3世代も受け継がれている。

2代目ヴォクシー(2007年-2014年)

 2007年のフルモデルチェンジで2代目に進化したヴォクシーは、ノアと基本構造を共有し、似たグレード構成が与えられたが、よりフロントマスクデザインの差別化が強まり、個性的なグリルレスデザインに。ノーズが延長されたボンネットの中央には、ネッツ店モデルであることを示すネッツエンブレムが与えられたのも、新たな特徴のひとつ。ヘッドライトに樹脂パーツを追加することで、2分割式に見えるライトデザインも踏襲されていた。より個性を強調することで差別化が高められた一方で、好き嫌いが分かれるデザインになってしまった。新型のキャッチコピーも、「父になろう」や「男旅しよう」など、アクティブなパパたちを意識したものであり、パパ役として、反町隆史、浅野忠信、布袋寅泰といった豪華メンバーが起用されたのも話題となった。

ヴォクシー ZS G’sバージョンEDGE(2011年)

 2010年6月には、異端的な本格スポーツミニバンとなる「G SPORT(G‘s)」シリーズを投入。より高度なチューニングを施した「G’s Version EDGE」も設定。これらの流れはノアと共通であり、仕様にも差はないが、フロントマスクの違いから、フロント部のデザインのみが差別化されていた。

3代目ヴォクシー(2014年-)

 第3世代となる現行型は、2014年に登場。歴代モデル同様に、クールさを強調したヴォクシー専用デザインを採用する。フロントマスクは、大型グリルが復活したが、中央に水平基調のバーデザインを施すことで、ヘッドライトを含めた上下2段構成のシャープなマスクを実現している。3世代目からは、トヨタの上級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」の弟分的なキャラクターも与えられ、ヴォクシーはプチヴェルファイアの要素を強めた。インテリアについては、デザインこそノアと共通だが、専用色として鮮やかなオレンジを採用するなど独自の路線を貫いた。また現行型より、シートレイアウトは、ノアも含めて3列シート車のみとなっている。

 メカニズムについては、歴代モデル同様にノアと共通。大幅なプラットフォーム改良による進化はじめ、ハイブリッドや先進の運転支援パッケージ「トヨタセーフティセンスC(後にトヨタセーフティセンスに改良)」の採用など、時代が求めるニーズにも積極的に対応していた。

 2016年4月には、ノア同様に「G’s」を設定。フロントマスクデザインの違いから、フロント部のデザインを専用化。チューニング内容は、先代の「G‘s Version EDGE」のようにトータルチューニングを施したコンプリートカーに仕上げられている。2017年9月には、マイナーチェンジ後のモデルをベースとした「GR SPORT」を設定。呼び名こそ変わったが、G’sの改良版であり、チューニングの熟成が図られている。

ヴォクシー ZS(2019年)

 最新仕様のヴォクシーは、2020年5月1日よりスタートしたトヨタ全店舗全車種扱いの流れを受けて、売れ線である3ナンバーのエアロ仕様の上級仕様「ZS」にモデルラインを集約。ハイブリッド車とガソリン車のFFと4WD。そして、ZSをベースとした特別仕様車「煌Ⅲ」とコンプリートカー「ZS GR SPORT」に集約され、281万3800円~334万7300円のコンパクトミニバンの中では、高価格帯モデルとなってしまった。それにも関わらず、2021年上期の登録台数は、ノアの1.5倍となる41,101台を記録するなど、高い人気を誇っている。特に同じく高価格帯に集約された姉妹車「エスクァイア」については、販売を大きく落ち込ませており、2021年12月上旬に先行して販売を終了することがアナウンスされている。この結果からも、若いファミリーを中心に狙うミニバンには、高級路線よりも、スポーティやクールといったアクティブなキャラクターが支持されていることが伺える。現時点では、エスクァイアの生産終了のアナウンスのみで、ノアとヴォクシーについては、オーダーストップの情報はない。ただ次期型のコンパクトミニバンには、ヴォクシーの個性が強く反映される可能性は高そうだ。

著者プロフィール:大音安弘(おおと やすひろ)

自動車ジャーナリストの大音安弘氏

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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